(その26)AI(人工知能)が目覚めるとき何が起きるのか
昨年の12月に、将棋の三浦弘行9段が対局中に将棋ソフトをカンニングしているとの疑いがかけられ、連盟から出場停止処分を受けました。その時点で竜王戦というビッグタイトルの挑戦権も決まっていたというトップ級の中でもトップ級の棋士で、その挑戦権も奪われてしまいました。その後の第3者委員会の調査で疑いは晴れたのですが、この「事件」で明らかになったのは、連盟幹部やタイトル戦を争うようなトップクラスの棋士たちが、こんなことがあっても不思議ではないことだし、将棋ソフトの力を借りれば勝てると考えていることです。現にトップクラスの棋士との対戦でソフトの方が勝つケースが出て来ており、日に日に進化をしていっているようです。
国立情報学研究所の新井紀子教授のチームは2021年に東大合格をめざす人工知能(AI)「東ロボくん」プロジェクトを進めてきました。もう数年になると思います。昨年の東大の試験の数学で偏差値76(これはトップクラス)、世界史で学生平均を上回る成績出すところまで「成長」しています。国語と英語は苦手なようで、人間はコンピュータほど論理的ではないので理解に苦しむようなので、まだまだ東大合格はむずかしいらしいのですが、例えば関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)でしたら合格可能性が80%以上になっています。
AIの専門学者の新井さんが何よりも心配しているのは、2030年にはホワイトカラーの半分(約1600万人)の仕事が機械にとって代わられ、人間の仕事がなくなってしまうことです。すでに肉体労働の多くは機械によって奪われています。
イギリスの理論物理学者のホーキングさんは、この人は体が不自由で車イスの生活をしていますが、AIの発達に対してもう何年も前に警告を発しています。私たちが目覚めた時にネズミが看守をしている牢獄につながれていたらネズミを倒して出ていくだろう。彼ら(AI)だってそうだ。「目覚め」た時、人間の手に負えなくなる日がくる。仕事がなくなるどころではありません。
すでにクルマの自動運転は手の届くところに来ています。これはクルマの形をしたロボットです。こちらの命令を聞いてくれている間は目的地にちゃんと連れていってくれますが、彼らが目覚めた時、さてどうなることやら。
去年ベランダで小松菜を種から育ててみました。ホームセンターでも売られているけれど大半がF1種の一代限り。そうじゃなく自然なものがいいなとよつ葉で求めた。
そしてプランターいっぱいに成った新鮮な小松菜の柔らかさを頂きその一部を少し残して放っておくと菜の花みたいな可愛い黄花が。それからまだおくと莢に種を付け、乾いたら種採りしてまた植えてみました。
生きてるかな?……やった、芽が出たっ!! 街で暮らしていると存外生きものそのものを知らない。一から育ててみるとつながるいのちの営みが見えます。愛おしい世界を感じる時間も大切に。
(ひこばえ・下村純子)
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