これからも信頼される生産者として
こめ工房 南陽アスク 山形県:米
南陽アスクは、山形県の南陽市を中心に、おきたま地方で有機米や特別栽培で米づくりに取り組んでいる米農家のグループで、1995年に設立して早いもので20年が過ぎました。当時小生は32歳でした。会員の皆さんへは、ミルキークイーンをお届けしています。
「アスク」というグループ名は、南陽市の米を通じて消費者に問いかけようという思いで、設立当時のメンバーが青木・鈴木・黒澤ということもあり、それぞれの頭文字をとって、ア・ス・ク=「問う」と名付けました。また、南陽市から「新潟魚沼のコシヒカリを超える米を作りたい!」という想いもあったので、それをグループの目標として日々米づくりに励んできました。当時3名で始まったグループも、卒業していった仲間や、新しくメンバーに入った仲間など、現在は9名で活動しています。
設立当時は、いかにうまい米をつくって高く売るかということも、メンバーの目標でもありました。全国の米食味コンクールに出品して2000年にメンバー全員が受賞した時は、それまでの努力が報われた感じでした。山形県南陽産の米でも全国で勝負できると確信した時でもありました。それ以降、おきたま産の米は全国大会で入賞の数も増え、アスクの受賞は、地域の生産者に勇気を与えたことは間違いないと思っています。
よつ葉とのお付き合いも設立当初からなので20年になります。これまで、よつ葉でのさまざまな交流を通じて南陽アスクの想いを伝えてきました。また、私たちもそれらの交流を通じて、当時とは米づくりについての考え方も少し変わったように思います。地域との関わりや人との関係など、チームアスクもいろいろと勉強させていただきました。信用よりも信頼される生産者として、これからも力になれるよう精進したいと思います。
今後も「こめ工房 南陽アスク」のお米を、どうぞよろしくお願いいたします。
(黒澤信彦)
つながる想い
山口農園 奈良県:ベビーリーフ
奈良県宇陀市にあります山口農園では、有機JAS認証を取得しております。中山間地域特有の冷涼な気候を活かしながら葉物野菜を中心に、ビニールハウスで一本一本まごころを込めて栽培しています。
「次の日本の農業の担い手になるべく活躍する農業人を育てる」その思いで農園では、全国的には珍しい農業生産法人が母体となって運営する、奈良県の農業の公共職業訓練校も開校しております。この学校では、雇用就農希望者に対して本人の要望などをよくヒアリングし、就職先の紹介・斡旋などを行い、新規就農希望者に対しては、修了後新規就農へのステップが踏めるように研修先などの紹介を行っています。
しかし、たとえ新規就農ができたとしても5年・10年先に継続的な繁栄を行っていくことは至難の業です。そこで農園では「山口農園グループ」という組織を作り、新規就農者が農業を続けることのできる環境と仕組みを作りました。仕組みの骨格となるのが新規就農への次の3つのステップです。①栽培技術の修得。②土地の取得。③販路の確保です。
農園が取り組む販路の開拓は、「農は命の源」という想いを伝え発信することで、共感や共鳴を呼び、人と人がつながり、しだいに広がってゆきます。有機農業の取り組みや農業の重要性を、お店の方だけでなく、消費者である皆さんに知っていただく。そのために山口農園は「人や地球にも優しい農業とは何か?」と問いかけながら、日々努力邁進しております。
(ハーブ栽培担当・上 竜樹)
綿花から考えるソーシャルな消費
アバンティ 奥森秀子
アバンティはオーガニックコットンを生業にして今年で29年、オーガニックコットンのライフスタイル提案ブランド・プリスティンはデビューから20年を迎えます。当時、テキサスのファーマー、ラレーペッパーに「なぜ、大変な苦労をしてオーガニックコットンを作るのか」その目的を訊ねたところ、その答えは2つでした。先祖から受け継いだ大切な土地を綺麗な状態で子どもたちに引き継ぎたい。そして一般綿よりも高く売れるからと熱く話していたことが思い出されます。
地球環境の保全とファーマーの健康を守るという考えからアメリカやオーストラリアなどの先進国の農業として始まったオーガニックコットンですが、この20年で原産国が発展途上国に完全に移り変わりました。いったい何が起こっているのでしょうか。
私たちが暮らす上で毎日身につけているとても身近な綿製品ですが、その原料であるコットンの現場で起こっている社会問題が児童労働です。
一般の綿花の第一生産地は発展途上国であるインドです。その綿花畑では女の子が30度以上の炎天下で学校に行くこともなく、1日中働かせられています。その生産エリアでは40万人以上の子どもたち(その70~80%が女の子)が有害で危険な農薬にまみれで働いているのです。
綿花生産の世界の現状を知り、そしてオーガニックコットンのものづくりを通し『ソーシャルなモノづくり』『ソーシャルな消費』を皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
奥森さん
作業風景
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