よつばつうしん

2016年8月号(No.065)

 
巻頭特集 私たちはどこに向かっているのか
子ども・子育ては いま

子ども・子育てを特集しました。少子化や待機児童、子どもの貧困などがよく報道されるように、子育てが難しい社会になっています。そのなかで、先月号で紹介した子ども食堂のような取り組みも増えてきました。貧困対策は政治や行政にしかできません。しかし同時に、私たち自身が手をつなぎ、一人ひとりの喜びや悩みに寄り添いながら、子育てしやすい社会に変えていくことも求められます。よつ葉もそのお手伝いをしたいと考えています。
 別紙で「子ども・子育て」アンケート用紙を配布しました。ご意見をお寄せください。


子育て支援 今、私たちにできることは

岡崎義子(「たけのこ文庫」主宰・元梶原ぴっころ保育園園長)

「こどもキッチンNEXT」(6/25、大阪成蹊短大)にて。
詳しくは4面をお読みください。6面も関連記事。
 高槻に住み始めて50年、私自身の子育てとともに今も購読を続けている『母の友』(福音館)は、6月号の特集で、「育児ストレス!」を22ページにわたり大きく取り上げていました。それを読むと、我々の世代の子育てが、いかに回りの人たちに助けられ、育児の喜びやつらさを共有しあっていたかがわかります。増えている母親一人での育児は本当に大変なことです。
 また、新聞の紹介記事で手にした『保育園義務教育化』(古市憲寿・小学館)は、センセーショナルな一冊でした。昨年発行され、現在7刷目。本の帯には、「保育園落ちた日本死ね!」は当然の悲鳴だ!と匿名ブログの大きな文字。保育園を0歳からの義務教育にすれば、育児の孤立化、児童虐待を防ぎ、学力や景気を向上させる。日本を救う少子化対策にもなる未来への投資だ…といった論調です。
 けれども私には、この0歳からの義務教育化論は、児童福祉の主体である子どもを置き去りにした、少々乱暴な提言に思えます。哺乳類の一員であるヒトの赤ちゃんは、すべての世話を親にゆだねて生まれてきます。生後一年は、月齢による発達差が大きいこと、授乳を通して親子間に基本的な信頼関係をきずくなど、人間特有の大切な時期であることから、ヒトの赤ちゃんは、もともと集団保育にはなじまない存在です。国の保育制度の改変や規制緩和による乳児保育の量的拡大よりも、出産後の母体の十分な回復や、赤ちゃんの母乳を飲む権利、母性保護規定の拡大などが大切です。
 また、公的支援の届きにくい子育て家庭をサポートするために、それぞれの地域で、子育て経験のあるボランティアによる家庭訪問型の子育て支援活動が広がりつつあります。そこに、かつて地域でつながり支えあった時代の空気を感じ、大いに期待すると同時に、私たちもできることをしていきたいと思っています。

独りで考えすぎずに

和田玲美(ひこばえ)
 うちには小学4年生の息子が一人います。フルタイムで仕事をしているので、直接関われるのは朝出かけるまでと夕方帰宅してからと休日になります。毎日、あっという間に時が過ぎ、ゆっくり話している時間もわずか、勉強なんかほとんど見てあげられていません。
 4年生から学童保育もなくなり、放課後はおばあちゃんの所にランドセルを置いて遊びに行っています。…行っているようです。実際は見ていないのでわかりません。ここまで書いて、私は本当に子育てしているのか不安になってきました。かなり人任せです。
 半年くらい前から、今話題の子ども食堂が近所で月2回ペースで開催され、初めの頃は、学童のお友達と親も一緒にお邪魔しました。お楽しみ会のようで楽しいのですが、最近は、子どもたちに「もう行かないの?」と聞くと反応は今ひとつだったりします。子ども食堂=子どもの貧困≠ンたいな図式に気付いちゃったか? そんなんじゃないかもしれないけど、個人的には、そんな枠にはめたがるマスコミの発想に辟易しているこの頃です。主催のおじさんは「来てくれる子どもの中にそんな子が一人でもいてくれれば…」とおっしゃっているので、どんな子どもも一緒にご飯が食べられる地域の空間がうれしいのにね、とか思ったり。
 正解のない子育てだから、溢れる情報に振り回されて独りで考えすぎると追い詰められちゃう。心地よく依存できる地域のコミュニティーや家族がいるおかげで、こんな頼りない私でもどうにかこうにか、子育てしています。


働き方の見直しを

高木りゅうた(高槻生協組合員/高槻市議)
 1歳と4歳の子どもがいます。毎朝「きょうははやくかえってきてねー」と言われ、だいたい家に帰るのは子どもが布団に入る頃になります。ですので、胸を張って育児をしていますとは恥ずかしくて言えません。
 厚労省の調査では男性の育児休暇取得率は2%以下。まだまだ母親が育児のほとんどを担っています。政府も「女性の活躍」といいながら父親の育児参加を促す政策を示していません。
 先日、高槻市の子育て施策を審議する場で認定子ども園の園長さんが「保育は労働問題でもある。保育所に11時間も子どもを預けて働く国は日本くらい」と指摘していました。労働環境の悪化が、子どもとゆっくり向きあう時間を奪っています。非正規雇用の拡大や低賃金、労働法制の改悪などの政策の改善は喫緊の課題です。それとは別に、長時間働くことを美徳にしている職場の雰囲気もいまだにあるように思います。父親も育児をしていくにはこれまでの働き方を根本的に見直す必要があります。ということで、今日は早く家に帰ろうと思います。あっ、19時から会議≠チて手帳に書いてる(泣)。


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