「河合さん、みんな原発反対よ。それなのに安倍さんは私たちの声を聞いてくれない。あの人を何とか辞めさせることはできないかしら」と、先日の配達のとき、この欄を読んだ会員さんから声をかけられました。本当にそう思います。
世界で最初の原子炉は第2次大戦の終盤にアメリカで作られました。原爆を作るためです。発電とは全く関係ありません。そして2発の原爆、ウラン型原爆とプルトニウム型原爆が作られ、それぞれ広島と長崎に落されました。
ウランは自然界に存在しますが、そのうち、原爆の材料になったり、原子炉の燃料になったりするウラン235番はたった0.7%しかありません。まずこれを濃縮して純度を高めます。これがウラン濃縮で、もちろん日本は自前でやっていますが、イランや北朝鮮がやろうとすると、アメリカをはじめとする核保有国がよってたかって止めようとします。ウランを濃縮するのは大変ですが、濃縮したウランから原爆を作るのは簡単です。
プルトニウムの語源は「死の国の王」から来ています。欧米の人たちはプルトニウムと聞くだけでおぞましさを感じると思います。ウラン235番が核分裂するといろんな放射性物質ができますが、その中にプルトニウムがあります。これもウランと同じように核分裂しますから原爆の材料になります。世界最初の原子炉はウランからプルトニウムを製造するためのものです。今でも原発がプルトニウム製造装置であることに変わりありません。
4年前、福島原発の事故が起きて、民主党政権ははっきりと脱原発を打ち出しました。その時、野党になっていた自民党の幹事長の石破茂さんは「脱原発とは脱原爆であって、絶対に賛成できない」と言いました。当時は野党だったのでついホンネが出たのでしょう。
ドイツのメルケル首相が来日して、戦争責任と脱原発について発言しました。ドイツは核兵器を持つことなど考えていないからこそ、はっきりと脱原発にカジを切れたのだと思います。
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