よつばつうしん
2015年3月号(No.048)
うまい話まずい話	やさい村	河合左千夫
第3回:琵琶湖・近畿の水ガメ・被害地元・若狭湾の原発

豊橋からの帰り道、関ヶ原を過ぎて米原あたりで新幹線の車窓から琵琶湖が見えてきたので、この話を隣の席のカミさんにしたところ、あまり興味を示さなかったから面白くないかもしれませんが書きます。
 滋賀県には数えきれないほどの大小の川が流れていますが、あらゆる川が琵琶湖に注いでいます。つまり県下で降る雨も雪も全てがやがて琵琶湖に集まります。近畿の水ガメとはよく言ったもので、天然の貯水池のようなものです。
 そして、琵琶湖に集められた水は唯一の出口である瀬田川から流れだし、宇治川、淀川となって大阪湾へ注ぎます。大阪市内はもちろんのこと、大阪府下へのほぼ全域、さらには尼崎、西宮、神戸までの水道水は琵琶湖の水のお世話になっています。
 また京都へは疏水を通じてやはり琵琶湖の水が運ばれ、京都市民の水道水となっています。疏水というと哲学の道あたりを思い浮かべるかも知れませんが、あれは支流のまた支流です。本流は大津からトンネルを抜けて山科区へ入り、区内を10キロ以上も滔々と流れ、再びトンネルをくぐって蹴上へと流れ出します。かつてはここに発電所が作られたほどの水量です。山科区内の疏水べりにも延々と桜並木が続いており、ここは隠れた名所と言っていいでしょう。ぼくは一度、散り際に行ったことがあって、水一面に花びらが敷きつめられ、花筏が流れていく様はそれはみごとでした。
 滋賀、京都、大阪、兵庫と近畿4府県の人々の命の水。琵琶湖はその形状ばかりでなく、近畿の水ガメそのものと言えます。もしも、若狭湾にある原発が事故を起こしたら、それも冬場だったら大量の放射性物質が滋賀県下に降り注ぎ、琵琶湖に集まり、近畿の水ガメが汚染されます。
 前の滋賀県知事の嘉田さんが「被害地元」という新しい考え方を提起し、関西電力に迫りました。滋賀県ばかりでなく、京都も大阪も兵庫も、そして岐阜も愛知も、若狭湾の原発の「被害地元」なのです。


水俣たより
 「公害の原点」水俣からB
水俣から九州電力に申し入れ
企業組合エコネットみなまた 永野隆文

2月9日、川内原発再稼働について水俣病患者団体と市民運動グループ、全国からの542名分の賛同署名で九州電力本店に申し入れをしました。その内容と当日の様子をお伝えします。

【申し入れ書】
 「2011年3月、福島原発で、メルトダウン、メルトスルーという過酷事故が起きてからもうすぐ4年になります。原因はいまだに究明されず、そのため真の対策、処理がなされていない、従って事故は収束されていない、避難している人たちが10数万人いる、更に、子どもたちの甲状腺被害の進行が伝えられる中、川内原発再稼働が目前に迫っています。(中略)
 水俣市は、福島の飯舘村と同じく川内原発から40〜50qという距離にあり、市民は大変な不安の中にあります。『原発避難計画を考える水俣の会』が水俣市の5000世帯に配布したアンケートの結果でも、再稼働に反対が55%、賛成はわずか8%というものでした。(中略)
 『廃棄物がたまる一方の暮らしを続けてはいけない。廃棄物の正しい処理をすること』、これが水俣病の教訓から言えることです。本日私たちは、以下のことを申し入れます。核廃棄物が溜まる一方の原発は動かさないでください。川内原発再稼働をしないでください」

 水俣から15名参加、胎児性患者の松永さんが読み上げた後、問いたいことが山ほどあったため、予定の30分をオーバーする2時間近いやり取りになりました。担当者が「福島事故の原因は分かっている」から対策をして再稼働すると自信たっぷりに言ったことは火に油を注ぎました。また、「目の前の胎児性患者や障がい者が実際に避難をするときの手順を示せ」には、答えを持たず、核廃棄物問題には、核燃サイクルへの「期待」を示すだけでした。
 40年前、川内原発建設計画時に、「事故は起こらない。安全だ」と言って推進したのですが、現在は、それ以上に原子力について自信を深めているという印象でした。この考え方の誤りは、福島事故で証明されたはずです。考え方の違いが広がるばかりです。



編集委員からの一言


  先日新年会に行く途中、誰もいない暗がりを歩いていると小学生くらいの男の子と女の子が楽しそうに歩いている姿を見ました。そういう光景を見ながら何気なく日本は平和だなあと思いました。
 でも外国では今でもあちこちで紛争がおこり多数の子どもや人々の命が奪われていて悲しく思います。日本は今、一人ひとりが銃も持たず戦争はしないという態度を保っています。その態度が今変えられそうなこの頃ですが他国がどうというのではなく自分たちの態度は崩してはいけないと思います。
 日本は世界に向けて日本の平和と命を大事にする心と戦争をしない国であるという立場を言い続け、その上で世界中の人々も同じようにしましょうと伝える事ができたらと思います。そして世界中がそうなればいいなと思います。どこの国でもあたりまえのように安心して子どもたちが町を歩けるようになってもらいたいと願います。

(奈良産直・米田 寛)


 

INFORMATION

3月〜5月
●春のおともだち紹介キャンペーン
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お問い合わせ:各配送センター 

3/16(月)〜 ロードショー
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シネ・ヌーヴォ 06-6582-1416
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3/8(日) 13:00〜16:30
●宝塚エネルギーを広めよう
再生可能エネルギーをみんなで考える懇談会
会場:宝塚ソリオホール
連絡先:宝塚市新エネルギー推進課
      0797-77-2361


3/22(日) 13:30〜15:30
●第203回 住まいの勉強室
『子供にもやさしい建材』
場所:いのうえキッチン
解説:井上能信
予約連絡先:072-671-2284(井上)
〆切:3/18


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