よつ葉つうしん

2015年1月号(No.046)

新年特別号
競争と効率優先 格差拡大のなか
つながる力でつぎの一歩へ




(連絡会の2015年方針は次号に掲載します)


いまこそ基本姿勢を大切に

2014年は何と言っても消費増税による影響が大きかった。4月以降の売上は軒並み前年割れと大きく落ち込んだ。この傾向はよつ葉連絡会だけではなく、全国的な規模で消費の落ち込みは政府の予測の範囲を超えたものとなった。
 これにはさすがに驚いたのか予定していた10%増税については一年半の先送りとなった。しかし、消費の冷え込みに回復の兆しはなく今年も非常に厳しい現実が迫ってくる。よつ葉連絡会各産直は事業体が小さいだけに経営的には非常にシビアでこれまで以上に難しいかじ取りが求められる。
 そして、この影響は経営面以上に地域との関係づくり、活動そのものにも大きな影響を及ぼしつつある。関西よつ葉連絡会は設立当時から「顔の見える関係」、地域の関係を大切にし、各地域の特色や独自性を尊重するのを組織体制の基本にし、ひとつの大きな企業体ではなく独立した小さな規模、資本も職員も少数の事業体を意識して作ってきた。その反面、景気の影響はもろに経営を直撃してしまうので、経営的な側面から経費削減を迫られ、結果、人員の体制も余裕がなくなってしまう。そして日常業務以外の活動や職場内での研修や議論に時間を割くこともままならない状況に陥ってしまうことになる。
 もちろん事業として赤字を出さず運営していくことは基本ではあるが、日々の事業活動に追われて展望や将来像について議論できなくなっていくようなら、地域での関係づくりのためにあえて小さな産直にこだわってきた意義も、事業も先細りとなり、存在そのものも危うくなっていくのではと危惧する。
 しかし、連絡会がこだわり、目指してきた方針は決して間違っていないし、むしろ、今のような利益が最優先され競争と自己責任を強いられる世の中にあってはより求められるものだと思う。このことを産直だけではなく会員のみなさんとも確認し、その上で今こそ一時の赤字を覚悟してでも将来を見据えて人の確保と育成が必要だと考えている。
 確かに単体の事業規模で人材を抱えることは、経費から見ても厳しいところもあるだろうと思う。ならば全体でどのように人を確保するのか? 確保するような仕組みをどう作るのか?といったことも考えながら人の育成に力を入れて、人と人との関係を広げていくことでこの厳しい情勢を乗り越えていくしかない。その決意が問われる一年ではないか。

(高槻生協・松川泰樹)


自然と寄り添う暮らしを

2015年は阪神淡路大震災から20年です。この20年、そして4年前の東日本大震災と原発事故を経ての何よりの教訓は、つくづく人間の生活は地球環境の微妙なバランスの上に成り立っているということ。そして人間が自然をコントロールすることなど、どだい無理なのだということです。
 私たち人間は、そんな自然環境の微妙なバランスの中で、農業や漁業などの命をつなぐ営みを続けています。そのように考えれば、一見非効率≠ネ都市近郊や中山間地の小規模農業や漁業が、身近な自然環境をかろうじて守り、集落を守り、人と人とのつながりを守ってきた、かけがえのない存在なのだと改めて感じます。秋の交流会で講演されたC・W・ニコルさんは「大都市が存在するのは偶然ではなく、もともとそれだけの人口を支えるだけの豊かな自然があったから」と語っておられましたが、都会でこそ身近な自然を守り、取り戻すことが大切なのかもしれません。
 年末の総選挙を経て、政治と社会の動きはますますきな臭くなりそうです。他方で見せかけの繁栄のために、原発再稼働や乱開発と自然破壊が横行する流れもあります。そんな中で、私たちは、各地の生産者の思いや状況を伝え、生産者と消費者を結ぶ役割を小さくとも続けていきます。そのことが、現在の私たちの生活にとって大切なだけでなく、必ずや次の時代を切り開いていく基礎になっていくはずだと確信しています。

(ひこばえ・福井 浩)

 
地域の農業を元気に

日本の社会がおかしな方向へ走り始めたと感じている人はたくさんいるのに、世の中の流れをなかなか変えることができません。だからといって自分たちの関係性の中だけで暮らしていける訳でもありませんが、今まで以上に人と人との関係を深めることの必要性を感じています。
 よつ葉の地場野菜の取り組みは、生産・流通・消費が一体となって地域内での自給自足を基本にして進めてきました。個々の農家と個別につながるのではなく、地域として取り組むことで農家の人数も生産力も増えてきたことは、何より地域の農業に一つの活力を生み出してきたと捉えています。もちろん、そこに至るには15年以上この取り組みが継続できていること、会員の皆さんに支えられてきた結果なのは言うまでもありません。
 TPP交渉をはじめ、経済効率優先の厳しい状況だからこそ、人が生きていく上で大切な食べものを通してお互いがやりとりできる、カネとモノのやりとりだけではない関係性をより強くしていく可能性が地場野菜の取り組みにはあると考えています。今年もより多くの会員の皆さんに支持され、おいしい野菜をお届けして、お互いが元気になるよう進めていきます。

(よつば農産・深谷真己)
(5面に続く)

 

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