よつ葉つうしん

2014年6月号(NO.039)


よつ葉の年間予約米

地域の米づくりを支えよう

よつ葉の年間予約米の取り組みは、2002年の12月に政府が決定した米政策改革大綱がきっかけで2004年から始まりました。私たちの主食でもあり、日本の食と農業を支えてきた米の生産は市場経済に委ねられ、大規模営農だけを残して小規模・兼業農家による米づくりを切り捨てようとする農政は、その当時から今も変わりません。
 よつ葉がお付き合いしている産地でも、後継者不足や担い手不足、耕作放棄地の問題など深刻な地域もあります。こうした政府がすすめる農政では、日本の米づくりが立ち行かなくなると考え、微力ながらも、よつ葉が地域での米づくりを応援する一つの試みとして「よつ葉の年間予約米」に取り組んできました。

(よつば農産)


受け継がれた田んぼを守ろう



年間予約米生産者・
おきたま興農舎の小林和香子さん
「年間予約米」別チラシは250号・260号に入ります

長い年月をかけて、何世代も受け継がれてきた地域の米づくりは、3月にその年に植えるお米の種籾を用意することから始まります。4月に種を蒔いて健康な苗を育て、田んぼに水を入れ、田植えの準備を行います。5月から6月にかけて田植えが始まり、6月から稲刈りまでは水の管理や除草作業、病気やカメムシの対策など稲を守り育てます。水不足や猛暑、台風などの心配もこの頃からです。そして、稲刈り時期を見定め、9月から10月にかけて稲刈りを行います。稲刈り後は、来年の米づくりに向けて、田んぼの土づくりがスタートします。

代々受け継がれてきた田んぼは、その地域の自然や生きものたちが大地の糧となり、長い間に蓄積されてできています。そんな田んぼで営まれる米づくりの時の流れを感じることができれば、一度なくなった田んぼを再生するまでどのくらいの時間を要するのかを想像するのは容易だと思います。ところが、今も進められている農政には、その想像力が欠けています。自然に影響されることの多い農業は、自然とともに育まれるがゆえに、市場経済の求める生産性と効率だけで判断されるべきものではありません。お米は輸入できても田んぼは決して輸入できないのです。


つくる人が見えるおいしさ

私の家では、毎年新米の時期になると田舎の叔父からお米が送られてきます。稲刈りの時期になると、新米が届くのをいつも楽しみに待っています。叔父の住んでいる田舎に行ったのはもう何年も前のことですが、山間に田んぼが広がり、山から流れる川が傍を流れ、虫などの生きものがたくさん生きているとてもきれいな田園風景で、今でもはっきりと記憶に残っています。いつも新米をいただくときには、叔父の笑顔と、その田園風景を思い出します。身近な人からいただくお米は、安心して食べることができるうえに一番のごちそうです。

今の食品の市場流通は、安全性よりも価格を重視するがために過度な価格競争を煽り、その結果、ポストハーベスト農薬、食品添加物や偽装表示など、多くの食に関する問題を引き起こしてきました。とくに、食品の向こう側にある「誰がつくっているのか」ということが見えにくいので、私たちの命の糧である食を安心して任せることはできません。そんな食の現状を考えれば、農家とのつながりを深めていくことは本当に大切なことだと考えています。



お互いさまのつながりを


 都会の消費者と農家が分断されたままでは、互いにつながることなど難しいのが現状です。よつ葉の年間予約米の取り組みは、お互いのつながりを少しでも実感してもらいたいと取り組んできました。
 私たち都会の消費者が食べるお米を農家にお願いしてつくってもらい、託された農家は丹精込めて育て、収穫したお米を一年間届けてもらいます。そんな「お互いさまのつながり」を通して農家を身近な存在として感じてもらいたいと考えています。
 今までに多くの会員の皆さんにご協力いただいて、この取り組みも11年目を迎えました。予約米の各産地では安定して米づくりができることで、地域の米づくりの大きな励みになっています。
 これからも、農家と会員の皆さんの間を少しでもつないでいけるように励んでいきます。会員の皆さんもぜひこの取り組みにご参加ください。よろしくお願いします。

(よつば農産・横井隆之)

会員ボランティア募集!
『よつばつうしん』
をいっしょに作りませんか?
興味のある方、ご連絡ください。

先月号でお知らせしたように、『よつばつうしん』の編集に協力してくださる会員さんの集いの場(助っ人会議)を設けたいと考えています。食べもの、暮らしや子育て、環境のことなどに関心のある方、編集に興味のある方、下記までご連絡ください。
 まずは、連絡をくださったみなさんによつ葉ビルにお集まりいただき、どのような協力をしていただけるか話し合いたいと思います(7月開催予定)。お子さま連れでもお気兼ねなく。たんにおしゃべりしたい人も大歓迎。連絡お待ちしています!
 その後は、会議と交流を兼ねた場として定期的に運営していけたらと考えています。

●電話:072-630-5610 FAX:072-630-5606
メール:tosi@air.ocn.ne.jp
(関西よつ葉連絡会事務局・担当:下村)


え:いのうえひろこ

 

 

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