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もくじ2014年 1月号(NO.034)
暮らし取り巻く閉塞感のりこえ―みんなの協同で明日へ
生産者から:新年のあいさつ
会員から:一年振り返り、新年への想い―子どもたちに希望を手渡そう
福島の百姓から:現場の「生」の状況をお伝えしていきます 里山ガーデンファーム「二本松農園」・齊藤登/ 編集委員からの一言




新年特集号
 暮らし取り巻く閉塞感のりこえ
 
みんなの協同で明日へ

福島の出来事 心に刻んで 
 3・11の原発事故より、3年になろうとしています。安倍首相の福島原発の汚染水は完全にコントロールされている 発言は、全くのでたらめであることが、誰の目で見ても明らかです。
 そして福島では、今なお、放射能除染はいっこうに進んでおらず、多くの方々が故郷に帰ることもできずに慣れない土地での生活を強いられています。私たちは、こういった現状を、これから何年もこの新年号で伝え、書き続けなくてはなりません。私たちの負った傷はとても深く、心に刺さってしまいました。このことを決して忘れず、これからどう生きていくのかを一人ひとりが考えなくてはいけないのではないでしょうか。
 食材偽装が騒がれる中で、日本版NSCや、特定秘密保護法案が、多くの反対の声を無視し、国会で強行可決されました。何も知らされず、知ることもできずに、一部の人間に好き放題されてしまう世の中には、決してしてはならないと思います。みんなで大きく声を上げて行きましょう。

(西京都共同購入会・木藤田恒夫)


身近で成り立つ暮らしを


能勢農場
 年忘れもちつき大会にて(12/15)

 五輪招致のために「福島原発はコントロール下にある」と言い放ち、TPP交渉にも妥結に向けて突き進み、特定秘密保護法は数の力で押し通す。やりたい放題の政治を止められないまま、私たちの暮らしが喰い潰されようとしています。
 海外の安い食料品を今は買えます。でも、それぞれの国が自国のことで精一杯になれば、売ろうにも売る食料がなくなるのも当然のこと。そんな経済最優先のシステムに自分たちの暮らしを委ねたくはありません。直接やりとりできる、自分たちの身近なところで暮らしを成り立たせたいのです。
 よつ葉は、生産・流通・消費が一体となって地域内での自給自足を基本にして、地場野菜の取り組みを続けて来ました。個々の農家とつながるだけでなく地域として取り組むことが特徴で、それが農業の継続性には必要だからです。
 全国の農家とも、会員さんとも、私たちよつ葉も、一緒になって関係を深めて、単にモノ・カネのやり取りだけではない命のつながりにしていきたいと思っています。

(よつば農産・深谷真己)


成長時代の終焉、射程を遠くとり来たる時代に備える

 「よつ葉」が誕生して40年以上の歳月が過ぎたが、思い返せば短いものだ。当初「反公害運動」や「農薬や添加物の告発」「ベトナム反戦」「反原発」などを訴えながら、細々と共同購入運動をしていたほんの一握りの変わり者集団だった。そんな私たちに共感を寄せ、支えてくださった少なからぬ人々に改めて感謝したい。そしてその人々との信頼関係が今も連綿と続いていることは大きな宝だ。この宝が次世代に引き継がれていくことを切に願う。
 今や「食の安全」は商売のネタとなり、「反戦」や「反原発」の声もはるかに大きくなったにも関わらず、成長幻想を振りまき政治を牛耳った政権の反動化は目を覆いたくなる。今日明日に現状を変えていくのは難しいが、私たちにはその困難を超えて行ける蓄積、源泉があると確信する。射程を10年、30年と遠くとり、時代錯誤と言われようとも地域にこだわり、日々足元の人々の声に耳を澄まし来る時代を想定し、それに向けやるべきことを構想することが希望ではなかろうか。

(別院センター・松永了二)

食べものの商品化を超えて

 昨年秋は、またしても食品の誤表示・偽装が問題となりました。食べものが、今やその採れた地域や国、そして季節さえも超えて、商品として自由に流通し、さらに「技術の進歩」が人間の味覚を超えてしまっている以上、偽装は必然なのかもしれません。
 しかし食べものは、商品である以前にいのちであり、私たちのいのちを紡いでくれるものです。自由な商品として価格競争と経済の論理にはめ込むこと自体に無理があり、罰則の強化で「偽装」に対処することは何の解決にもなりません。
 今年はTPPなど、農産物や食べものをますます流通商品として、「儲け」の素材として扱う動きが強まることになるでしょう。これに対しよつ葉は、生産者と消費者を結ぶものとして、いのちと暮らしの糧である食べものを届け、考え続けたいと思います。ただし、私たち自身も食べものを「商品」として届けている以上、同じ矛盾の中に身を置いていることは自戒しつつ。 

(ひこばえ・福井浩)

未来を拓く取り組みへ

 震災・原発事故から3年近くが経過しましたが、私たちの暮らしを取り巻く心配事や不安は、ますます大きくなる一方です。よつ葉の事業活動の中心である「食」を取り巻く情勢、「モノづくり」の環境も悪化していくばかりです。
 しかし、どんなに厳しい時代でも未来に向かって突き進んでいく勇気があれば何とかなるもの。私たちには、普段の生産活動や産直活動を通して広がった多くの仲間がいます。
 また、生命の循環を基本にした小規模な生産、地域の気候風土のなかで育まれてきた農業、地域で生産された食材を活かす食品加工の取り組みなど、そうした個性(地域性と比較的小規模性)を活かしたシステムづくりの検討も開始しました。
 人々が普通に働き生活していく世界を取り戻していくために、いま私たちにできることを今年もしっかり取り組んでいきたいと考えています。みなさん、今年もよろしくお願いします。

(連絡会事務局長・田中昭彦)