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2013年 1月号(NO.022)
新たな社会の展望を―移行期としての現在に
生産者から:新年のあいさつ(1)
生産者から:新年のあいさつ(2)
生産者から:新年のあいさつ(3)
会員から:次世代に希望を手渡そう―2012年を振り返り今年に期すこと(2)
職員から:一年を振り返り、新年への想い
青森の脱原発トマト農家から―良い年になりますように〜(有)みちのく農産・哘清悦/ 編集委員からの一言




移行期としての現在に新たな社会の展望を


今年も出会いを求めて

 リーマン・ショックが起こり、その後、東日本大震災と人災と言うべき原発事故がありました。 日本中に閉塞感が蔓延し、何を信じればいいのか? 誰の言うことが正しいのかがわからず、疑心暗鬼になり、 人と人の関係が分断されていくことが目に映りました。しかし、人は一人では生きていけません。 また、国も都市も町も村も人がいなければ成り立ちません。
 よつ葉は長年「食」を中心にし、それに関わる問題(生産・流通・消費の関係や反原発など)に取り組んできました。
そのため、共通の問題意識を持つ人たちとの豊かな関係があります。 これからの厳しい時代、確かにいろいろな仕組みや方法が必要とされますが、形だけができてもだめだと思います。 やはり、中心になるのは「人」です。どれだけ「人と人の関係」ができているかが、ますます問われる時代になっていきます。
 どんなことにも、前向きに取り組み、今年も人の暮らしがつながっていけるようにしたいです。

(大阪産直・岸野経司)


農の営みキチンと伝えて



能勢農場 年忘れもちつき大会にて(12/16)

 よつば農産では、産地交流会として、会員の皆さんと一緒に産地を訪れ、農家の皆さんと直接顔を合わせてお話しする機会が、 毎年何度かあります。参加できる人数が限られて、狭き門になりがちですが、参加された会員の方には非常に好評です。 実際に畑を訪れ、踏みしめた土のやわらかさ、草の匂い、葉をそよがす風の流れ、暑さ寒さまで含めて肌で感じ取るものも多く、 何より農家の皆さんが畑で語る言葉が、その人となりとともに心に響きやすいようです。その地で農を営み、暮らす。 その地から、畑から、土から切り離して人は成り立たないことも、食べものを通して私たちがつながっていることも、実感してもらえるのです。
 実感してもらうのが一番と思いつつ、見えにくくなっている農の営みを、分かりやすくキチンと伝えていくことが私たちの課題だと 感じています。拙い文章では難しいのですが、幸い、農家の皆さんの協力と、強力なメッセージでもある食べものを届けることで、 少しずつでも前へ進めていきたいと思います。

(よつば農産・深谷真己)


もう一度感受性を磨き上げ、大いなる夢を描いて進もう

 総選挙は「3・11」後の 「原発」「沖縄」「消費税」「TPP」「貧困格差」など日本の針路を心配する人々にとって、 自民党の圧勝、日本維新の会の台頭と無残な結果となってしまいました。しかし3年前人々が託した期待を ことごとく裏切った民主党政権に、人々がNOを突き付けるのもまた至極当然なことでもあります。 お先真っ暗のなか、もう少し先を見ればほのかな光も見えてきます。長い冬の時代ではありますが、 生産者、会員、仲間の存在を信頼するのならその先に新しい世界が見えてくるように思います。
 よつ葉はもともとお金儲けのためにはじめたことではなかったのだから、 お金でつながった関係を追求してきたわけではなかったのだから。閉塞しているのは成長幻想であり保守化した システムであり、私たちではないのだから。右派政権が誕生してもいずれ崩れるべき幻想は崩れ去り、 私たちよつ葉の本当の始まりが始まろうとしているのだと考えれば、少しは気持ちも晴れてくるのでは。

(別院センター・松永了二)

昨日の続きではない明日へ

 3・11は、明日が今日の続きではないことを改めて思い起こさせました。そして私たちの社会の欠陥、 問題点をも赤裸々に。あれから2年。よつ葉は、自らのあり方も含めて、昨日の続きではない明日に向かって、 変化が必要だと感じています。…もちろん、「食」を通じて生活を見つめ直し、生産者と消費者、 人と人との関係を結び直していく、このこと自体は、これからも私たちの活動の真ん中にあり続けます。 しかし一方で、生産者も会員層も世代交代が進み、町も村も環境が変わっていく中で、新たな関係を結び直し、 活動スタイルも変化させていくことが大切です。
 原発やTPP、消費税、沖縄の基地問題など、世の中の大きな流れでは、 残念ながら2013年は明るい展望を開くことは難しいかもしれません。しかしだからこそ、私たちは生産者や 会員の皆さんと交流や議論を重ねながら、未来に向けた一歩を共に探り、共に踏み出していきたいと思います。

(ひこばえ・福井浩)

社会そのものの再生を

震災から2年近くが経過しましたが、被災地の人たち、とりわけ福島原発事故の直接的な被害地域の人たちにとって、 およそ「復興」らしきものはますます遠いものとなってきているのではないでしょうか。 地震や津波によって起きた自然そのものの大きな変動は人間の力で元に戻すことなんて無理なことですが、 人災である原発事故の後始末だけでも数千年〜数万年を要するとも言われています。 そもそも本当の意味で「復興」とは何か、単に震災の前、原発事故の前に戻すという発想では 何の解決にもならないように思われます。私たちは、本来あるべき「人と自然の関係」「人と人の関係」を取り戻し、 社会そのものの再生を目指すところから再出発する必要があるのではないでしょうか。
 そして、社会のあり方、仕組みそのものを変えていくためには、それぞれの場所でしっかりと現場を担う主体を 育むことこそ、今年も第一番目の課題だと考えています。

(連絡会事務局長・田中昭彦)