〈2023年7月号(No.147) -4〉
もっと聞かせて しゃべらせて
子どもを幸せにするために
淀川産直会員 木本 恵


5/14㈰「夢みる小学校」という映画の自主上映会を開催しました。映画批評会でもドキュメンタリー賞を受賞した映画で宿題ナシ、先生ナシ、テストナシという実際にある「きのくにこどもの村学園」が取り上げられています。
この映画を初めて観たとき、何か私のなかの硬いものが崩されたような感覚を覚えました。この学校のスローガンは「まず子どもを幸せにしよう。すべてはその後に続く」。
そんな映画の上映会によつ葉さんのコンセプトやスタッフの人柄はピッタリだと思い、協力をお願いしました。子どもやその未来を想うと、環境や食を大切にするということにつながってくると思うのです。会員として日々大切にしたいことや守りたいことのために、よつ葉さんは欠かせない存在ですので。
当日は移動販売車の「しゅんのすけ」や上映ホール前での物販、そしてキッズサポーターという子どもたちがお仕事体験をする企画に賛同してくれました。よつ葉さんのブースで仕事体験した子どもたちはイキイキと楽しそうでした。自分で考えて宣伝チラシを書いたり、自分で考えてお客さんの呼び込みをしている姿はとてもキラキラしていました。それを温かく見守ってくれたよつ葉さん。
子どもを幸せにするために、大人ができること…。温かく、もっと自由な発想で見守ることなのかも…。(日々自分に置き換えても簡単ではないですが(笑))。
今回、決して損得だけではなく、つながりを大切にしているよつ葉さんとご一緒できたことに感謝の気持ちです。何より私、楽しかったです! ありがとうございました。

キッズサポーターと一緒に物販をする淀川産直スタッフ

それぞれの足元からできること③
楽園デザイナ- さがひろか(造園業)
いま地球環境のことを見てみると水不足、自然災害、気候変動、生物多様性の変化、地球規模の汚染、都市化(土地利用の変化)、食料システムの変化、生物地球化学循環などと言われるように問題は山積みです。自分にできることが、どれだけあるのかと無力感を感じてしまいます。でもこれらの多くの問題も大地のなかの空気と水の循環をつなぎ直し大地の呼吸を取り戻すことができれば改善に向かっていくのではないかと思うのです。大地のなかの空気と水が健やかに循環すればそこに生きる生きものたちも元気な生きた土になり、それは海までつながり、植物も元気に育ち、それは空ともつながり、多様な生きものがいきいきと暮らせる環境になる。全てはつながっているはずです。
そのためにはまず足元から。現代的な生活を維持しながらでも人と土がうまく付き合っていく方法があるのです。このことをわたしに教えてくれたのが「大地の再生」でした。このプロジェクトは最近では『杜人』というドキュメンタリー映画にもなり、全国の映画館での上映の後、今でも多くの思いのある方々により各地で自主上映会が行われているし、農文協から『大地の再生実践マニュアル』という本も出版されました。また全国各地で大地の再生スタッフと施主さんと講座に参加する一般の人たちとの「結の作業」を通してその手法を学びながら、みんなで現場の大地を再生していく「大地の再生講座」も全国で行われています。
誰でも移植ゴテ一本からできる作業を通して各地の大地が呼吸を取り戻し、点と点が線になって面となっていく。そんなことが起こりうる。大地はずっと山から海まで都市部のコンクリートの下であってもつながっている。つないでいくことができるのです。いろんな方法、いろんな考え方があっていいし、多様なアプローチがあった方がいいけれど、呼吸というのは全ての生きものにとって大切なことだと思います。「息をしている限り、まだ間に合う」。 大事に大地と呼吸を合わせていきたい。その先に美しい風景があると思っています。
(終わり)
編集委員からの一言
大阪成蹊短期大学、調理・製菓コースのレストラン実習の試食会に行く機会がありました。調理、接客ともに学生が担当し、そこに来客するという形です。個人的には初めて食べたサルティンボッカ、前菜、パスタ、デザート、食後のドリンク、そして要所でしっかりとした接客もあり、満足のランチコースでした。
食卓の目の前はオープンキッチンで学生たちが調理に取り組む姿も見られて、学科長の松野さんから伺った実習で大切にしている「講師が常にアドバイスをするのではなく、学生それぞれが実習のなかでどうすればいいかを自分で考え、他者とのコミュニケーションを取りながら実践していく」という部分は、それぞれにしっかり浸透しているように感じました。
2年前の料理コンテストに参加させていただいたときはコロナ禍でした。学びの場が限定されていたなかでもコンテストは盛り上がりましたが、年間を通して学生たちが出しきれない状況にあったようにも感じました。今年の5月からは新型コロナが5類に移行され、ここ数カ月で一気に行動緩和されてきました。学生たちが素直に前を向いて進んでいけるように、益々の発展を願っています。
(ひこばえ 辻田浩司)
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