〈2023年5月号(No.145)-1〉
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東北の子どもたちに放射能の不安から離れて、関西で思う存分に遊んでもらうために実施している「よつば関西保養キャンプ」。新型コロナウイルス感染拡大のために中止していましたが、今年は4年ぶりに開催しました。参加した子どもたちは全員がリピーターで、懐かしさと参加者それぞれの成長ぶりに、場は一気に和んだようです。今年は実行委員からの報告と参加者の書いたイラストメッセージを掲載します。

能勢農場の前でにっこり
また元気に再会できることを願って
よつば関西保養キャンプ実行委員会 辻田浩司
約4年ぶり、ここまで長かった…。
3/28〜4/1に、久しぶりの「よつば関西保養キャンプ」を実施することができました。さまざまな方の支援があって、ここまでたどり着くことができました。本当に感謝です。
参加者は新高校1年生から小学3年生までの7人。ほぼ以前参加してくれたリピーターの子どもたちばかりで、初めに福島へお迎えに行ったときは、面影はあるものの、その成長した姿に驚くと同時に、4年の重みを感じました。「長かった…」はまさにこのときに感じさせられたのかもしれません。諸事情があって来られなくなってしまった子がいたことは残念でしたが、参加者全員が和気あいあいと過ごしてくれたことはよかったと思います。
初日のたこ焼きパーティーにはじまり、そこから3日間は農場での体験をしながら、いろいろな施設を訪れました。動物園でのエサやり、北摂協同農場での農業体験で汗を流し、パラダイス&ランチの高木さんと一緒にピザづくりをしたり、「冒険の森」というアスレチック施設ではハーネスを装着した状態で木の上にあるアトラクションをクリアしていく。なかなかハードなコースでも、子どもたちが声を掛け合いながらチャレンジしていて、そこに絆が生まれているように感じた瞬間もありました。
そして万博記念公園では夏のキャンプではできなかった〝外遊び〟ができました。縄跳び、シャボン玉、サッカー、かけっこ…等々、大人はヘトヘトになりましたが、子どもたちは体をかしてなんぼ。本当に楽しそうでした。
海遊館に向かう移動中にはちらっと、USJが見えた瞬間に「USJ、USJ…」コールの嵐。海外の観光客も多く、人混みのなかでしたが、水族館内に入るとジンベエザメ・ペンギン・アザラシや珍しい魚などに興奮している様子でした。最後の夜の花火、特に〝ナイアガラ〟は壮観だったなぁ…。
私たちの活動のさらなる重要性
こうして駆け抜けていった「よつば関西保養キャンプ」ですが、国の原発への依存は相変わらずで、核のゴミは貯まるばかり。海にも処理水が放出されようとしているなか、放射能への不安もなくなったわけではありません。
新型コロナウイルスによるパニックは少し落ち着いてきたようにも感じますが、資源不足や物価の高騰で、私たちの生活にさらなる追い打ちをかけてきている状況です。〝ともに生きるアクション〟(本紙2023年新年号参照)にもつながる私たちの活動は今後も必要だと感じています。
そして何より、大きなトラブルもなく、子どもたちがキャンプ期間中をのびのびと楽しく過ごしてくれたことは、スタッフが目指していたことであり、私たち自身もリフレッシュさせてもらったひとときでした。
最後は個々人のさらなる飛躍と、また元気に再会できることを願って、子どもたちを見送りました。


(子どもたちの寄せ書き画像)一日一日の思い出を、絵や文章で参加者みんなが書いてくれました。
力作ぞろいです。宿泊所に置いていたわけでもないのに、いつの間に…。
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