私たちのいま
木村商店
代表の木村さん
(木村トシ)
再び発酵の空気を醸す
八木澤商店
岩手県陸前高田市:薬膳鍋セット白、薬膳鍋セット赤(Life p.27)
創業200 年を越える老舗醤油蔵。東日本大震災で蔵、木桶、すべてが流される被害を受けたが、醤油、味噌と醸造できるまでの復活を果たした。発酵パーク「CAMOCY」をオープンするなど、発酵をテーマに持続可能なまちづくりを目指した活動を続けている。
スタッフの皆さん(2列目左端が河野さん)
いつも大変お世話になっております。八木澤商店の河野です。
新型コロナウイルスの影響や世界的なインフレーションで経済が停滞しているときに私たちは発酵食品に携わるものとして何ができるのか、日々、暗中模索しています。
そのようななかですが、おかげさまで2021年、創業地に本社と味噌工場が完成し、昨年秋にようやく自社製造の味噌を出荷することができました。原料によって麹の出来や発酵状態も異なるため、日々、試行錯誤をしながら自分たちが目指している味噌に仕上がるよう取り組んでおります。
地域においては発酵に関わる7社で運営している陸前高田・発酵パーク「CAMOCY(カモシー)」が2022年12月に無事に2周年を迎えました。施設内では地ビールの醸造や焼きたてパンの製造販売、またオーガニックチョコレートの製造販売など一流の職人たちが腕を振るっています。地元や県内外からのお客さまが笑顔で過ごしている様子を見ると幸せな気持ちになります。
震災前には味噌・醤油の醸造業が立ち並び、常に大豆を蒸す香りや小麦を炒る香りがしていて、また発酵の色や音のする街でした。津波ですべてを失った街がまた発酵の空気を醸し始めています。世界中の方々にぜひ陸前高田へお越しいただき、わたしどもの小さな挑戦と地域との発酵を通じた取り組みをご披露したいと心から願っております。
震災直後に「10年後に世界中から称賛される美しい街をつくろう」と呼びかけたときは、地元の人たちからお叱りをいただきました。それでも諦めず仲間たちと挑戦を続けてきた成果が根付き始めています。わたしたちはこれからも持続可能な社会を目指し、取り組んでまいります。
(河野通洋)
『振り返れば未来-山下惣一聞き書き』
文/山下惣一 発行/不知火書房 本体価格 2000円(税込み 2200円)
評者:笹川浩子(よつば農産)
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