小農スタイルの風景
アグロス胡麻郷
森下さん
(森下智裕)
一本の線
トレテス
兵庫県宝塚市:乾燥糸こん・ぷるんぷあん、オーガニックバージンココナッツオイル(Life p.27)
「おいしい、楽しい、うれしい」をテーマに。有機原料を中心として合成添加物や化学調味料に頼らず、「食べること」や「使うこと」を通して、インドネシアやエストニアなど国が遠くともつながりを生むことができるような食品、雑貨を送りだしている。
代表の中川さん
トレテスが創業したのは1995年。阪神淡路大震災が発生した年と同じです。創立者である元・宝塚市長の中川智子が被災者支援の資金を集めるために、乾燥糸こんにゃく「ぷるんぷあん」を販売したのが会社の始まりです。その後、残留元日本兵とインドネシアの友情の物語をはじめ、社会性のある食材として、支持いただいてきました。振り返ってみるとおいしいだけでも、売れるだけでもない、社会的に意味のある事業や商品を世の中に提案することが、トレテスらしさだと改めて思います。
2017年、そんなトレテスが新たに始めたのが東京都下を拠点とした法人向けの社食・弁当販売事業です。人は1日3食を基本として生活しています。朝・夕は家庭で健康的な食事を取ることができますが、働く人にとって昼食は一番手をかけづらい食事かもしれません。東京にある某IT関連企業から、「社員に毎日、心のこもった昼食を取って、より健康になってもらいたい」と依頼を受け、事業をスタートしました。糖質過多になりがちな社員に低糖質でおいしい乾燥糸こんにゃくを食べてもらいたいという意向でした。新鮮な野菜やこだわりの調味料を使い、毎日200食近いランチメニューやお弁当を製造・供給しています。
トレテスのモットーは「『おいしい・楽しい・うれしい』をお届けする」です。インドネシアとの交流から生まれた乾燥糸こんにゃくが震災のボランティアにつながり、いまは都会のオフィスワーカーの食生活をサポートしています。それぞれ、無関係なようですが、一本の線でつながっていると感じています。これからも初心を忘れず、新たな取り組みにチャレンジしていきます。
(中川 啓)
(池田会員 井田裕之)
こどもがあそべる 夢ひろがる 能勢の小さな教育農園
能勢・ぎんぶなのうえん
2021 年の秋、こどもたちが思いっきり遊べて、食べて元気になれる、こども目線の農園をと「銀鮒の里学校」の開校運動の一環として、草が生い茂る能勢の3a(アール)ほどの休耕地を開墾したのが、「能勢・ぎんぶなのうえん」の始まりです。「銀鮒の里学校」の教育理念の根幹を成す、脱商業主義の農業・園芸分野における体現として、F₁(一代交配種)や種苗法登録品種の一切ない原種(野生種)や伝統品種といった、権利の独占がないオープンソース品種に徹底的にこだわって作付けしている、これまでにありそうでなかった教育農園です。園芸40 年の経験を活かし、今年の春夏期にはこれまで見たことも、聞いたこともないような珍しい野菜(スーパーフード)や花も多品種植える予定です。
教育農園として、俗説や流行に流されない、パーマカルチャーの原義である「持続可能な農業」の探求を大切にしています。学校から帰ったこどもたちが、もっちりした手に持つのはゲームやファストフードではなく、収穫した珍しいお花や力強い風味の野菜、カエルやカメも交えて昔遊びででも楽しみ、催してきたら、コンポストトイレに座ってもりもり…。そんな、昭和の頃の田舎のおてんばっ子、わんぱくっ子のようでいて、何かが新しい、そんなこどもたちが今、輝けて将来は里山で起業する夢を抱くことができるような場づくりを目指しています。今日では里山の能勢においても、コンピュータゲームやトレーディングカードで遊ぶ小学生が多いといいます。しかし、これらは本当にやりたかったことではないと思います。大切な小中学生という時期に、「本当にやりたいことを思いっきりさせてあげたい」というのが、当農園の願いです。
園芸や子育てに関心がある方にとっては、これまでになかったような楽しい活動の場になると思いますので、「能勢にもっとこどもたちのにぎわいを!」との思いを共有し、真剣に取り組みたい方はぜひ、下記のリンク先よりご連絡ください。皆さまからのお問い合わせを心よりお待ちしております。
エリマシム〈原種〉の圃場にて
能勢・ぎんぶなのうえん
https://ginbunaschool.funaan.org/
銀鮒の里学校
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