状況に順応して動く
ディ・フィリッポ
事業を受け継いでいるご家族(左から2番目がエンマさん)
(エンマ・ディフィリッポ)
身体が喜ぶ仕事
京都・丹波八木町の向さん
京都南丹市八木町:白ねぎ(Life p.6)
向さんは京都市出身の元ボクサー。ケガをきっかけに就農を決意し、「たくさんの百姓が元気に生きられ、生きものが活き活きと生きられる環境を」と語る堀さんの元で研修後、独立しました。生真面目な性格と仕事ぶりで「この子なら任せられる!」と堀さんから畑を引き継ぎ、無農薬栽培でネギを育てています。
堀さんと向さん(右)
白ネギを出荷し始めて今年で4年目です。小さい頃からネギが大の苦手で、全く食べられませんでした。そんな私が白ネギ栽培と出会ったのは研修先の丹波ハピー農園の堀さんのところです。そこで食べたネギは甘く柔らかで衝撃のおいしさでした。こんなおいしいネギが育てられたら面白い! 2年程研修を受けて引き継がせてもらいました。
現在「九頭竜黒ネギ」を中心に6種類のネギを栽培しています。品種によって味や姿に違いがあるので、毎年育つのが楽しみです。山から落ち葉を集めてきて畑に入れたり、モミガラくん炭をつくってまいてみたり、いろいろと試しています。
農薬を使わないので病気や害虫には毎年悩まされます。予防のために溝を掘って排水を良くしたり、ネギを食害するヨトウムシを朝と夜に潰してまわったり。
それでも失敗がたくさんあります。定植したネギの半分以上をヨトウムシに食害されたり、ネギを太らせようと米ヌカをまいたら、太るどころか病気にかかってしまったり…。欲を出してはいけないと反省。ある年はほぼ全てのネギが病気にかかり枯れてしまったこともあります。そのときは妻いわく、死んだ魚の目をして畑から帰ってきていたそうです(笑)。
白ネギ栽培の魅力は身体をたくさん使えることだと思います。白ネギの白い部分をつくるために行う土寄せもそのひとつです。鍬を使い、数万本のネギの株元へ土を寄せていきます。繊細で重労働なので、身体がとても喜ぶ作業です! 10月の終わりまで土寄せを行い、12月頃から出荷が始まります。冬の霜に当たったネギは甘みが増してとてもおいしいです。生きものいっぱいの畑で育った白ネギ、一度食べてみてください。
(向真一郎)
『Miracle』Shiki
評者:東坂貴之(よつば農産)
CD 2011年11月12日 AQUA CUBE Records 51分 2160円(税込み)
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