2022年 2023年の活動と課題
安心して暮らせる平和な世界を目指して
明けましておめでとうございます。昨年、突然はじまったロシアによるウクライナ侵攻は間もなく1年を迎え、戦禍は激しさを増すばかりで依然として多くの市民が犠牲になっています。日本国内でも戦争の影響によって食料価格やエネルギー価格の高騰が続いています。現在、新型コロナウイルスの影響と重なって、この厳しい状況がますます生活を圧迫しています。でも、こんな時代だからこそ関西よつ葉連絡会が目指してきたことをより多くの方々と協力し合い、これまで以上に力強く進めていきたいと考えています。今年もよろしくお願いします。
共に支え合いながら生きていける社会を
関西よつ葉連絡会事務局長 松原竜生
2022年2月24日から始まったウクライナ侵攻は、二度の大戦を経験した反省の上に立っているはずの世界を、「それはフィクションだったのだよ」とあざ笑うかのように、多くの尊い生命を犠牲にしながら続いています。私たちは、この戦争をどのような形で終息させられるのかも分らず、無力感にさいなまれるばかりです。
しかし、自虐的になったり冷笑的になったりするだけでは何の解決にもなりません。今こそ私たちが培ってきた「食」の取り組みをさらに深め広げていく努力が必要です。〝食べもの〟をつくり、運び、共に食べるという、生きていくために欠かせない行為も平和が大前提だという立場から、関西よつ葉連絡会は全ての戦争に反対します。
12/17 はたあきひろさんのしめ縄づくりワークショップ
気候風土に根差した生産と流通
新型コロナウイルスによるパンデミックと同じく、このグローバル化した世界においては今回の戦争の影響も、エネルギー危機や食料品の値上げのような形で私たちの身に直接降りかかります。しかし、福島第一原発の事故やまさに今起こっているウクライナでの危機を目の当たりにしながら、形を変え〝火事場泥棒〟的に原発の新設や運転延長を進めることは許されません。
また、世界の食料需給において最大の問題は、現状でも世界経済が120億人を養えるだけの食料を産出できるにも関わらず、9人に1人が満足に食べられない状況を生み出し、かつ気候変動や戦争などの要因ですぐに供給が不安定となる現在のグローバルフードシステムにあります。
その事実からすれば、解決策はバイオテクノロジーなどを駆使した不自然な形での生産力増強ではありません。それぞれの地域の気候風土に根差した生産や食べ方、そして地域内での流通を大切にしていくべきです。もちろん今の〝よつ葉ホームデリバリー〟がベストな形であるわけではありません。自分たちの不十分さを自覚しながらも、目指す在り方に少しずつでも近づけていけるよう歩みを進めていきます。
昨年はその一環として、物流センターの移転・新設に踏み切りました。私たちにとっては大きな決断です。現在の物流センターは、20年以上前にお金も知識も不足するなか、会員の皆さんに物心両面でのご支援をいただき、〝よつ葉〟の仲間が入れ替わり立ち代わり現地に入り、みんなで協力しながらつくりあげたものです。地域の方々との関係も含め私たちにとっては思い入れのある場所で、老朽化のためとはいえ寂しい気持ちでいっぱいです。
それでも〝よつ葉〟が大切にしてきたものを引き継ぎ、次の世代に受け渡していくためにも、感慨に浸ってはいられません。2023年末には完成予定の新物流センターを要にみんなで力を合わせ、生産者が心を込めてつくった食べものや雑貨品をより良い状態でお届けでき、これまでできなかったことにも挑戦できるような物流を目指します。
注…
(※1)小売店、外食店、料理教室、保育園などを営まれている会員さんに向け、一定の条件のもと卸価格でお届けすることで、より多くの方に〝よつ葉〟を知ってもらうための取り組み。
(※2)フードバンクやこども食堂などを運営する支援団体・個人協力のもと、会員の皆さんや生産者の皆さん、よつ葉職員から集まったカンパで、困難な状況にある人を少しでも支援していく取り組み。
能勢農場 年忘れもちつき大会(2022年)
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