2022年 よつ葉の研修の取り組み
自分で考え、伝える力を身につける
よつ葉はかねてより職員を対象に学ぶ機会を多くつくってきました。コロナ禍によってここ2年ほどは今までのように産地に訪問しての研修はできていませんが、制限されたなかでリモートを使って工夫しながら続けてきました。特に配送員にとっては生産者や食を巡る状況について学ぶことは、会員さんにもよつ葉の活動や考え方を広めるきっかけとなり、また日々の配達での会員さんとの会話のやりとりが、活きる題材になることもあります。今回は職員が自主的に内容を決め、運営している研修部会と久しぶりに開催された新人研修について紹介します。
研修部会:自主性を育み、事業活動に活かす
研修部会世話人/阪神産直 伊東啓一朗
今年の研修部会は研修部会長不在のなか、世話人会を通し1年間会議を進めてきました。例年は司会、運営を中心に行う研修部会長を立候補で決め、進めていくのですが、今年は立候補者が出ませんでした。
毎年、年初に部会参加者からの「今年のやりたいことアンケート」を基に、講師をお招きしての勉強会、各地の生産現場に赴き、実際に自分たちで体験し生産者との交流を図る体験研修、そしてその時々の社会問題を元にしてのDVD視聴学習会、読書学習会などを行い、学びの場としています。しかし今年はさまざまな理由があるとは思いますが、部会長の不在、一昨年から引き続きのコロナ禍で自分たちの思うように活動できなかったのも事実です。
世話人会での議論の末、今年から部会の本会議を月初めの土曜日の13時からに変更し参加しやすい時間設定にしました。また毎月世話人がローテーションを組み、月替わりで司会進行をするといったスタイルに変更し、世話人としての責任感を培ってきました。
コロナ禍のため産地交流や体験研修はできなかったものの、化学物質過敏症(シックハウス、香害など)、「種子法」、「食品表示法」など、よつ葉で働く上で知っておかなければならないことを、DVD鑑賞や書をし、後に班で別れて討論をしそれぞれの意見を出し合うといった形で進めました。
講師をお呼びしての勉強会はコロナ禍のこともありリモートになりましたが、ジャパンマニシスト社(出版社)の編集部の方に講演していただきました。化学物質過敏症について、当事者としての実体験を元に詳しくお話してもらいました。特に配達をしている産直スタッフは会員さんと接する機会が多いので対応や接し方など勉強になったと感じています。
研修部会では学びだけではなく、反原発運動にも積極的に取り組んでいます。多くのデモや集まりに参加できるように今後も呼び掛けていくことが大事だと思います。最後になりますが、今後の職員の育成、職場の発展には研修部会は欠かせない場です。これからもさまざまな社会問題に積極的に取り組み、発信していきたいと思います。
研修部会(司会を担当した伊東さん)
新人研修:3年ぶりの開催で40人余りが集結
関西よつ葉連絡会事務局 矢板 進
今年は新人研修を3年ぶりに開催しました。「関西よつ葉連絡会」の職員が普段はそれぞれの仕事に従事しているため、自前の生産現場がありながらも、実際に見学をしたり、生産現場で働いている人の話を聞いたりする機会はあまりありません。
新人研修はよつ葉の生産がどのようなこだわりをもって食べものをつくっているか、を作業の様子を見ながら学ぶ機会となっています。以前は毎年、実施していましたが、コロナ感染拡大の影響で、しばらく休んでいました。今回は3年ぶりの開催ということもあり、40人余りの応募がありました。通常は1回の開催で済むところを今回は3回に分け、実施しました。
以前はよつ葉の畜産農場である能勢農場に一泊し、食堂で夜が更けるまで、おしゃべりをしたり、朝は牛の餌やりなどの手伝いもしましたが、今回は事務員さんなど多様な職員も参加しやすい研修にするため、足早にはなりましたが、日帰りのプログラムに縮小しました。
土曜日に実施しているため時間の都合で作業をしていない現場もあります。ぼく自身は今回、引率という形で参加しましたが、食肉の加工をしているところは初めて見ました。魚を捌くところは魚屋さんでも見ることはできますが、牛の塊を枝肉にする作業はなかなか見ることができません。包丁の持ち方も、職人の捌く姿勢も違うので、引率でありながら「まだ知らないことがたくさんある」と初心に戻るような気持ちで参加することができました。
生産現場があるよつ葉の新人研修なので、昼食には見学する工場のものを食べてもらおうということで、よつ葉のPB商品や能勢農場の牛を使ったローストビーフなどでランチプレートを引率者でつくりました。また今回は年初めの「関西よつ葉連絡会」の総会で講演していただいた田村典江さんの職員アンケート調査の結果を受けて、参加者とよつ葉の印象などについて意見交換をする機会を設けました。長年いると気がつかないような視点の参考になる意見もあり、今後の職場のあり方などに反映させていきたいと思います。
畜産の話をする能勢農場の寺本さん
別院食品見学(工場長の竹田さん)
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