ぶどうとHIPHOP
星野ぶどう園
(星野貴則)
四万十ぶしゅかんについて
久保田食品
高知県南国市:ぶしゅかんアイスキャンデー(Life p.32)、抹茶と十勝あずきかき氷(Life p.32)
1959年創業。「自分が本当に食べたいと思えるものをつくりたい」という想いから生まれたアイス、すっきりした味わいのかき氷は、手間をおしまない工程で作られ、無添加。ぶしゅかん、柚子などご当地の旬の素材を生かしたものもあり、地元でも長く親しまれている。
腰山さん
昔から高知県西部・四万十市(のうち、旧中村市)で細々と栽培されてきた「ぶしゅかん」。農家の庭先で自家用の調味料として当たり前のように栽培されてきました。8~9月が収穫時期のため、同じ頃に水揚げされるメジカ(ソウダガツオの子ども)に果汁をふりかけて食べるのがポピュラーです。100年以上果実がなり続け、露地栽培可能で、トゲもなく病害虫にも強いため農薬もほとんど必要ないなど、手間がかからないのに、なぜか四万十市の他ではあまり栽培されてきませんでした。
当社の果汁仕入先である四万十ぶしゅかん株式会社は、少子高齢化や人口減少が進む地元の地域振興としてぶしゅかんに目を付け、ブランド化に取り組んでいる会社です。この動きの中から耕作放棄地をぶしゅかん畑に転換したり、搾汁施設では地元のお年寄りや障碍者の方が働くなどの静かな社会運動が展開されています。ちなみに人の手に似た形で読み方が同じ「仏手柑(または手仏手柑)」とは違う品種のため、混同を避けるためにひらがなで「ぶしゅかん」と表記しています。
そんなぶしゅかんを広めたいという生産者の想いと、高知らしい果物を探していた当社の想いが実となり、「四万十ぶしゅかんアイスキャンデー」ができました。既存商品で「柚子アイスキャンデー」がありますが、柚子は華やかで爽やかな香り、対するぶしゅかんは豊かで深い香りで、食べていただければ同じ高知の柑橘でも二種類のアイスキャンデーを発売した理由がお分かりいただけるのではないかと思います。原材料は当社の他のアイスキャンデー同様に添加物を使用せず、ぶしゅかん果汁、砂糖、水あめだけで仕上げました。暑い季節にピッタリですので、是非お召し上がり下さいませ。
(腰山裕慈)
助け合って生きよう
フリースペース せ~のっ!
4年ほど前、誰もが気楽に立ち寄れる場所にと、「せ~のっ!」というフリースペースとリサイクルショップを始めました。住宅街の袋小路、誰も来ないかも知れないけど、長年介護してきた母が亡くなり、70歳になった私自身のためのデイサービスと考えました。
週に4日だけオープン、あと3日は、膝の治療や家事、リサイクル品の調達に当てました。2階は近所の子どもたちが遊びに来る場所、絵画教室、英語教室、子ども英語、絵手紙サークルなどに利用していただきました。コロナ禍で来客は減りましたが、不用になったものたちに囲まれ、遊びに来る子どもたちや、散歩の犬たちと楽しい時間を過ごしました。誰も来ない店に座って、お預かり伝票を整理しながら、上空で繰り広げられるトンビとカラスの攻防戦を見学し、庭に来る野鳥をながめるのも楽しみでした。お客さんもさまざまで、となり町からご夫婦で、デイサービスに行くための服を探しに来られたり、おしゃれなピアノの先生がお得意さまだったりしました。でも75歳を目前にお店を閉めることにしました。今も杖歩行ですが、冷暖房のきいた室内に座ってばかりいると、足がさらに弱るのを実感したからです。
各教室には自宅の2階を片付けて利用していただき、自宅のガレージを開放してベンチコーナーにし、また若い方から提案があり、ガレージセールを開く計画です。友人が建物を引き取ってくれることになり、自宅は運んで来た商品? ゴミ? でいっぱいです。どこから片付けよう? と困っていると、ご近所さんに「夫が亡くなって、この2年、生きて来られたのは、『せーのっ!』があったからよ」と言われ思わずホロリ。皆さんに手伝っていただいて、やっと続けて来た「せーのっ!」ですが、行くところがないと嘆いていた前の家主だったおばあさんや、車椅子で認知症だった母は、リタイアを許してくれるかな。生き方や考え方が違っても、障害があり年を取っても、互いに助けあい、少しでも楽しく平和に暮らせる社会になれば、と願って、今できる事をやろうと思います。
(淀川会員 増田寿恵)
捨てられていた椅子の枠と廃材で自作した椅子でベンチコーナーと、
荒れ放題の庭を片付け中です。
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