昨年の3月29日付の読売新聞に長崎大熱帯医学研究所教授の山本太郎さんは次のように書きました。
「なぜある感染症が流行するのか。僕たち研究者はウイルスの種類や特性を調べ、原因を突き止めようとしてきました。しかし、僕は最近、実は逆ではないかと考えるようになりました。流行するウイルスを選び出し、パンデミックへと性格づけるのは、そのときどきの社会のあり方ではないかと。僕たちの社会にはいつもさまざまなウイルスが入り込もうとしている。たまたま社会がそれに適した状態になっていると、ウイルスが入り込み、わーっと広がっていく」
中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症はイタリアのミラノへと広がり、瞬く間にヨーロッパ全土へと広がり、さらに世界中に広がり、パンデミックとなりました。たまたま今の社会がそれに適した状態になっていたわけです。
パンデミックで有名なのは20世紀初頭のインフルエンザウイルスによるものです。アメリカでまず発生し、第一次世界大戦が始まっていてアメリカ兵の参戦で、しかも輸送船の中でまん延した状態でヨーロッパ大陸に持ち込まれました。大陸では独仏が国境線上に長い長い塹壕を作り、対峙していました。そこでさらにウイルスがまん延したことが想像できます。発熱したからといって休むわけにはいかず、戦死なのか病死なのか分からない状態でたくさんの人が死んでいきました。今でこそ「第一次世界大戦」と呼んでいますが、当時はただ「世界大戦」と呼ばれました。その後、不幸なことに「第二次世界大戦」が引き起こされ、その結果、先の大戦を「第一次」と名付けました。それまでの2国間戦争と違い、調停役がいないため長期戦、消耗戦になったことも、ウイルスに活躍の場を与えました。
第一次世界大戦に参戦していなかったスペインへウイルスが感染していったことで世界中の人々はインフルエンザウイルスの脅威を知り、「スペイン風邪」と呼ばれるようになりました。
第一次世界大戦で初めて各国が徴兵制を行い、一般市民を戦場に送り込みました。その結果、戦争が終わって復員した兵士たちが各国の市民社会へウイルスを持ち込み、その後のパンデミックを生みました。たまたま当時の社会がそれに適した状態になっていたわけです。
(小林 将)
ハウスからの風景
旅に出るとその土地のスーパーマーケットなどに、よく行く。名所などには寄らず、その日一日、日用品店巡りということも間々ある。ワイルドな野菜の陳列具合に驚いたり、珍妙な果物の食べ方に悩んでみたり、その土地で好まれている肉や魚の観察をし、籠に奇抜な形状をした菓子類を入れ、謎の乾物は検疫で引っかかるので眺めるだけにしておき、何味かも不明な飲料に手を出し、使用用途のよく分からない日用品を熱心に眺める。
「なにがおもろいねん」と言われると確かにさして楽しくはないかもしれない。むしろ厄介事に首を突っ込んでいるようでもある。で、大体の商品は見当違いだったりする。旅行者が勝手に生活者の領域に踏み込むからそうなるのであって、自業自得ということなのだろう。
旅先だけそうなのかというと、そうでもなく日常でも同じような労苦を伴いながら店内をうろついていたりする。今の時代、自宅に居ながらにして全く同じ商品が手に入ったりするのにだ。
それでも店に赴くのは、なにかしらただ買いものをするという以上のものを求めているからなのだろうか。
(池田産直 内海猛之)
・自然館 グリーンプラザ店
大阪府高槻市紺屋町1-1グリーンプラザB1
<インスタグラムで検索>
・自然館 水無瀬店
大阪府三島郡島本町水無瀬2-4-6
<インスタグラムで検索>
・ふるさと広場 高の原店
京都府木津川市兜台6-8-4
TEL 0774-73-0551
・ふるさと広場 曽根店
大阪府豊中市曽根東町1-10-24
<インスタグラムで検索>
Copyright © 関西よつ葉連絡会 2005 All Rights Reserved.