「起きていること」を見極める
ナチュランド
東京都多摩市:苺生クリーム&カスタードのケーキ、ザッハトルテなど
ナチュランドは「自分の子どもにも安心して食べさせられる、おいしいお菓子をつくる」をモットーに歩んできました。スタッフは日々楽しんで仕事をしており、新たなお菓子づくりにもいろいろアイデアを出し合いながら考えてきましたが、世界観が変わるような事態が起こっています。
新型コロナウイルスという見えない何かを使って、私たちに過剰に恐怖心をあおっている何か。ワクチンは遺伝子組み換えの技術が使われ、食べものでは遺伝子組み換えは怖いもの。なるべく摂取しない方がよいという認識でしたが今や、ワクチン接種に行列して腕を差し出しています。2回接種してもコロナにかからない保証はなく(重症化はしない)、3回目という話も出ています。病気はコロナだけではないので、人間の「体」で実験をしているの? といった怖さも感じています。
まず頼れるのは自己免疫力! 食べものが重要です。ナチュランド本舗として〈食〉に向き合うようになって、「食べることって、社会のさまざまな問題とリンクしているんだな」と、改めて実感するようになりました。安い輸入農産物によってどんどん国内生産が減少し、そこからポストハーベスト、国内の自給率などの問題がわかってきました。
そして食べものの安全性が添加物、農薬だけではなく、福島第一原発事故による放射能、そして今回の新型コロナウイルスによってより脅かされるようになりました。
ますます、顔の見える関係が重要になってきています。経済優先、お金だけですべてが解決するなんて大間違いです。人間ばかりが住む地球でもありません。ツケはきっときます。政府、マスコミに対して、心眼を開いて「起きていること」を見極め、ひとりひとりができることをコツコツ努力していきましょう。
(山本道子)
ナチュランド店舗
スロウな思い
ぷくぷくショップ/ぷくぷくワールド
大阪府吹田市:クリスマスケーキセット、プレーンクッキー(Life490号)など
「太陽の塔」でも有名な大阪府吹田市にぷくぷくクッキー工場はあります。今から31年前、学校卒業後の障がいを持つ子どもたちが、地域で働ける場所をと、多くの人の協力で設立されました。
工場ではクッキー型抜き、袋詰め、袋の口のシーラー止め、金属探知器へ通す検品作業をみんなで行っています。よつ葉のバターや菜種油・ノンホモ牛乳・国産小麦・丹波の卵をベースに、シンプルな材料でゴリっと固めに焼かれたやさしい味。地域の保育園・幼稚園、最近では子ども食堂にも。さ まざまなところでご愛顧いただいています。(ちなみに私の不動の一位はプレーンクッキー!)
そこから少し離れて、泉、垂水、金田、穂波と水の流れと稲作がリンクした地名が多い吹田で、年貢米や農産物の運搬・社寺参詣などに使われた吹田街道にある、よつ葉の商品が並ぶお店「PUKUPUKU SHOP」。ここが私の職場です。よつ葉の他店舗と違う点は前述の通り、働く人たちが何らかの凸凹ハンデを持っているということ。私は商品発注、品出し、店内ディスプレイ、レジ接客に加えて、ここで働く人たち一人一人の支援をしています。障害者福祉の就労継続支援B型事業所という現場であり店でもある、仕事をそれぞれの個性に合わせ、絶妙なタイミングを見計らって日々トスを上げています。
昨年からお店の看板、プチDIY、季節の野菜でたくあんや干し芋などの手仕事や、玄関前でプランター菜園をしたり、お客さんとの会話につながるような小さな作業を散りばめ取り組み始めました。通所する誰もが楽しんで働けるように日々励んでいます。大手物流にはないもたもたしたローカルさ、ぷくぷくだからできること、私たちのスロウな思いが届きますように。皆さまのご来店お待ちしております!
(滝川佳奈)
店先で干している大根
札幌市でケーキなどの製造・販売をしております、北海道産の小麦や米粉、平飼い鶏の卵、粗糖などの素材を使い、できる限り食品添加物を使わないお菓子づくりを始めて、現在の店舗に工房を構えてから9年。移転前に自宅で始めてから数えると20年以上が経ちました。普段は同じ建物内にあるアンの会(次項)店の一角で、お店の食材を使ったクッキーやパイ、パウンドケーキなどを販売しており、無添加のバースデーケーキ、アレルギー対応のケーキ、季節のパイなどの予約販売もしております。ほぼ一人で作業を行っているため一度に大量にはつくれないのですが、できるだけ皆さんが安心して食べられるようにと考えながら日々励んでおります。
昨今のコロナ禍で「大変でしょう」と聞かれることもありますが、イベント出店などが減った分、地方発送などのご注文をいただく機会が増えました。このご時世で健康に気遣う方が以前よりも多くなり、原材料のこだわりについて認知してくださる機会も増えたのではないかと私個人では感じています。
例えば原材料の卵は平飼いで、自家配合の飼料を使っているので、秋になればかぼちゃを食べて黄身の色が濃くなったり、夏には鶏が水をたくさん飲むので卵白が少し緩くなったりと季節を通じてまったく同じではありません。生きているものをいただいているということです。これはどの食材にも言えることで、つく」り甲斐もありますし、一番面白さを感じているところです。
こういった安心できる材料が手に入りやすいのも、有機野菜のアンの店で一緒にやっている利点かと思いますし、生産者に楽しい方々が多いこと、何より「パティスリーアパレイユ。」のケーキを楽しんでくださる皆さまがいらっしゃることに喜びを感じております。
(渡辺彩文)
渡辺さん
私たち夫婦は母の介護のために大阪から出雲にUターンしました。そして柿づくりを始めて13年がたちました。
実家は出雲大社の門前町で農業とは無縁の地域です。もちろん元々は農家ではありません。農業をやろうと思ったのは若い頃に能勢農場に関わったり、よつ葉のスタッフとして働いていたことが大きく影響しています。
出雲市にもたくさんの特産品がありますが、深刻な担い手不足です。行政も担い手をつくるべくいろいろな取り組みをしていて、特産品の栽培についての講習会を開いて、そこから就農する道をつくっています。そこでその制度を使って就農しようとしたところ、ちょうど西条柿の講座の募集が目に留まりました。勉強だけでもと思い応募したのでした。西条柿との偶然の出会いでした。
大阪では見たこともないこの柿を食べた嫁さんが大変感動して、この柿をよつ葉の会員さんに食べてもらいたいねと言い出したのです。50アールの畑を借りて柿を新植するところから始めて、まずは嫁さんが大阪と出雲を行ったり来たりして母と柿の面倒を見ていたのですが1年たった頃に母が脳梗塞の再発を起こし、これを機に二人そろってUターンし本格的に柿農家としてスタートすることになったのです。
4年前に一緒に柿をつくると言って豊中に住んでいた息子夫婦が家族4人でIターンしてきました。予想もしなかった展開に、私たちはびっくりです。西条柿が結んでくれた縁に感謝しています。彼らが引き継ぎ、よつ葉とつながる生産者を目指しますので会員のみなさんには、見守っていただきますようお願いいたします。
(藤間一正)
藤間さんご夫妻
毎年、北海道から夏のキャベツ・ブロッコリー・とうもろこしから始まり・玉葱・南瓜・パプリカなどをお届けしています。またそれらを原材料として使った焼き菓子などのスイーツも「アパレイユ。」というブランドでお届けしています。
ここ三笠市はコロナ感染前にはよつ葉の会員さんに呼びかけて援農に何度か来てもらっていましたが、札幌から東に向かって1時間弱の場所にあります。市となっていますが今では人口が8千人しかいません。ここは以前炭鉱があり人口が6万人近くいましたが、一年で1万5千人減るなど一気に過疎が進みました。
アンの会は以前から安全な農産物を栽培することと合わせて消費者交流を多くやってきました。今では当たり前にやっている田植えや稲刈り、畑の中でその畑の食材を食べる「畑の中のオーチャードテーブル」や野菜収穫など消費者が農村に来て理解を深め合う行事をいくつもやってきました。
そのようなことを続けてきましたが、イベント的な交流ではなく、継続的に行える場所があると良いなと思い、2018年三笠地域における「農」と「食」の連携推進協議会を仲間とともにつくり地域の交流人口を増やし、物の流通だけではなく人の交流も増すことを目指しました。
翌年2019年4月には、畑の中に農泊施設「畑の中のレストランEKARA(「エカラ三笠」で検索)」をつくりました。レストラン・宿泊施設・加工施設があり、できるだけ長い時間農村に滞在してもらいたいという思いがありました。スタッフにも移住者がいたり、小さいですが地域に雇用が生まれたりもしました。その後多種多様な人たちが出入りするようになり、また地域の魅力を感じてもらえるようになり、その後も移住する人がぽつぽつと出始めています。(「みかさぐらし」で検索)物の流通から始まったつながりが人の交流へとつながり、地域の資源となってきています。今後がとても楽しみです。
(鈴木秀利)
2018年援農産地交流会(後列右端が鈴木さん)
さあ行こう 新たなる旅立ち
かごしま有機生産組合 大和田世志人
さあ行こう 新たなる旅立ち
太陽の光あふれる南の国へ
さあ行こう 私達とともに
思い切り 身体を動かし 土地に鍬をふるおう
お月さんに相談しながら いろんな種子をまこう
心地良い汗は 夜の心地良いねむりを約束してくれる
吹き抜ける風は 君を新たなる世界へと
いざなってくれるに違いない
雨の日あり 風の日あり 嵐の日あり それもまた良し
南の大地が今 あなたを待っている
南の風が今 あなたを待っている
ちぎりたてのキュウリをほおばってみる
赤くなりかけのミニトマト ダイヤの輝き 思わず口に入れてみる
少し早いか まだ酸っぱいぞ
朝露にぬれた紫紺のナスはまるで神々しい
天地創造の神が今 あなたを待っている
満天の星たちが今 あなたを待っている
そうだ 畑のすみに柿の木を一本植えよう
柿が赤くなれば医者が青くなるというではないか
南の大地が今 あなたを待っている
南の風が今 あなたを待っている
研修生募集しています!
鹿児島で有機農業による自立を目指す人々をサポートしてきた鹿児島有機農業技術支援センター。2014年に開設して、これまで45名の研修生を受け入れ、世に送り出してきました。20代から30代、40代、50代まで、農業へのチャレンジに年齢制限はありません。1年間、有機農家とともに実技をしっかりと学ぶことができます。
県内各地に160戸の先輩農家、同僚農家がいます。研修後は農地の紹介から、農産物の販売までトータルに支援していきます。国の支援制度(次世代農業育成資金-年間150万円の研修費用助成)活用についてもサポートしていきます。まずはお問合せください。
左が大和田さん
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