アルファとかデルタとか言うのはギリシア語で、英語で言えばAとDのことです。だからデルタ型変異株というのは4番目の変異株というぐらいの意味です。最初のうちはアルファは英国型、デルタはインド型と呼ばれていたのですが、これだとイギリスとインドが世界中にまきちらしたように聞こえますので、いつの間にかアルファ株とかデルタ株とか言うようになりました。
遺伝子が1本鎖のRNAからなるコロナウイルスは簡単に変異します。だからイギリスやインドのようにコロナウイルスがまん延したところでは、次から次に変異ウイルスが生まれたはずで、その中でも感染力の強いタイプがはびこるわけです。感染力が強いからどんどん他の細胞にもぐりこみ、どんどん増殖していきます。彼らは決して競争をしているわけではなくて、結果的に感染力の強いものがはびこります。
RNAの遺伝情報は、シトシン(C)、アデニン(A)、グアニン(G)、ウラシル(U)というたった4種類の塩基が鎖のようにつながってできています。この遺伝情報をもとに細胞内でタンパク質が作られます。でんぷんを分解する酵素アミラーゼを作るRNAがあり、糖の代謝を調節するホルモン・インシュリンを作るRNAがあり、どれもたった4種類の塩基の鎖です。
ワクチンに用いられるmRNA(メッセンジャーRNA)というのは、DNA(すべての細胞にあってあらゆる遺伝子がつなぎあわさっている長い長い鎖で、しかも2本の鎖でできています)の情報を転写する役割をするRNAです。面白いことに、たった4種類しかない塩基なのに、AとU、GとCがそれぞれ強い相性をもっています。これがうまいこと作用して、例えばDNAの中からAAGGUUCCという遺伝情報を取り出そうとするとき、これを逆コピーしたUUCCAAGGというmRNAが作られ、もういちど逆コピーされたAAGGUUCCという塩基配列をもとにアミノ酸がつなげられ、アミラーゼやインシュリンなど必要なタンパク質が作られていきます。
コロナウイルスはRNAしかもっていません。人間のさまざまな細胞に寄生してどんどん増殖し、またどんどん変異して、結果的に感染力の強いデルタ株がはびこることになります。一般的には「感染力が強くなるのと並行して毒性は弱くなる」と言われているのですが。
(この原稿は8月10日に書きました)
お子さんと
僕のじいちゃんは昭和14(1939)年、赤紙が届き召集された。多数の戦死者による部隊員数不足の補充要員であったため緊急を要し、一週間ほどで出征準備を完了。やがて武漢奥地の前線へと就いたらしい。その後の命辛々の物語は僕には想像もつかないことの連続。多くの戦友が命を落とすなか、じいちゃんは生き残った。
生き残るために部隊からの逃亡を計画したときの話は痛快で、いろいろな場合を想定して用意周到の準備をしたそう。替えのふんどしを切り白旗を用意し、あらかじめ買っておいた「日中会話の本」の「助命・捕虜・無抵抗」の文字を丸輪で囲んで懐にしまいこみ、逃亡する場所も大集落だと群集心理で現地の住民に殺されるかもしれないので小さな村での決行を決めていた。結局、作戦は上官の思わぬ行動で失敗に終わるのだが、とにかくじいちゃんの死に対する拒否反応はすごかった。
いわく「人類は何億年の歴史ある地球の生物で、しかも二度ない命である。わずかな一時代の元首のために命を渡すことは真っ平だ! 日本人である前に人類である。この世に生を受けたものは自然死まで生きる権利がある」。そのまなざしは他者にも向けられる。そのおかげで今、僕がいる。
(京滋産直 光久健太郎)
●東大阪産直の土曜市
日時:毎週土曜日10:00~13:00
場所:東大阪産地直送センター前
大阪府東大阪市玉串町東2-3-10
お問い合わせ:TEL.072-968-6601
●よつ葉の金曜野菜市
今期は終了しました。
来年夏ごろ再開予定です。
場所:よつ葉ビル横 駐車場
お問い合わせ:0771-27-7500(よつば農産)
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