京丹後市は人口あたりの100歳以上の数が全国平均の約3倍に上るそうです。京都府立医大の内藤裕二准教授(消化器内科)によれば、この地の高齢者の腸内には酪酸をつくる腸内細菌が多く、酪酸によって腸の細胞のエネルギー代謝が活発になり、神経を保護する作用もあります。そして彼らはイモ類や根菜類、海藻などを多く食べているそうです。食物繊維が豊富な伝統的な和食生活です。また、みそをはじめとする発酵食品も十分に食べていると思われます。ところが同じ京丹後市でも若者の腸内を調べると酪酸をつくる細菌が減っていました。ファストフードなど食生活の変化が影響していると内藤准教授が指摘しています。
腸の動きが活発で免疫がしっかりしていれば当然のことながら健康長寿につながります。まずカゼやインフルエンザにもかからないし、消化器系の感染症(赤痢や腸チフスなど)にもかかりません。生きる上での障害物が少なくなります。また、アレルギーにもなりません。食物アレルギーや花粉症などに患わされることもなく、余分な生体エネルギーを使わずにすみ、何より精神的ストレスが少なくてすみます。さらに潰瘍性大腸炎や膠原病などの自己免疫疾患とも無縁で健康に過ごせます。これらの病気にかかると免疫抑制剤を使いますからますます感染症に弱くなります。
そしてもうひとつはがんにかからないことです。「食物繊維が豊富な伝統的和食」は発がん性がありません。逆に欧米の人たちの肉食は大腸がんや胃がんを発症させることがわかっています。40代、50代になると誰しも体内でがん細胞が生まれているそうですが、それを免疫が攻撃してつぶしてくれているのだそうです。がん細胞が生まれる原因はさまざまありますが、それががんに育つのは免疫が弱いからです。だからがんが発症したら、それまでの食生活を見直し、食生活を改善して腸内環境を整え、免疫を立て直さなければなりません。がんの治療法は非常に進歩していてがんは不治の病でなくなりつつありますが、免疫の力が弱っていれば次から次へとがん細胞が生まれ、治療とのイタチごっこになります。
新型コロナウイルスの勢いが収まりません。人がたくさんいる大都市ほど感染が広まりやすいのは当然のことです。単に人口密度が高いだけではなく、食生活の面でも自然環境の面でも都会に住む人々は、免疫のひ弱な人たちで、コロナウイルスに狙い撃ちされています。
NO-1グランプリ表彰式 左が成田さん
農業史研究者の藤原辰史さんは、現在の社会構造の中で必然的に重視される「生産=合成」に対し、「分解」の大切さを説かれています。確かに合成するばかりでは、有限な地球環境下ではいろいろな意味で無理が生じます。
これまで食べものをはじめ〝モノ〟が、どこで、どのようにして作られたのか、には注意を払ってきましたが、その〝モノ〟がどこで、どのようにして環境中に戻って行くのか(行かないのか)については、知らない、または潜在的には気づいていながら知らないフリをしてきたのではないか?と反省します。
そして周りを見渡せば、一体いつから、こんなに多くの自然の循環に戻っていかない〝モノ〟に囲まれて生きていかなければいけなくなったのか?と思わずにいられません。
できれば、どこか一カ所だけ地球の真ん中まで届く穴があって、そこにポイポイ投げ込めば、マグマの熱で全てを分子レベルまで分解し、環境汚染物質も発生しない天然の焼却炉…みたいな妄想をしてしまう今日この頃です。
(事務局・松原竜生)
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