大学に入学した時、法学部の学生は六法全書と法律学辞典を買うことになっていました。どちらも分厚い本です。その後、反公害運動に関わるようになって、農学部の石田紀郎さんの研究室がアジトになって法学部から足が遠のいてしまい、そのふたつの本はお蔵入りしてました。大学を出て関西労働者安全センターの専従職員をしてから役に立ってくれました。特に法律学辞典の方は便利で、法律関係の調べ物をする時に窓口になってくれます。
過料という言葉を聞いたことがなかったので(法学部の授業に出なかったからだと思うのですが)調べてみると、「過料とは行政罰で罰金のこと」とあります。だったら「罰金」とすればいいと思うのですが、おそらく刑事罰の「罰金」と区別するための表現でしょう。「過ち料」ということでしょうか。行政命令に従わなかった時に科すことができるのであって、要請を無視したからといって過料にはできません。ただし、受ける側にとっては罰金と同じことです。
当初、スガさんは入院を拒否した人や疫学調査に協力しなかった人に対して刑事罰の懲役を考えていました。入院したくてもできない人がたくさんいるなかで、拒否をする人が実際にいたのか疑問です。一方、疫学調査はプライバシーを調べられるのですから、例えば浮気相手とベッドインしてたなんてことはしゃべりたくありません。プロ野球の選手でこんな人がいたみたいです。間違いなく濃厚接触ですから。逆に、夫婦の片方が感染したのにもう一方は濃厚接触者ではなかったというのも、とりあえずは良かったとしても、その関係はどうなってんだと考えされられます。
これまでの感染症法にも懲役刑の規定があって、「エボラウイルスなど危険な病原体をまくなどした場合」です。これはどう考えても犯罪行為で、懲役刑もしかたないと思います。けれども入院拒否や疫学調査の拒否が同等の行為とはとても思えないのですが、スガさんにとってはそうなんでしょう。
スガさんの頭の中には「身内」と「そうでない者」とか、「命令を素直に聞く人」と「そうでない者」という二分法が働いているみたいです。身内であればみんなでステーキ会食をするのはいい事で、銀座のクラブで夜遅くまで飲むのもいい事。さらに銀座のクラブも身内だから夜遅くまで営業するのも構わないということでしょう。
これはヤクザの論理です。しかもこの人は力で敵を倒そうとする「武闘派」のようです。
何かこの欄でも10年前のことを書こうとしましたが、書き出す前に我が家の漫画や雑誌の遺跡から発掘された、「腹を割って話した(未知との遭遇)」という本を読みいってしまいました。
この本、おっさんふたりの会話を収録しているだけです。とあるテレビ番組を視聴し、なぜだか腹を抱えて六腑が飛び出るのを抑えるぐらい笑い悶えた経験がある人向きに出版されているので、あまり世間様的にはおもしろくないのかもしれないので、読む必要はないとおもいます。
必要ではないのですが、本の中の、非常時にも人は日常の小さい出来事を大事にしているのではないか、というくだりがどこかしらあの時や昨今の状況にも当てはまるのではないかいな、と考えているところです。
大事なこと、それを伝えることは重要で、人は忘れてしまうという構造上、繰り返し主題に据えて訴えたり主張したりしなければなりません。でもそればかりだと、少し息が詰まるかもしれない、「伝えること」と「伝わること」は少し違うのかもしれない、そんなふうなことにぼんやりと思い至りました。
(池田産直・内海猛之)
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