前任者から次世代の仲間たちへ
新体制での飛躍に期待
関西よつ葉連絡会は、本年を新たな事務局体制で迎えます。連絡会事務局は2002年に設立され、2007年の第6回総会で中川代表・田中事務局長体制に移行しました(写真参照)。その後14年を経た今年、新体制への移行の時期を迎えることになったものです。現代表と事務局長に退任にあたっての所感を述べていただきました。なお、本紙の編集を担当してきた私自身も今春をもって退職します。『ひこばえ通信』の時代から長い間にわたってお世話になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。 (編集部・下村俊彦)
次世代による会の発展を願って
関西よつ葉連絡会代表・中川健二
この度、関西よつ葉連絡会の代表を退任し次代を担う若い人にバトンタッチをすることになりました。この数年間、ずっと「世代交代」の必要性を感じ、皆に、特に若い人たちに呼びかけてきましたが、やっと実現することになりました。
もっとも私は「代表」と言っても名ばかりで、会全体を引っ張る指導力・権力(権限)を持っているものでもありません。いわば象徴(飾り)のようなもので、歳をとってからは特にそのような存在となっています。それでも田中事務局長をはじめ、他の有能で力のある役員の皆さんに助けられて何とか今日までやってきました。
歳を取れば体力・気力も衰えてきます。自身でそのことを強く自覚するようになってきました。早く交代をして、若くて元気な次の世代にこれからのよつ葉連絡会を担ってもらうようにしたいのです。幸い、この間何とか次の若い世代が育ってきたようですので、後は彼らの活躍を後ろで見守れればと思っています。
今まで事務局長で力を発揮してくれた田中さんも次の若い人に交代します。また通信の編集をやってくださっていた下村さんも退任し交代します。中川代表・田中事務局長・下村編集長で2007年より約14年続けてきた「事務局体制」(執行体制)を一新して、今後の関西よつ葉連絡会の活性化・発展を期待したいと思っています。
世界でも国内でも世の中が大きく変わっていこうとしているこの時代にあって、関西よつ葉連絡会の今後も山あり谷ありと大変だろうと思いますが、新しい代表、事務局長をはじめとする役員の皆さんで頑張ってください。期待しています。
最後になりましたが会員の皆さん、職員の皆さん、生産者の皆さん、本当に長い間お世話になりありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。

関西よつ葉連絡会第6回総会。この総会で中川代表(中段左)、田中事務局長(中段右)体制となった。2007年2月25日、ホテル阪急エキスポパーク、『ひこばえ通信』2007年4月号から。
若い力でよつ葉を新たなステージへ
関西よつ葉連絡会事務局長/次期代表・田中昭彦
2021年は、10年以上やってきた事務局を卒業して、よつ葉の代表を引き受けることになりました。初代の津田政己さん、2代目の中川健二さんのあとですから3代目の代表ということになります。
若い衆から「田中さん、誰にでも喧嘩売ったらだめよ」と注意されることもあったのですが、その中のひとり、大阪産直代表の松原さんが事務局長の後任を引き受けてくれることになっています。
今年で僕も満66歳! 今度こそみんなとの和を大切にして残りの人生を生きていこうと決意している今日この頃です。
2020年を振り返ると、年々ひどくなる「気候災害」や「新型コロナウイルス」によって世界中で大きな被害が出ました。もちろん、よつ葉の活動にも大きな影響がありました。そんな中ですが、いま目の前で起きていることの背景や歴史について勉強会(講演会)を実施、次のよつ葉を引き受けてくれる若い世代が自分なりに社会を捉える新たな視点を獲得することにつながったのではないかと思います。
原発や地球温暖化、パンデミックなどの個別の問題に取り組むさまざまな社会運動が個別の変革につながっていっているわけですが、いま世界の圧倒的多数の若者たちが地球温暖化の解決のために「システムチェンジ(社会の構造そのものを変革すること)」という言葉を叫んでいるということを知りました。
偉い政治家の先生にお願いして、法律や制度を変えてもらうのではなく、自分たち自身で社会のシステムを変えていこうという叫びです。
私たちは、足元の取り組みから世界の人々とつながって社会を変革していくことを目指しています。よつ葉の「食や農の取り組み」「産直運動」から何ができるのか、一人ひとりが考え、みんなと話し合い、具体的な実践へとむかっていく時代だと感じています。
若い世代が自分たちで考え実践していく場としての「よつ葉」が、新たなステージへと飛躍していくことを願っています。
「大分岐」の時代とよつ葉
関西よつ葉連絡会事務局/本紙編集長・下村俊彦
昨年10月号に退任あいさつめいた編集後記を書きました。それで今回はスルーしたかったのですが、中川さんと田中さんが、「ひとにだけ書かすつもりか」と責めるので、また書きます。
すでに1年前、連絡会総会で広報会議報告をしたとき、これが最後の報告と思って話をしていました。事情で予定が1年延びたため、すっかり退任あいさつのベテランになってしまいました。なのに、あいさつは洗練の度を加えてきたとは言い難く、原稿に注文をつけることを職分としてきた身としては、じくじたるものがあります。面目ない。
くだんの総会では、気候変動問題に取り組むべきことを訴えました。20年は本紙でこの問題を追究していきたいと考えていたのです。ところが蓋を開けると新型コロナの影響を受け、紙面でもそちらを重点的に取り上げることになりました。
とはいえ、コロナによって見えてきたのは、行き過ぎたグローバル化、乱開発による生態系の撹乱、人口の都市集中、格差拡大など、人間や自然よりも利潤を優先する経済システム(資本主義)そのものの問題性でした。それは取りも直さず気候変動の根本原因です。これからはコロナ後、資本主義後の社会のビジョンのなかによつ葉の活動をどう位置付けていくのかが問われる時代になります。
自分は退職するからと思って、思い切りデカい課題を掲げたな、とお思いでしょうか? はい、その通りです。若い仲間たちの健闘を祈ります。私も老人にできるやり方で課題を共有していきます。