アメリカのファイザー社とドイツのビオンテック社が新型コロナウイルス用のワクチンを開発し、イギリスでまず高齢者から接種が始まりました。あくまでも「緊急使用」という特別枠の審査を通過したものです。朝日新聞は、そのイギリスのITコンサルタントのジテシュさんの「承認があまりに早く、適切に審査したとは思えない。長期的な影響も分からず、70代の両親には接種を勧めない」というコメントを紹介していますが、その通りだと思います。
そもそもこれほど短期間に開発できたのは、両社が「RNAワクチン」という新しいタイプのものを選んだからです。新型コロナウイルスが持っている遺伝子(RNA)を合成して(これは現在のバイオテクノロジーを使えば簡単にできる)、人工の膜で包んだものです。ただしどちらもこわれやすいようで、-70℃とか-20℃で保管する必要があります。問題は初めてのタイプですから、有効性も危険性も「初めて」経験することになります。しかも「緊急使用」のため治験者の数も少なく、治験の期間も短いという問題もあります。結局のところぶっつけ本番のようなものです。
ただし、イギリス政府が急ぐ理由はよくわかります。非常に食生活が貧しく、じゃが芋と魚のフライでは免疫力を高めようがありません。
少し前になりますが、発酵学の専門家の小泉武夫さんがNHKの「ラジオ深夜便」に出演して「アジアは発酵食品が豊富で、このことが感染者の違いにあらわれていると思う。隣の韓国ではキムチを食べることを推奨しています。ただし、アジアでもインドやイランは別です」と語っていました。「この点に注目している専門家は残念ながら私しかいません」とも。
毎朝具だくさんのみそ汁(厚削りだし使用)を作って食べ続けている身としては、我が意を得たりと思いました。もう何年もの間、カゼをひいたことがありません。カゼの原因はほとんどが旧型のコロナウイルスです。コロナウイルス禍の直前の1月か2月にやさい村で、インフルエンザが蔓延しました。小さい子どもさんからウイルスをもらったお父さんが職場にもちこんだようですが、潰瘍性大腸炎の治療の関係でインフルエンザワクチンを接種した人と、がんを患ってから食生活を改善してヨーグルトを食べている人と、そしてこちらは大丈夫でした。
81歳の父の元気に満ちあふれ颯爽とした姿を久々に見た。それは、娘、孫、ひ孫と四世代で生家や祖父母の家を残している長崎に帰郷した時のこと。
私が生まれ育った町は、山の斜面を切り拓いて家が建てられており、車も入れない狭い坂と階段を対州馬が資材などを載せて運んでいたような町。そんな町を、マンションの2階ですらしんどそうに上がっている父が果たして歩けるのだろうかという心配の中、「雨漏りしとるけん屋根の修理ばする!」「落ちたらどうすっとね。私がする!」「よか、大丈夫!」と長崎弁が飛び交う中、3歳のひ孫が、「みんな喧嘩しないで~」と一喝!
言い出したら聞かない父。しかし、〝心配無用〟と言わんばかりの父は、作業着に着替え、坂道と階段を何度も何度も行き来し、テキパキと作業をし始めた。驚きでした。父の姿に感動。
そして、大阪に戻ってきたある日のこと。家から5分くらいの場所にひ孫のお迎えを依頼。父からの返答は、「歩けんから、自転車貸してくれ」と。あの長崎の父は何処へ…。目標を持った人から湧き上がるパワー! 恐るべし!
(事務局・荒岩美也子)
今年も『よつばつうしん』をよろしくお願いします
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