
育てて 収穫して 料理して
楽しみがいっぱい 野菜づくり

『ライフ』150号で企画した地場・ゴーヤの苗
ベランダや庭先で手軽に野菜がつくれると毎年大好評の「地場の野菜苗」。お届けするようになって15年目になります。『ライフ』150号で企画しましたが、皆さんのお家では元気に育ったでしょうか?
今年は雨が多く日照不足が続いたので、苦労された方が多いのでは? 「きゅうりの花が咲かない」「ミニトマトの花は咲くけどすぐに落ちてしまう」などの問い合わせが多かったように思います。それでも頑張って育てていただいて、とても嬉しく思っています。
野菜を育てるということは、自然と向き合うということ。天候でダメになったり、虫に食べられたり、病気になったりと苦労は多いですが、毎日愛情を注いで、苦労して育てた野菜の味は格別です。育てて、収穫して、料理してと楽しみがいっぱい詰まった野菜づくり。そしてもう一つ種とりの楽しみが味わえます。今年もそんな野菜づくりに挑戦された会員さんと、よつ葉職員の「地場の野菜苗」生育記をご紹介します。
(よつば農産・笹川)▼5面に関連記事
収穫の喜び 苦労あればこそ
普段、野菜や果物などの、農産品を扱う仕事をしているので、野菜を育てることには、以前から興味はありましたが、日々の水やりなどの世話ができるか自信がない。そう思い今までやっていませんでしたが、「一度くらいやってみたい」と自信のなさより興味が勝り、夏限定で挑戦することにしました。
購入した苗は、交配種の「ミニトマト」と「きゅうり」、に加えてホームセンターにて購入した苗数品目。4×3メートルほどの小さな市民農園の畑を借りいざスタート。
夏野菜であればそんなに難しくないと思っていましたが、いざやり始めると水も肥料もやっているはずなのに葉っぱが黄色くなり、茎の根元のほうから葉が枯れ始めてくる。教科書どおりの育て方では決してうまくいかず、野菜も一つの生き物と考えると、思ったとおりにいかないことにも納得がいき、苦労と試行錯誤の末に迎える収穫の嬉しいこと。
野菜作りに対して、ハードルを高く感じている人も多いのではないでしょうか。日々の忙しさの中、水をやるのすら負担に感じるときもありますが、苦労して育てるからこそ、愛着も湧いてくるんだと思います。
めんどくさがり屋な僕は、水やりをさぼって何度か枯らしかけたこともありますが、反省して水をやると、再び復活するたくましい苗。植物の生きようとする力強さ、栽培の責任を感じた夏でした。今年だけのつもりでしたが、また来年もやりたいと思います。今度は家のベランダで。
(よつば農産・柴田武瑠)

柴田さんのミニトマト。
「写真はぜひ顔入りで」とお願いしたら、
しっかり入れてくれました。若いっていいな。
「うどんこ病」にも負けず
恒例となった我が家の〝きゅうり〟作り。去年、きゅうり専用の鉢も購入したので、今年も土を新しくして準備万端で苗が届くのを待ちました。
苗が届いたその日にすぐ植え、茎の周りに土を盛り、植え付け完了。2、3日で葉っぱも増え、10日後にはツルも伸びてきたので絡まないように棒を添え、育て方に書いてあるように、土から5段目までの葉っぱも取り様子を見ていましたが、連日雨が降り、車庫に入れたり出したり…。
そうこうしていると、葉っぱに白い斑点を見つけ、「うどんこ病」を疑い、広がらないように葉っぱを取ることに。やがて黄色い花が付き始めたので、虫さんに受粉させてもらいやすいように、定期的に向きを変えるようにしました。長い梅雨が明けたら今度は猛暑が続き、水やりは朝昼晩と欠かせない毎日。
「うどんこ病」にも負けず、きゅうりが実を付けたときの喜びはひとしおでした。実は大きくなるのが早く、驚くほどです。例年より収穫できた本数は少なかったのですが、採れたてのきゅうりのイボイボは痛いほど。来年もやろう!という気にさせてくれます。
(大阪会員・黒田としみ)

黒田さんのきゅうり