黄金色の土づくり
大橋さくらんぼ園 北海道芦別市:冷凍さくらんぼミックスなど
いつも本当にありがとうございます。北海道芦別市にある1970年開業の老舗さくらんぼ農園、大橋さくらんぼ園です。芦別は北海道のほぼ真ん中。四方を山々に囲まれ、街面積の約88%が森林で、夜になれば、澄みきった空の星が降り注ぐように瞬いて見えることから「星の降る里」として知られています。
そんな自然あふれる地域で農園メンバー8名、現在50種類以上の品種、1500本になるさくらんぼの木を栽培・管理しているのですが、その中でも最高級希少品種の高級さくらんぼを全国で唯一、時間無制限で食べ放題ができるさくらんぼ園であり、北海道のおすすめスポットとして雑誌やTVでも数多く紹介されています。
開業以来40年、「質のよいさくらんぼは健康で元気な土から生まれる」という土づくりへの思いを胸に、黄金色の活きた土づくりに取り組みつづけ、化学肥料を一切使用しない有機質肥料のみで栽培しています。そしておいしいさくらんぼが育つように穏やかな音楽を聞かせたり、海底深層水を与えたり、炭焼きで作った木酢を与えたりとこだわり抜いた栽培方法で育てています。その成果もあって、2005年には「全国果樹技術・経営コンクール」で北海道の果樹園では初めての農林水産大臣賞を受賞することができました。
大橋さくらんぼ園は「笑顔をつくる」「思い出をつくる」「感動をつくる」「人をつくる」を理念とし、さくらんぼづくりに励んできました。おかげさまで、30年以上も毎年車で3時間近くかけてさくらんぼ狩りに来られる方、本州から毎週のように飛行機に乗ってさくらんぼ狩りに来られる方、海外から毎年来られる方など大勢いらっしゃいます。なので、私たちは来訪された方々に喜んでいただき、必要とされる限り、今のこだわりの農法でさくらんぼを育て続けていこうと思っております。
例年、さくらんぼ狩りの時期(7月~8月)には1万5千~2万人ほどの来園があります。割合は海外5割、北海道4割、本州1割ですが、今年は海外と本州の来訪者は限りなくゼロに近いと予想しております。北海道の方々もどれだけ来てくださるか今のところ見当もつきません。
実は、温暖化の影響で一昨年と昨年は春の霜の被害に遭い2年続けての大不作でした。「今年こそは1年間の努力が実ってほしい!」とスタッフと共に願っていたのですが、その願いも叶いそうにありません。悲しいですが、このままだと3年続けて売上も半分以下となるだろうと予想しております。しかし、来られる方が少ないからといって、もちろん栽培管理の手を抜くわけにはいきません。皆さんの笑顔を思い浮かべながら、おいしいさくらんぼが育つように日々向き合っていきます。
困難の中ではありますが働くスタッフ一同、励んでまいります。今後とも大橋さくらんぼ園を応援いただけますよう、よろしくお願い致します。
(大橋正数)
50種類以上の品種を育てています
スパイスは鮮度
日印食品開発 三重県四日市市:マハラジャのだいどころカレー、手焼きナン
ASEANの中でも、カシューナッツ産出国のインドとその周辺地域では、主に、玉ねぎ、トマト、カシューナッツ、塩、スパイス、油でカレーを調理されます。私たちは30年間ぶれることなく、無添加、グルテンフリーのインドカレーと、その奥にあるインドの食文化の忠実な再現に努めています。
「お母さんのカレー」「給食のカレー」「あの食堂のカレー」…カレーにはひとりひとりの想い出があります。一方、安くて、早くて、おいしい、レトルトカレーは楽しいキャンプシーン、ひとりの家食、備蓄品など、その用途も多岐にわたります。これら多くのカレー、共通点がひとつだけあります。「スパイス」です。カレー粉とか、香辛料などと表示されているものも、原料には必ずスパイスが使用されているのです。
私たちはスパイスの一部を、マレーシアの商社を通して輸入しています。私も年に何度も訪問していますが、首都クアラルンプールは交通渋滞がすさまじく、商談相手が1時間遅れるなどは普通のこと。「約束の時間」というのは存在しないと痛感しています。毎回、待たせたり、待たせられたり。しかし、マレーシアのスパイスの品質は素晴らしく、鮮度がよく、香り、色なども抜群です。
なぜスパイスの鮮度が重要か? 特には、スパイスは加圧加熱すると、風味は飛んでしまうので、レトルトカレーを作るときは、鍋で作るカレーの数倍のスパイスが必要です。しかし、あまりスパイスを大量に使用すると今度は苦みが出てしまう…量を最小限にするには、鮮度の良さがポイントになります。もちろんカレーになった時の仕上がりも全然違います。
新型コロナウイルス感染症は、皆さまにもさまざまな影響があったことかと存じます。心よりお見舞い申し上げます。私どもも、原料輸入に関して、ここ数か月、マレーシアがロックダウンとなり、完全にストップしてしまいました。しかしながら、設立当初よりお付き合いのある商社が、スパイスをインドから輸入し、確保してくれていたことで何とか持ちこたえることができました。
今は、皆さまにカレーをお届けできていることが、私たちの幸せです。
(金森祐子)
クアラルンプールの風景
難しい、だから面白い。
北摂協同農場 大阪府能勢町:摂丹百姓つなぎの会の地場野菜
能勢町は里山とよく呼ばれ、まだまだ緑と畑がたくさん残る場所です。6月には蛍を眺め、7月には濃く力強い緑に囲まれます。虹がよく見られるのもお気に入りです。
私の両親は、まだ有機農業の珍しかった30年以上前から能勢で有機農業に取り組み、よつ葉に出荷し、会員の皆さんに長い間支えていただいています。有機農業を理解してくださる地域の方々や、お客さんはもちろん、出荷場で元気をくれる北摂協同農場の方々はなくてはならない存在です。現在は両親と私たち夫婦、スタッフ1名の5人で10種類ほどの野菜とお米を栽培しています。
私は26歳で農業を始め、簡単に見えていた農作業はこんなにも技術と知識が必要だったのかと驚きました。そして想像以上の肉体労働に泣きそうになったり、ヘビや野菜につく大きなイモムシを見ては悲鳴をあげる毎日でした。思い返すと笑ってしまいます。
日々の作業で大変な事をあげるときりはありませんが、畑で思いっきり身体を動かすのは気持ちよく、野菜については知れば知るほど面白いです。もうすぐトマトの収穫も始まり、大雨や台風、酷暑と、気の抜けない季節がやってきますが、頑固で努力家の主人、60代とは思えないパワフルな両親と一緒に、良い野菜を皆さんに届けられるよう頑張りたいと思います。
(原田ふぁーむ・荒木沙蘭)
十勝から熟成じゃがいも
村上農場 北海道河東郡:じゃがいも・豆
大規模農場の三代目です。父から受け継いだ後、17年ほど前に農薬や化学肥料を控える、不使用とする栽培を始めるなか、低温下でのじゃがいもの味の変化に気が付き、〝熟成じゃがいも〟の味つくりを始めました。それ以後50種類を試し、今年は16品種を栽培しています。全ては味の追求のためです。
豆は20品種を栽培しています。豆は通常、収穫後は問屋に引き取られ、加工調整(選別や磨き)を行い製品になりますが、その場合、地方産のお豆として扱われるために、消費者はその豆を誰がどうつくったのか、知ることはできません。特に豆は前年度産の古品でも、出来が良ければ高額に取引され、生産年度を明かされないことも多い不透明な品目です。
そこで私たちは、収穫した豆を手作業で選り・磨き・袋に詰めることで、栽培した豆を直接お客さまにお届けすることにしました。ただ、豆選りには大変な労力と時間が必要です。また、栽培においても花豆などの一部在来種の豆は蔓が7メーターほどまで伸びるため、竹の手を四本一組で紐で組むなど、重労働です。
現在、私たちの農場では3万本もの竹を使用しており、これらは、とても家族経営で賄える労働量ではありません。私たちが冬に熟成じゃがいもの販売を行うことから、スタッフの年間雇用が可能なために成り立ちます。作付けや輪作なども含め、私たちの仕事はまるでゲノムのように支えあって成り立っています。今後も十勝の大規模の農家だからできる丁寧な仕事を追求し、手間暇惜しまず、皆さんに喜んでいただける農業に挑戦し続けたいと思います。
(村上)
左が農場長の村上知之さん
ながされず考えること、感じること
北海道アンの会 鈴木秀利
今年はオリンピック開催という大きなイベントがあるはずだった日本、それが2月からの「新型コロナウイルス」で一年延期となった。毎日報道されるニュースは数字ばかりを前面にだし、恐怖を煽るような報道。多くのしがらみで後手にまわる政府の対応。たしかに未知のウイルスに皆が恐怖し対応に苦慮するのはわかる。このような時こそ垂れ流される報道や情報を鵜呑みにせず自分でしっかり考え判断をしていかなければならないと感じた。
私事ではあるが昨年から風邪をひかなくなったのである。毎年2月は必ずと言っていいほど1週間くらい風邪をひく。咳、鼻水などが長く続く。それが今年はひかなかった。
北海道では雪まつりの時期から「新型コロナウイルス」の報道がされるようになった。自分も基礎知識がなく、お店も営業しているのでかかるとみんなに迷惑がかかると思っていた。さて、どう対応したらいいものかと思い、まずは自分自身の生活を見直してみようと。そこで思ったのが食べること、寝ること。食はある程度気を使っていたので次は睡眠だと思い、可能な限り7~8時間は寝ようと考えたのである。それまでは割と遅くまで起きていた。もともとテレビは見ないのだがネットは多く利用していた。それも9時以降はやめようと決めた。結果、早く寝ると早く目が覚め、体調も良い。気づくと毎年定期的にひいていた風邪もひかなくなっていた。花粉症ではないのだが鼻水もすっかりでなくなっていた。
病気になれば病院へ行けばいい、薬を飲めばいい、ワクチンを打てばいい、そんなふうに考えているうちは全くの解決にはならないような気がする。まずは、今の生活スタイルを見直してみてはどうだろう。日が昇ったら起きる、日が沈んだら寝る。それは不可能としても、少しは季節や太陽の動きに沿った生き方をしても良いのでは。
農村にいると畑仕事の間は多くの人には会わない、日が昇っては行動し、日が沈んでお家へ帰る。春に種をまき秋に刈り取る季節や天気を感じながら過ごす毎日である。都市生活の中では難しい部分もあるが、可能な限りそれらを感じながら、年中、同じ物、同じ時間があると思うのは捨て、日々の季節、時間に感謝、感じながら生活したいものである。
今年も「北海道アンの会」より大根、キャベツ、トマト、とうもろこし、メロン、南瓜、玉葱、馬鈴薯などお届けいたします。
定植を終えた南瓜畑
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