長崎大学熱帯医学研究所の山本太郎教授は「なぜ、ある感染症が流行するのか。僕たち研究者はウイルスの種類や特性を調べ、原因を突き止めようとしてきました。しかし、僕は最近、実は逆ではないかと考えるようになりました。流行するウイルスを選び出し、パンデミックへと性格づけるのは、その時々の社会のあり方ではないか」と言っています(3月29日付読売新聞)。
つまり、武漢という揚子江中流域の人口1200万の大都市で発生し、それがイタリアのミラノへ飛び火し、後はヨーロッパ、アメリカへと広がりました。まさかミラノのファッション産業が武漢の縫製業によって支えられているとは知りませんでした。前のSARSの時はアジアの病気で終わりましたが、今では中国は世界のモノの中心地になっていて、結果的に新しい感染症の中心地になったわけです。
ヨーロッパではドイツが医療体制を維持し、スペインやイタリアなどと同じくらいの感染者を出しながら死亡率は1/3におさえています。「早期に大量の検査をして感染者の隔離を進めたうえ、集中治療のための病床が十分にあった」からだそうです。ドイツの集中治療病床は人口10万人当たりで33.9、スペイン9.7、イタリア8.6、そして日本は約5床とお寒い状態です(5月1日付朝日新聞)。
もうひとつ気になるのは世界中どこでも現代人の免疫機能が低下しているのではないかということです。ウイルスは細胞に入り込んで初めて自己増殖します。だからその前に免疫でたたかなければなりません。呼吸器系であればまず鼻で撃退して鼻水で洗い流し、次に喉で闘ってクシャミで追い出します。発熱するのは免疫機能を高めるためです。肺にまで入ってしまうのは、鼻や喉で追い出せなかったからだと思います。味覚や嗅覚に異常が出るのはおそらく鼻や喉の細胞に侵入されながら免疫がほとんど働いていないのではないでしょうか。
免疫を弱めるのは3つ。「バランスの悪い食事」「疲労」「ストレス」です。食事で忘れがちなのがミネラルとビタミンです。果物ばかりでなく野菜にもあります。しっかり野菜をとることです。疲労回復には何より睡眠です。眠れなくても横になっているだけで体は休まります。くよくよせず、ゆったりと過ごすことでストレスはなくなります。また「笑い」も大事です。
きらら20年の実績と総力を集めて
きらら摂津峡完成
日本の主食はお米です。誰に聞いても多分そう答えるはずです。東西南北、最果ての岬の先端に住んでいてもきっと主食はお米です。
縄文時代後期に稲作が始まった頃からお米はわが国において主食の座にありました。しかしながら日常的に私たちの口に入るようになるための道のりは平坦なものではありませんでした。そして長い時間を経てようやく名実ともに主食となりえたのは、昭和も40年代に入った頃のことです。しかし皮肉なことに時を待たずにそのお米が余りだし、かの減反政策が昭和45(1970)年以降に始まりました。作りすぎてしまったのです。毎日白いお米を食べたいという願望が実現した途端に、米余り、米離れが始まるという事態が起きてしまいました。
ぼく自身は昭和の33年生まれで、この皮肉な時期に育ちざかりとして何の屈託もなくお米を食べて過ごしてきました。確かに世代的に「白米願望」は希薄ですが、「米飯」の恩恵に有史以来どの日本人よりも預かっています。そんなぼくらの主食はやっぱりお米です。何が有ろうと無かろうと。
(ハム工場・佐藤雄一)
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