腸内環境は健康の要
高畠納豆 山形県東置賜郡:高畠大粒納豆・小粒納豆など
山形県から、納豆づくりを始めておかげさまで創業64年。高畠納豆と申します。農家との結びつきを大切に、皆さまに安心して食していただけるよう、「顔の見える」国内産大豆にこだわった納豆をお届けさせていただいております。
連日のコロナ騒ぎで納豆の需要が高まっております。『納豆やヨーグルトなどを食べると免疫力が上がってコロナにかかりづらくなるらしい』という話を耳にします。本当でしょうか? 私にもよくわかりません。
医学博士ではないのでめったなことは言えませんが、一般的に免疫力強化の一因として腸内環境を整えることがあげられるそうです。納豆を食べて期待できることといえば①納豆菌が腸内で善玉菌が増える助けをすること。②大豆が多く含む食物繊維が腸内環境を整えること。の二つです。①については、納豆菌は直接善玉菌として働くのではなく、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が活躍する場を整える役をするといわれております。ですのでヨーグルトや漬物など乳酸菌の含まれる食べものも一緒に日々の食事に取り入れていただくと、より納豆が生きてくると思います。②については納豆を50g食べることで一日の必要量の1/6の食物繊維を摂取することができるそうで、老廃物の排泄に役立ちます。
納豆菌が体内にとどまるのは1週間程度、食物繊維もすぐに排出されてしまうので定期的に食べていただくことが必要となりますが、腸内環境を整えることは健康の一番の要です。また、納豆菌が発酵過程で大豆を分解してくれていますので、煮豆で食べるよりも15%ほど栄養成分が吸収されやすくなっているのもうれしいポイントです。
私たちの納豆が皆さまの強い体をつくる一助になればと思います。
(加藤義博)
経木納豆はひとつひとつ手盛り
近代養蜂発祥の地から
桑原ハニーガーデン 岐阜県岐阜市:国産百花蜜
飛騨は「山の国」、美濃は「水の国」と称されるように、自然環境に恵まれた岐阜県は、近代養蜂発祥の地でもあります。1960年に先代が転地養蜂家として鹿児島・岐阜・北海道へと蜂と共に移動する天然はちみつの採集と販売からはじまり、現在は定置養蜂で採蜜をしております。
採蜜時期は毎年、花が咲きだす4月後半から6月中旬頃まで。今年は4月18日が初めての採蜜(掃除採蜜)になりましたが、寒暖差の影響で花の咲き具合が悪く、少し収量が少ない出足です。
ミツバチは蜜がなくなると死んでしまう生き物。花が咲かない時期は、砂糖を焚いて巣箱に入れ、ハチはそれを餌にして越冬します。なので、最初の採蜜は栄養価のない砂糖だけの蜜、2回目からが花の蜜を吸ったはちみつの採集になっていきます。岐阜県では山桜、クロガネモチ、シナのはちみつが主流ですが、巣箱から2㎞くらいまで花を求めて飛んでいきますので、他の花の蜜も混じり合い、それが「百花はちみつ」となります。
純粋なはちみつは20%が水分で残りの80%は主に糖分です。そしてその糖分は40%がブドウ糖で50%が果糖、そしてビタミンやミネラルなどの微量成分で構成されています。その中でブドウ糖と果糖は単糖類という、それ以上分解される必要のないもので、効率よく体や脳のエネルギー源になります。しかも、古代人がミイラをつくるのにはちみつを使っていたという記録があるように殺菌力も備わっており、保存している間に腐敗することもありません。
語りだすときりがないはちみつの世界、これからもハチと自然の関係が生み出す「自然の恵み」をいかに皆さまの健康に役立てることができるかを考えて取りんでいきます。
(松野成皇)
採蜜のようす
旬をいただく。文化をつなぐ。
千葉産直サービス 千葉県千葉市:とろさば水煮缶など
私たちは、すべての原材料で化学調味料やたん白加水分解物、合成食品添加物を使用せず、「旬」の素材の持ち味を最大限に生かした魚缶詰を中心に、自社工場で無添加惣菜をつくっております。「産地が見えるもの、旬のもの、より自然に近いもの」は、スッと身体に染みわたるおいしさがあり、それらを大切に食べることは、何よりも健やかな心と身体をつくる。それを「産直健美(さんちょくけんび)」という商品ブランドとし、想いを大切に日々励んでおります。
千葉産直サービスの看板商品、30年以上続く「トロ缶シリーズ」は、元祖とろイワシ缶の販売が始まってから、現在では〝とろさば缶、とろさんま缶〟とラインナップが加わり、その年の最良の魚であると判断できた原料だけでつくる高品質な缶詰です。
もうひとつは、自社工場でつくる無添加惣菜。1976年創業当初は肉の販売から出発していることもあり、2006年から鴨、豚肉、鶏肉中心に惣菜づくりをはじめました。生産者限定の肉を自社で加工しているので、常に素材と向き合いながらの毎日です。
新型コロナの影響で全く予想していない厳しい時代を迎え、私たちも、どこに視点をおいてものづくりをしていくかも考えさせられます。変わらないことは、これまでどおり、必要としていただける方に、商品をお届けし続けられるよう最善を尽くすこと。そして、今一度地域に根差し、素材と向き合う私たちの規模だからできることを考えていきます。地に足をつけて地に根を張っていきます。
(冨田正和)
スタッフの皆さん
伝統農法と最新機器で泉州水なす
三浦農園 大阪府泉佐野市:水なす、ケール
三浦農園は大阪府泉佐野市で江戸時代から100年以上続く小さな農園です。野菜は家族同然。大切に愛情込め育てています。代々受け継いできた種や技術と最新機器の導入など時代に適応したハイブリット農業に取り組んでいます。
よつ葉で販売させていただいている主な野菜は、水なす、ケール、泉州黄玉葱(なにわの伝統野菜)です。
旬のオススメ野菜は『泉州水なす』です。栽培を始めたのは約60年前。当時から目指していたのは、皮が薄く果物のようなみずみずしい水なすです。昔ながらの栽培方法、土づくりや栽培環境、そして自家採取する種。これらは代々受け継ぎ、未来につなげていくべきものだと思っています。
また、三浦農園ではテントウムシやハチなどの天敵昆虫(害虫を捕食する昆虫)や漢方、微生物、納豆菌、乳酸菌、緑茶成分など自然由来のものを活用した栽培方法や赤色LED、IoTなどの最新機器の導入を行い、化学農薬や化学肥料の使用量を最小限に抑えるために取り組んでいます。
数年前から『無添加水なす米ぬか漬』も販売いただいています。水なす本来の味を堪能していただきたいので、米ぬか、塩(国産)、昆布(北海道産)で色止剤、着色料など食品添加物を一切使用せず製造しています【米ぬかは、よつ葉米・自家栽培米(大阪エコ農産物)のものを使用】。
未来につなぐ農業、そして安心して食べることができるおいしい野菜、加工品をこれからもつくり続けていきます。
(深見麻衣)
左から3人目が深見麻衣さん
高槻市樫田地区から露地野菜をお届け
高槻地場農産組合 大阪府高槻市:摂丹百姓つなぎの会の地場野菜
サッと焼いた万願寺唐辛子を醤油につけてガブリ、またある日にはよく冷えた焼きナスにおろし生姜を添えてビールのあてに。暑い最中、農作業を終えての夕食時、疲れも吹っ飛ぶ至福の一時であります。
私が暮らす樫田地区は高槻市でも最北部に位置し、高槻駅からでは車で約30分も走れば初夏にはホタルも飛び交う自然豊かな標高360mの山村です。寒暖の差が大きいこの地は、野菜、米ともに旨味も格別と評判が広がり、朝市などでもアッと言う間に完売となります。
定年退職してから本格的に野菜づくりに取り組み、全くの素人だった私も8年目になりました。先輩から見ればまだまだヒヨッ子ではありますが、会員の皆さま方から喜んでいただけるよう日々精進を重ね、畑に出かけては野菜たちの顔色を見ながら奮闘しているところです。
栽培している主な野菜は万願寺が200本、茄子が100本程度で、他にもトマト、キュウリ、レタス、キャベツ、大根などといろいろ作っていますが、数量は少なく、ほぼ自家消費が中心となっております。
全てが露地栽培ですので、出荷時期が他の人とも重なるため、味はもちろん、容姿には人一倍気にかけているところです。
万願寺に至っては一番の最盛期に最近の異常気象による猛暑で高温障害による尻ぐされが発生し、出荷にも影響が出るなどして自然との対応の難しさを実感しています。
そんななかではありますが、〝うまかった〟〝最高やねー〟の一声をいただけるよう、よりよい野菜づくりを目指して頑張っていきたいと思っています。
(久保謙治)
ローカリズムを構築しよう!
白糠酪恵舎 井ノ口 和良
新型コロナの感染拡大で学校が休校になると聞いた3月。学校や会社は休業できても牛のミルクは止められない。
日本ではかつて牛乳に食紅を入れて廃棄する生産調整が行われたことがある。牛から横取りした乳を人の都合で廃棄する。こんなことはあってはならない。僕ら手づくりチーズ工房が生産量を少しでも増やせば、全国に300もあるのだから余る量を減らせるのではないかと思い、facebookでチーズづくりを増やそうと呼びかけた。
この呼びかけには生産者よりも一般消費者の方々が多く反応してくれた。自分たちが食べることで少しでも牛乳が無駄にならないのならと自ら注文するだけでなく、取りまとめまでしてくれた。その数は約千セット(4月末)。この善意は酪恵舎に向けられたものでなく、困っている人がいたら助けるという日本人が持っている「助け合い精神」の実践に他ならない。その思いはちゃんとつないでいかなければならない。そこで酪恵舎では外出自粛で最も困窮している飲食店さんの4月、5月の送料を無料にすることにした。
新型コロナの感染はイタリアで爆発的に増加した。その中心はロンバルディア州で、僕らはこの地域からチーズに使う乳酸菌を輸入していたが、町が封鎖され、発注した乳酸菌が届かないという事態が発生。結果的には大幅に遅延して工房に届けられた。世界中のモノが行き来する現代は便利であるが、このような状況になるとたちまち行き詰まってしまう。
日本の手づくりチーズ工房のほとんどが乳酸菌と凝乳酵素を輸入に頼っている。僕らは乳酸菌と凝乳酵素を自給できることを目標に活動を始めた。すぐにできることではないし、採算という面では厳しいけれど、日本のチーズが本当に日本の食文化になっていくのなら避けて通れない課題だと考えている。
コロナ問題はいたずらな自由経済やグローバル化への警鐘だと思う。マスク一つ十分に作ることができず、食料自給率が30%台の日本。地域で賄えるものは地域で賄っていく。国内で回せるものは国内で回していく。ローカリズムのようなものを再構築しなければ国そのものが立ち行かない。
モノも労働力も外国に頼って「成長・競争」などと言っていることがいかに矛盾しているかということに気づく。高齢化や人口減少といった未来に向けて「安定・協生」という経済への転換を図るべきだと。そしてそれを訴えるだけではなく自ら実践していきたいと思う。
Copyright © 関西よつ葉連絡会 2005 All Rights Reserved.