
お互いの暮らしを支え合う
よつ葉の年間予約米
5面「視点論点」は藤原辰史さんです
予約米へのご参加 本当にありがとうございます
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言は、私たちの生活を一変させました。感染拡大を抑制するための自粛は、ある程度必要だとは思いますが、政府が打ち出した自粛要請は、今後の生活への不安と国民同士の分断を生み出したと思っています。国民に痛みをともなう自粛要請を一方的に強いるのではなく、政府の果たすべき役割は、誰もが今まで通りの生活を取り戻せるようにすることだと思います。
そして、私たちは感染を拡げない対策として、マスクの着用・手洗い・うがい・食事・入浴・睡眠など基本的な予防や免疫力を高めることを日々の生活で実行することが重要だと思っています。ウイルスに負けない身体づくりを心がけることも、他の人への感染や身近な人を守ることへもつながると思いますので、私も日々の生活を見つめ直し、しっかりごはんを食べて、しっかり寝ようと思います。
そんなコロナ禍の状況の中ですが、今年もよつ葉のお付き合いのある米産地では、田植えが始まりました。また、地域の特色のある米づくりを応援しようと始まった「よつ葉の年間予約米」への登録の呼びかけもカタログ『Life』120号から始まっています。
年間予約米に登録してもらうことで、会員の皆さんには一年間定期的にお米が届けられ、農家はその分の米づくりと収入が保証されることにつながります。米づくりを通して「お互いの暮らしを支え合う」そんなつながりを目指したのが予約米の取り組みです。
今年もすでに多くの会員さんから予約登録をいただきました。本当にありがとうございます。今年の予定量まではあと僅かとなりましたので、予約登録をご希望の方は配送センターまでお問い合わせください。
(よつば農産・横井隆之)
田植えを迎える弥栄より
やさか共同農場・竹田秀雄
やさか共同農場の米の生産を担う「森の里工房生産組合」は、1997年(平成9年)3月に旧弥栄村で発足しました。事業の目的は、醸造を柱にした加工型複合生産で、弥栄村の地場産業の骨格に据え、原材料の生産部門を担っています。野菜部門と米・穀類部門があり、野菜部門は女性が多く自給畑の延長で栽培を行い、少量多品目の生産が中心です。米・穀類部門は主に男性が担い、米づくりを中心に栽培しています。
発足当初は、無農薬での栽培はなかなかうまくいかず、収量もあまり上がらなかったので、周りの人から疑問視されたりもしました。しかし、徐々に栽培技術も上達し、お米に関しては、「よつ葉の年間予約米」として出荷できるようになりました。標高が高い中山間地での栽培のためか、会員さんにはお米がおいしいと評価を頂いています。設立して20年を過ぎる中、老齢化は否めませんが、新しい生産者も増えてきました。
2020年現在の生産者は、4法人11農家 計15戸で米づくりをします。今、中山間地における農業の取り組みは、離農する農家が集落営農組合へ田んぼを預け、兼業農家もかなり減ってきています。農地を守るために必然的に集落営農に移行していく流れとなっています。また、少なくなってきた米の需要の生き残りをかけて、全国ではブランド米競争が激化しています。
私たち「森の里」の目指す米づくりは、食べる人のことを考えて、無農薬での栽培と、できるだけ農薬や化学肥料を使わずに栽培することです。ですが、年を取ると無農薬での米づくりはかなりきついので、高齢化で無農薬の米づくりをする人が減りました。そこで、隣町の法人に趣旨を説明し、「森の里」のメンバーに加わってもらいました。
予約登録をしていただいた会員さんの期待に沿えるよう、今年もみんなで米づくりに励んでいますので、ぜひ「よつ葉の年間予約米」をよろしくお願いします。

ツツジと代かき風景(島根県弥栄町)
「自分のためのお米」を実感
阪和産直・竹中友広
今の時期、農家である会員さん宅に行くと、いつもはないでっかいトラクターが停まっていることがあります。辺りを見渡してもそわそわした雰囲気。ああもうそんな時期か、田植えという一大イベントを迎えて傍から見る分にはわくわくした気持ちになるのですが、話を聞くと米作りは採算が取れない、でも耕作放棄地にはできないので作らんとしゃあないねんとため息交じりに会員さん。
米作りは採算を考えると割に合わない。理由のひとつは私たちがお米を食べなくなったからです。米の消費量はおよそ55年前をピークに半減し、いまだ減り続けています。生活スタイルの変化が影響しているのでしょうか。自分もつい手軽なパンや麺類などが自然と多くなっていました。そんな僕が改めてお米のおいしさに気づいたきっかけはよつ葉に入り間もないころ、とある場所に援農に行った際お昼に食べたごはんでした。あまりのおいしさに何杯もお代わりしたのを覚えています。普段しない農作業で腹が減ったこともあったのでしょう。そういう時無心にがっついて食べるにはやっぱりごはんが一番。
僕が年間予約米を購入している大きな理由は買い支えるためです。年間予約米の仕組みは予め購入者を確保し、作る量と買取り額を決めるというもの。この仕組みにより農家さんは天候や市況に左右されることなく米作りに専念でき、また生産ロスをなくすメリットもあります。米作りは長い期間を要するので、その年の天候などのリスクにどうしてもさらされてしまいます。そういったリスクを生産者だけに押し付けず消費者も負担すべきだと僕は考えています。
お米は日本の主食で、田園は日本の環境です。誰しもがその文化を残していきたいと思っているはず。一消費者として買い支えることで少しでもその文化を守っていきたい。大そうなことはできないので、視野を狭めてまずできることから。みなさんもぜひよつ葉の年間予約米をお願いします。
ちなみに、よつ葉では毎秋独自に地場産(コシヒカリ・キヌヒカリ)のお米の等級検査を行っています。ここでは検査員により全量(ここ大事です!)が検査されます。面白いことに産地・品種は同じでも、作る人によってできたお米の違いってあるんですよね。産地・品種も大事な要素だけど、やっぱり大事なのは作っている人。一年間自分のためのお米を作っている人がいることを実感できるのも年間予約米のいいところですね。