研修部会 3月の読書&上映会報告
プラスチックごみ削減への模索を始めるために
以前より、『よつばつうしん』に会員さんからお便りをいただき、紙上で議論が続けられている「プラスチックごみ問題」。配達時にポリ袋を使用しているよつ葉としても、改めて海洋汚染の状況やマイクロプラスチックなどについて学ぼうと「プラスチックごみ~日本のリサイクル幻想」というDVDを教材に学習会をおこないました。
内容としては、毎年800万トンものプラスチックごみが海に流入することにより自然環境、とりわけ生態系に多大な影響を及ぼしている現状が報告されていました。
近年では、目に見えるプラスチックごみの問題だけでなく、「マイクロプラスチック」による汚染の影響が注目を集めています。
直径5ミリ以下の微小なプラスチックのことで、自然分解されず長く地球に残るため、魚介類の中だけでなく、いまや水道水や空気中にまで目に見えないかけらが確認されており、オーストラリアの大学の調査では、ヒトは平均すると一週間でなんとカード1枚分に相当する5gのプラスチックを摂取しているという驚きの結論が出ています。
また、さまざまな物質が混じるプラスチックの性質上、リサイクルをして再利用ということもなかなか難しいのが現状です。ただ、大阪大学などのチームが海中でも分解されるプラスチック(原料はでんぷんなどで比較的安く製造方法も簡単)を開発したとの明るいニュースもあります。
さて私たちよつ葉について振り返ってみます。毎週数千点ある商品からご注文いただいた分を、会員さん一人ひとりに仕分けし配達していく上で、作業の効率化や商品の品質保持、衛生面の点からも現状ではポリ袋の使用が必須です。それを踏まえた上で、現状維持ではなくバイオマス素材への変更など検討や努力を重ねていきます。
時代の潮流として、プラスチック製品の削減に取り組むのはもちろんですが、使用済みのポリ袋などを単なるゴミとせず、どのように活用できるかのアイデアを出し合い共有していく。既存の製品の再利用にも目を向け、「モノを大切にする」ということを忘れない。3万人を超えるよつ葉の会員のみなさんと一緒に考え、新たな道を模索していきたいと思います。
(研修部会長/淀川産直・田野浩幸)
よつ葉の職員有志によって自主的に運営されている研修部会。
3月の部会では、プラスチックごみについて学習しました。
写真は教材に使ったDVD「プラスチックごみ~日本のリサイクル幻想」
(企画・製作:アジア太平洋資料センター〈PARC〉)。
「日本のごみはリサイクルされている」という幻想とは裏腹に、
焼却や輸出に依存する実態が明らかにされ、
循環型社会への道筋が探られています。
【第9回】イカナゴ不漁の春に思う
こういう時こそキチンと判断
(京阪産直・釣井寛之)
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