2020年度「よつばの学校」公開講座へのお誘い
食を通じて暮らしを見つめ直す
毎年ご好評をいただき、多くの会員さんの参加を得て開催している「よつばの学校」公開講座。今年度も引き続き「食の学校」塩川恭子さんにコーディネーター・アドバイザーをお願いして、〝食と暮らし〟をテーマに、生産者や研究者、料理家さんなどをお招きし、さまざまな興味深いお話を聞かせていただく予定です。各回の開催日が近づいてきましたら、『今週のお知らせ』で募集します(第1回目の募集は今週です)ので、ぜひご参加ください。
新型コロナウイルスの感染が広がる中で、国内のみならず世界中で混乱が深まっています。よつ葉でも、いくつかのイベントを中止したり、一部商品はご注文をいただいてもお届けできなかったり、あるいはよつ葉の宅配を頼りにしていただく会員さんが増えたり、などなど、これまでとは異なる対応に追われています。
このような事態を前にして改めて感じるのは、「キチンと食べる。キチンと暮らす」ことの大切さ。さまざまな社会・経済活動ももちろん大切ですが、何よりも人は食べることを止めることはできません。そして、「食は自然の恵み」そのもの。そして家族や身近な人と共に食べる(共食)は、人間社会を形作る特質の一つ。食を大切にして、生活リズムを整えてキチンと暮らすことが、人間の抵抗力と基礎体力を高め、ひいては人と人との結びつきや社会的な連帯の力を強めていくことに結び付いていくのではないでしょうか。
しかし一方で、人の生活にとって最も基礎的で当たり前のはずの「食」が、今やコストと効率優先のために不自然にゆがめられ、ないがしろにされているのが現状です。
「よつばの学校」は、そんなバラバラにされた食べものの生産・流通・消費のつながりを取り戻していくための、私たち自身の学びの場として、講座やワークショップ、体験などに取り組んできました。
なかでも「公開講座」は、会員の皆さんや、さらに一般の方も対象に、よつ葉の生産者や料理家さん、研究者や専門家に来ていただくことで、学びとともに交流の場でもあります。
今年度のスタートは、水俣・杉本水産の杉本肇さんにお話しいただきます。杉本肇さんは、水俣病の被害者で語り部だった杉本英子さんの息子さん。水俣の海でちりめん漁を営みながら、自らも語り部として水俣病のことを語り継いでおられます。このような時期だからこそ、食を見つめなおす原点として水俣のことをもう一度捉え返し、考えることから始めたいと思います。
食べものづくりに携わる生産者のお話は、知らないことがいっぱい。本当に興味深く、楽しく学べます。ぜひ、小・中・高校生も含め、ご家族やお友だちも一緒に皆さんでご参加ください。
(ひこばえ・福井 浩)

昨年の公開講座〈特別編〉安部司さん講演会
大阪ガスHugミュージアム(2019.10.5)
現在決まっている予定は以下の通りです
●第1回 5月23日(土)14時~16時 ハービスプラザ会議室
水俣を知る~自然と食を見つめなおす原点として
杉本肇さん(ちりめん生産者、杉本水産)
●第2回 7月19日(日) 寒天は何でできてるの?
小笠原義雄さん(寒天生産者、信州・小笠原商店)
●第3回 9月27日(日) もっと知りたいごまのこと
和田武大さん(炒り・摺りごま生産者、和田萬)
●第4回 11月29日(日) 子どもに安心して食べさせられる食品を
山崎貞雄さん(冷凍お惣菜生産者、ニッコー)
●第5回 日時未定 世界の財産、日本の発酵文化
小泉武夫さん(東京農業大学名誉教授)
*お問い合わせ:関西よつ葉連絡会・ひこばえ(072-638-2915)福井
*第2回目以降のご案内は、『今週のお知らせ』に掲載していきます。お見逃しなく。
※新型コロナウイルスの感染状況によって、各講座の開催が中止・延期になることがあります。あらかじめご承知おきください。
5月号は6面でお届けします。新型コロナウイルスによる感染の拡大を受けて、報告の掲載を予定していたイベント・集会・料理教室などが中止や延期になったためです。5月号をお届けするころにはピークを越えていることを願うばかりです。なかなか先が見えない状況ですが、助け合いながら、力を合わせて乗り切っていきましょう。