履くだけでかかとがきれいに
太陽ニット 奈良県橿原市:かかとツルツル靴下
太陽ニットは、万葉集でうたわれた大和三山の一つ「耳成山」にほど近く、のどかな風景が広がる場所にあります。国内靴下生産量第一位の奈良県橿原市に本社・自社工場を構え、産地内でメーカー同士が高性能、高品質の靴下を目指して競い合い研鑽を重ねてきたことで、国内の靴下生産業界においてゆるぎない地位を築いてまいりました。
私たちのかかとケア靴下は20数年にわたり、数多くのリピーターの方にご愛用いただいている自信作! その中でも「かかとツルツルソックス」は、かかと・足裏から放出されるわずかな水分を高分子ビニールシートがキャッチし、乾燥したかかとに潤いを与え続けます。その保湿力は通常の靴下の約20倍。余分な水分は高分子ビニールシートから放出するので、蒸れの心配もありません。また、防寒性も兼ね備えているので、冬の寒さ対策にも最適です。
私も愛用しているのですが、お風呂から出て朝まで、乾燥のひどい冬場は手放せなくなってしまいました。しかも、リピーターの方からは「長持ちする」という声をよくいただきます。内側は温かい毛混糸、外側は破れにくく毛玉のできにくい綿混糸を使用したこだわりの二重構造。履き心地はもちろん、耐久性も細やかに計算されている、職人の技術がつまった靴下です。
自分用だけでなくプレゼントとしても、さまざまなシーンでお役に立てればと思い日々生産・管理に努めております。履くだけでかかとがきれいになる、私たちのかかとケア靴下をぜひとも一度お試しいただけましたら幸いです。
(平山史泰)
かかと保湿フィルム縫製作業
地元の素材の良さを生かした伝統食
小田壱 北海道中川郡:黒光きな粉、片栗粉
小田壱のある北海道十勝は、好評だったNHKの連続テレビ小説「なつぞら」の舞台でも知られ、穀物において驚きの食糧自給率1000%超の農業地帯。そんな良質な農産物に大変恵まれた場所で、80年前から米穀・小麦・豆などに関わる、きな粉・乾麺の加工品を主力に日々励んでおります。
皆さまにご愛顧いただいている「黒光きな粉」。このきな粉の特徴は、甘味と香ばしさが同居した風味と、きめ細やかな舌触りです。まず、時間をかけながら豆の芯までしっかり焙煎することで甘味が生まれ、仕上げの熱のかけ方で香ばしさが生まれます。
また、きめ細やかな舌触りを感じていただきたいので、頑なに手詰めで包装することにこだわります。機械包装だと大量生産は可能になりますが、加工適性を良くするため、どうしても大豆の油分を表出しないようにしなければなりません。つまり焙煎温度を低くする、または粒子を荒くする(口の中でザラつく)妥協をする必要があります。北海道の大豆のおいしさをきな粉を通じて感じていただくためには、時間をかけてでも手詰めする必要があります。
皆さんもご存じの通り、きな粉の原材料は大豆のみで他の添加物などは一切入っておりません。肉以外ではタンパク質が35%ほどと圧倒的に多く、高血圧予防のレシチン・サポニンなども含んでいます。特に、黒光きな粉の原料である黒大豆の皮には抗酸化作用のポリフェノールも含有しています。
私はきな粉の力で皆さまの健康や美容維持はもちろん、大袈裟ではございますが、世界や人類の心を元気にすることができると信じています。
(小田琢一)
豆の焙煎作業
アンデスの自然が育むハーブティー
PTハーブス 東京都世田谷区:有機カモミールティーなど
アンデス山脈に沿って南北にのびるチリ共和国。北は砂漠地帯、最南端から先は南極大陸を望むのみという縦長の国の、ちょうど中央に位置する高原に、カンビアッソ社のハーブ農場があります。
この地域は冬は温暖で夏は涼しいという地中海性気候のおかげで、きわめて良質のハーブの産地として知られます。肥沃な大地とミネラル豊かな清流の恵みを受けて育つハーブは、一本一本丁寧に手で摘み取られ、新鮮さを最大限に保ったまま皆さまに届けられます。
「ガーデン・オブ・アンデス」ハーブティーは、カンビアッソ社の共同体と調和の上に成り立っています。農場は家族的な経営で、1875年から続いています。私たちPTハーブスは25年前から、この稀有なハーブティーを輸入しております。
現地を訪れたとき、案内もクルマを使わず、馬で移動するのには驚きました。徹底して自然を大切にしたハーブ栽培が行われているのだなあと感心しました。
包装は、ハーブの香りを逃さないために個別包装、安全性を考慮し、ティーバッグの留め金には金属を用いていません。ティーバッグの材質は無漂白繊維と安全な酸素漂白繊維との混合素材、外箱には再生紙を使用しています。もちろん、保存料や添加物は一切使用していません。
アンデスの豊かな自然に育まれたハーブの豊かな香りと味わいが楽しめる、宝石のようなハーブティーを、今後とも皆さまにお届けするとともに、現地の人たちとの交流を続けていきます。
(大北計二)
ハーブの収穫風景
我が家に新たな風
北海道・会田さん 北海道訓子府町:玉ねぎ
今、農業では後継者不足の中、今年の春に長男、芳仁が就農することになりました。
4年前、息子に進学か就職かと聞いたところ『俺バカだから農業する』と答えが返ってきました。別に高卒で農業する事が悪い事とは思わないのですが、売り言葉に買い言葉で「バカに教えるほど俺、頭良くないから学校行って学んでこい」と言った事を想い出します。2年間、札幌の八紘学園で農業について自分なりに学んで、自分の考え方とは違う農業を見てきたことと思います。
私も父に25歳の時に経営をまかされ、減農薬栽培を取り入れ、自分なりに世の中の消費者が何を考え、何を欲しがっているのかを考えながら玉ねぎ作りをしてきました。息子に私と同じ事をしてほしいとは思っていません。よつ葉の皆さまに自分の思いが伝わるような、何か目標を持って物作りをしてほしいと思っています。私が玉ねぎをよつ葉に出荷するようになったのは深谷さんによつ葉の思いや考えを聞かされ共感したからです。息子にもその思いや考えを理解してもらい、皆さまに私たちの作った玉ねぎを食べていただきたいと思っています。
我が家に「温かい南風が吹くか」「冷たい北風が吹くか」それとも「竜巻のように周りの物を破壊するか」はわかりませんが、皆さまの食卓に安心しておいしいと笑顔が出るような物作りをこれからも続けていきたいと思います。
春を思わせるようなやさしい風が吹きますように…。
(会田芳典)
会田さんご夫妻
未来に「つなぐ」農業をめざして
あぐりきっず 滋賀県東近江市:米
株式会社あぐりきっずは、2012年1月に花を中心とした新品種の開発を主な業とする有限会社フローラトゥエンティワンの農業生産部門として出発しました。「あぐりきっず」という名は、「いつまでも子どものような好奇心を持って農業がしたい…」という想いを込めてつけました。
現在は大学時代の親友が育成したオリジナル米品種「みどり豊」を中心とした米6ヘクタール、宮崎大学との共同開発で生まれた耐暑性のラズベリータイプの「オウミ木イチゴ」20アールを主に栽培しています。また、日本在来のクルミ(オニグルミ)の国内初の生産にも取り組んでいます。
滋賀県東近江市は米の大消費地である京都や大阪に近く、古くから近江米の名で知られた米どころです。圃場は琵琶湖と山に挟まれた平野部にあり、辺りには水資源に恵まれた豊かな水田が広がっています。
私たちの目指している農業は、「付加価値の高い農産物を生産するとともに、生産環境に投入するエネルギー量を減らし、環境へのダメージをなくし、自然と共存できるようにすることで、大切な農地を少しでもアップグレードして未来に手渡したい」というものです。
コメの生産では、農地の使いまわしではなく2年生産し、1年は緑肥作物を栽培するのみで農地を休ませて十分な有機物を土壌に供給するようにしています。キイチゴは、完全な無農薬・無化学肥料の露地栽培で野性味たっぷりな果実の生産を行っています。オニグルミは、耕作放棄地の再生を目指して、クルミの持つアレロパシーを利用した無除草、そして無剪定で秋に実を拾うだけのエネルギーミニマム果樹生産を目指しています。ひとりでも多くの方に「あぐりきっず」の応援団に加わっていただければ何よりの幸いです。
(坂嵜 潮)
農業生産部門担当の太田さんと黒川さん
サクラエビ漁再開を待ち望む
原浦商店 原 裕喜
「サクラエビ」が生息するのは、駿河湾、相模湾、東京湾と台湾周辺に限られています。その中でも日本国内で漁が行われているのは静岡県駿河湾のみ。
例年、年に2回、4月から6月までの春漁と10月から12月の秋漁が行われていました。ですが、その今まで途切れることのなかったサクラエビ漁が、2018年春の漁期間中から出漁中止となり、そのまま秋漁も出漁禁止に。2019年は春漁と秋漁が行われましたが、ともに試験的な操業に近い状態で水揚げ量も過去最低。近隣の料理店に卸すほどの量にしかなりませんでした。当然、価格も3~4倍まで暴騰しております。
ここ10年、水揚げ量は減少傾向にはありましたが、水産試験場および、専門家の話によると、原因は大きく分けて人為的なもの(獲りすぎによる減産)と自然環境的なもの(海の汚れなど)とがいわれています。黒潮の大蛇行で、卵が潮の流れに乗って相模湾の方へ流れていったというような説もあったりと、確定的な根拠がないのが現状です。
サクラエビは10月の稚エビの状態から翌年の5月には親エビになり、6~8月に産卵し、12月に一生を終えるサイクルを続け、そのサイクルにあわせて漁の期間も決められています。水産試験場では駿河湾を約10のエリアに分類し、一つのエリアに現在卵が何個あるかを算出しながら「卵の数が多いエリアは漁獲して良い」と漁業者に指示を出していきます。そのエリアも現在は3つ。このような厳重な漁獲制限と資源保護を実施しながら、漁業および加工業者の生活を正常に保つのは至難の業ではないかと感じています。
いずれにしても私たち加工業者は2年、3年も待てない状況なのは確かで、駿河湾のサクラエビ漁が正常に再開されることが待ち遠しい気持ちでいっぱいです。
駿河湾のサクラエビ
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