(よつ葉職員から・1面から続く)
仲間とともに
過酷な時代 共に乗り越えて
2018年に続き、昨年も災害が多かった年でした。ここ最近の豪雨と台風による被害の大きさには、自然の驚異を思い知らされるだけでなく、それに対する備えをどうすれば良いのかを考えさせられました。また、政治では安倍政権の隠蔽体質にますます拍車がかかり、身勝手な政治が進められる一方で、消費増税による負担増がより消費の冷え込みを加速させることになりそうです。自然環境だけでなく、私たちの今後の生活も過酷な状況が予測される中、これからの時代をどう乗り越えて行くのかが問われているように思います。
よつ葉憲章にこのような一文があります。「私たちはモノよりも人にこだわります。バラバラにされた生産・流通・消費のつながりをとりもどし、そして人と人とのつながりを作り直します」。この一文が意味することを理解できたのは、配達していた会員さんやよつ葉とお付き合いのある生産者に出会って、ある程度自然体のお付き合いができるようになった頃だったと思います。食べものを通した関係から、一歩進んで一人の人間としてのお付き合いができれば、この一文のように、そこにはしっかりとした「つながり」が築けると、今では確信しています。
これからの時代、普通に生きていくだけでも過酷な社会となるでしょう。だからこそ、つながりのある人たちと一緒に歩んでゆきたい。会員さんと生産者、そしてよつ葉とで手と手を取り合って、これからの時代を乗り越えてゆきたいと思います。もちろん、2020年も一緒に歩んでいける新たな人とのつながりを求めることも忘れずに。
(よつば農産・横井隆之)

PB生産工場の交流会で(2019.9.13)
「労働」の意味を共有する職場に
2020年がスタートしました。別院センターはここ数年、人手不足が恒常的な課題になっています。いくら募集をしても「10連休」「週休2日」が当たり前になり、就職の条件もそれが当然で、それ以外は初めから相手にされないようになっています。
しかし、政府やマスコミが「働き方改革」と煽るほど、それを享受できるのは公務員や一流企業の社員だけで決して多くはありません。
反対に中小零細企業への経営圧迫、またその下で働くパート、アルバイトといった非正規雇用の人たちは収入減で困っているのが実情ではないでしょうか?
本来「労働」とは単なる賃労働ではないはずです。「職場環境」の改善も労使が協力して少しずつ実現していくものだと思います。それが、高度成長を経て労働条件だけが独り歩きしどんどん乖離してきました。特に「働き方改革」という言葉がもてはやされてからは「労働」「働く」といった本来の意義から一層かけ離れてしまっていると強く感じますし、このままいけばどうなってしまうのだろうと考えれば危機感さえ覚えます。
たしかに、よつ葉の各事業所の労働条件は自慢できるものではありません。しかし、「働き方改革」と上から言われたからではなく、一緒に働く中で「労働」「働く」という意味を一緒に考え共有し、そして一緒に職場の環境を変えていけるような事業所でありたいと思います。
(安全食品流通センター 松川泰樹)
今が正念場 応援支えに前向きに
兵庫いきいきコープでは、一昨年来人手不足が続き、よつ葉連絡会の他産直の応援をいただきながら、何とか配送業務をこなしております。このような状況の中で、代表を引き受けましたが、継続して募集はするもののいまだ人手不足の問題は解決に至っておりません。
改めて思うのは人の大切さです。度重なる担当の変更に伴い配送時間に大幅なズレが生じているにもかかわらず温かく見守り、応援してくださる組合員のみなさん。多忙の中、時間をやり繰りして配送を手伝ってくれるよつ葉の産直のみなさん。配送以外の業務も精力的にこなす職員、膨大な事務に笑顔で取り組む事務局スタッフ。力不足を痛感しながらも、前向きに業務に取り組むことができる元気の素です。日々配送するよつ葉の食材からいただく思いも忘れてはなりません。
全ての人、食べものとのご縁に感謝し、「つないでいく」という大切な部分を担っていることを改めて感じています。今が正念場。いきいきコープのみんなと力を合わせ、いつも笑顔でがんばります。
(兵庫いきいきコープ 吉岡 浩)
食から暮らしや社会のあり方を問う
2019~2020年は、ゲノム編集食品が出回り始めた年として記憶されることになるかもしれません。〝ゲノム編集技術を使ったかどうかの検証ができない〟ことを理由に、この技術を使った食品の開発・販売にあたって届け出は任意、表示義務はなし、ということになりました。そこからさらに、この技術で作られた種で栽培された作物が「有機栽培」として認証される、という動きも出ています。つまり、オーガニックだと思って食べた野菜やお米が、実はゲノム編集作物だったということになりかねないのです。ゲノムだけではありません。2020年代の日本社会は、そんなブラックユーモア的で倒錯したことがまかり通る世界になってしまったと、思わざるを得ません。
しかし言うまでもなく、食べものは命をはぐくむ何よりの基本です。私たちよつ葉は、全国の生産者や会員の皆さんと共に、当たり前の食べものづくりを通して、日々の暮らしや社会のあり方を問い続けていきます。今年もどうぞよろしくお願いします。
(ひこばえ・福井 浩)

2019春よつ葉交流会ライブ会場(2019.2.24)