
暮らし脅かす温暖化に歯止めを
持続可能な社会へ
あけましておめでとうございます。昨年は気候変動が原因と考えられる激しい台風やゲリラ豪雨が各地に被害をもたらし、地球温暖化への対策が差し迫った課題として問われていることが実感されました。この課題に対する日本政府の後ろ向きの姿勢が国際社会で非難される一方で、若い世代を中心とした環境運動が世界中で展開された年でもありました。私たちもこの動きに連なり、持続可能な社会を足元から追求していきたいと考えています。
年頭にあたり、よつ葉に関わる生産者・会員・職員の皆さんに「一年を振り返り、新年への想い」を寄せていただきました。今年もよろしくお願いいたします。(編集部・下村俊彦)
末長いお付き合いを大切に
私の子どものころは、お正月はどのお店もお休みで、家族ともゆっくり顔を合わす日。だからこそ、福袋や初売りが今以上に楽しみで、たくさんの意味を持つおせち料理はおいしいかどうかよりも別の味わいを持つものだったように思います。
昔がよかったというわけではないのですが、食べものも風景も変わっていくなかで、最近ではコンビニが必ずしも24時間ではなくなり、大型連休やお正月は運送便も休むというところがでてきました。それはトレンドの「働き方改革」のひとつというより、継続・持続可能な働き方や生産に変えていかなければ自分たちの未来がないことに気づいた動きだと私は思いたいです。
一億総活躍社会なんて、働く女性なんて、少子高齢化云々なんて、安倍さんの言うようなそんな上っ面なものになりたくないけれど、自分たちの暮らす社会や仕事場、地域のことを振り返ると、それぞれがそれぞれの役割で生きること、多種多様な力や条件を認め合いながら、ともに暮らす(活躍する)ことを、建前でなく実現できるようにしなやかでいたいと思います。
「活躍」という意味を経済性・生産性だけで図るのは簡単ですが、それはとても浅はかであることを、今を一生懸命生きる人こそ、当たり前に知っているのだと思います。非効率で無駄に見えることこそ、実際は大切なことばかりですが、たくさんのまやかしや嘘で覆われ、目を凝らさないと見えづらいと日々感じます。
はびこる大嘘を見抜き、突破する力、そして、人もモノも「末長いお付き合い」を大切に、今年も多くの人や会員さんと出会い、共有、学びながら、一年を大事に過ごしたいと思います。今年もよろしくお願いします。
(ひこばえ・福田久美)
生産現場の若い世代に期待
昨年は任期二年目になりますが、よつ葉の生産工場・農場の会議の座長を務めさせていただきました。業種も働く場所も違う会社が集まり情報交換や各社の課題、交流、人材育成についてなど話し合ってきました。
一年目は右も左もわからずに周りの方に助けていただき、二年目は衛生管理や交流会を進めるなど形になることもあれば、「よつ葉の工場CLUB」のように開催できずに終わってしまったこともありました。各社が協力し合い進めることの難しさを感じた年でした。
協力し合い物事に取り組むということは、よつ葉の大切にしてきたことです。よつ葉自身も産直や生産者、消費者が協力し横のつながりで育ってきたと思います。しかし、働き方改革、人手不足、物価の上昇などの影響で会社が持続するのも難しい時代に来ていて、よつ葉の生産現場でも少しずつ世代交代が進み、変わらざるを得ない時代です。
食においても製造の効率化やSNSなどのように見栄え重視の風潮が進む中、非効率といわれても作り手の想いのこもった食べものを届けることができるかどうか転換期に来ていると感じています。厳しい時代ですが、よつ葉の生産現場でも志を受け継いで若い世代が育ってきています。力を合わせて頑張っていきますので、新しい一年、温かく厳しい目で見守っていただければと思います。
(本紙編集委員/パラダイス&ランチ・高木俊太郎)
つながる努力 積み重ねて
私は奈良産地直送センターで主に配達の仕事をしております。去年からは、『よつばつうしん』の編集委員になりました。
よつ葉で働くまでは、食べものはお金を出して買うものであり、手に取った商品の向こう側のことはあまり気にしていませんでした。よつ葉で働き始めて、会員のみなさんに届けている食べものや日用品の一つひとつの品をさかのぼれば、当然のことながら生産現場があり、生産者がいて人の想いがある。今までほとんど意識せずに見えていなかったものが見えてきました。
よつ葉憲章のなかに「バラバラにされた生産・流通・消費のつながりをとりもどし、そして人と人のつながりを作り直します」とあります。具体的にどのように行動すればいいのだろうか? 配達の現場で会員のみなさんの声を聴き、できるだけ生産現場に足を運び生産者の声を聴く、自分たちの考えも併せて双方に伝えていく。そうしたことを少しずつでも積み重ねていくしかないと思います。そして、これからも生産者と会員のみなさんが直接会って交流できる場を産直でも作っていきたいです。
そもそも自分で食べるものは、自分で育てて作るのが本来あるべき姿なのではと考えたりもします。みなさんと一緒に食のこと、 自然環境のこと、社会の在り方など考えていきたいです。今年もよろしくお願いいたします。
(本紙編集委員/奈良産直 松本恭明)
(5面・職員からに続く)

グローバル気候マーチ(大阪中之島 2019.11.29)