れいわ新選組の木村英子さんが参議院国土交通委員会で高齢者や子ども連れも利用できる公共施設多機能トイレについて、デパートで1階から7階まですべて入れなかったという体験を紹介して「車いす用トイレに多くの機能をまとめるのではなく、それぞれのニーズにあわせたトイレを複数つくるべきではないか」と訴えました。これに対し赤羽一嘉・国土交通相は「良かれと思ってしたことが、結果として障害をもった方に良くないことはある」と答弁し、さらに木村さんが多機能トイレのスペースが狭いと指摘すると「見直すよう指示したい」と答えました。
「熱狂なきファシズム」が続いてアベ首相はじめ大臣たちも野党議員の訴えに耳を貸さず、それどころかアベ首相は質問者に何度もヤジを飛ばしてきました。すごく不マジメです。そんな国会で、木村さんに対してはさすがにアベ政権の大臣もマジメに答弁しました。これこそ、れいわ新選組の山本太郎さんがこだわってきた「当事者」の持つ力ではないでしょうか。障害者が国会へ登庁する時に介護を頼むと有料になる問題でも見直しが進んでいます。
れいわ新選組は「消費税の廃止」を掲げ、その替わりの財源として「法人税への累進制導入」と「新規国債の増発」をあげています。
1989年の消費税導入から2018年度までの消費税の税収が372兆円で、その間の法人税の減収が291兆円です。さらに、もともと「社会保障の充実のために消費税が必要」と言っておきながら、第2次アベ政権発足以来の7年間で社会保障費は4兆円強も削られました。今回の消費税増税と同時に、幼稚園と保育園の無料化が行われました。これ自体はありがたいことですが、どう見ても小手先の目くらましに思えます。また、企業は7年連続で過去最高の利益をあげ、今や内部留保463兆円にも達しています。それだけのお金がどこにも行けずに遊んでいます。これだけの利益をあげたのは法人減税とは関係ありませんが、ここから291兆円を税金としてもらってもバチは当たらないでしょう。企業がもうかればそこで働く人たちの賃金があがる、ということで、これをトリクルダウン(したたり落ちる)と言うそうですが、そうはなっていません。
消費税は最初から「逆累進性」が問題にされました。2%が重くのしかかる人のための政治を待ち望んでいます。
今年一番印象に残った言葉は、グレタ・トゥーンベリさんの国連演説の中の一言だろうか。「よくもそんなマネができるわね(How dare you!)」。気候変動による破局が迫っているのに「おカネや永遠の経済成長というおとぎ話」を語る大人たちに、16歳の環境活動家はそう言ってのけた。
応援したいと思う。
とはいえ、いい歳をしたオッサンが彼女のような一言を放つのは難しい。近所の居酒屋で隣の席もオッサンだとする。「来年の景気やタイガースの話ばかりでええんやろか?」と言えるだろうか。まして持続可能な社会について語り始めたら、この人はついにいってしまったのだと思われるかもしれない。
多くのオッサンは、ハードでダーティな競争社会を生き抜いてきたと自任している。そういう人は、他人の話をきれいごとだと決めつけがちだ。結構だ。まさに私はあえてきれいごとを言おうとしている。もちろんオッサンにはきたない世界を愛する自由がある。だが、地球環境を巻き添えにする権利はない。
(編集部・下村俊彦)
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