配達中に見かける中学生や高校生、さらに若いお母さんたちに小顔の人が増えているように思い、カミさんに話すと「そうなのよ。あんなちっちゃい頭でちゃんと生きていけるんだろうか」と返ってきました。そうなんだ、顔が小さいということは頭が小さいわけで、その中に収まっている脳も小さいわけです。かつて脳外科の看護師をしていた彼女らしい見方です。
石田紀郎さんは京都大学を退官したあともNPO法人市民環境研究所をつくって活動していて、現役の大学生相手に農薬ゼミも続けています。その石田さんの最近の口グセが「せめて30秒は考えろよ」なんだそうです。学生たちに何か質問するとすぐにスマホを叩いて30秒もかからないうちに正解を答えてくるため、会話にもならないし、議論にもならない。つまりゼミにならないわけです。「だから、すぐにスマホにいくのはやめて『せめて30秒は考えろよ』と言うことにしている。30秒でいいとは思えないが」と言ってます。
アマゾンは顧客に対しておすすめ商品を提示した時点で受注を待たずにその商品の発送作業を始めるそうです。そこまでして早く届けて客に喜んでもらうためなんでしょうが、それでほとんど間違いがないということに驚きます。アマゾンのAIがかゆいところに手の届くようなおすすめをしてくれるからつい注文をしてしまうのでしょうが、「せめて30秒は考えろよ」と言いたくなります。
200万年前に原人が枝分かれし、さらに旧人、そして私たち新人(ホモサピエンス)が枝分かれして人類は進化してきました。原人も含めて人類の進化の大きな特徴は脳が大きくなり続けたことと、アゴが小さくなり続けていることです。特に私たちの脳は単に大きくなっただけではなく、おでこの部分、前頭葉が異常に発達しています。つまり欲ばりなんです。
まだ仮説なんですが、今、人類の脳は小さくなりつつあるそうなんです。1万年ぐらい前に文字が発明されて、脳の役割が外部化されたことが影響しているようです。今では人類は考えることもしなくなっているから、外部化はさらに進んでいます。
一方、アゴの方は相変わらず小さくなり続けていて、今度小学4年になった孫息子は永久歯の生え変わりで、生えるところがないような歯を抱えて困っています。
新元号が「令和」に決まった。日本の元号は「平成」までの247すべてが中国の古典を典拠としていて、日本の古典から引用されたのは初めてだとのこと。「令」は清々しい、「和」は和やかという意味を持つそうだが、「平成」に慣れすぎたのか?何ともしっくりこない。冷たいイメージさえ覚える。
誰だったか忘れたけど、「命令の令でもなく、法令の令でもない。良き柔らかな時代を皆で助け合って協力すべしということ」とテレビで言っていた。しかし、「上からの命令に従っていれば平和でいられますよ」と今の政治のあり方を物語っているようにも思える。
ともあれ、多くの人が昭和生まれだと思うが、「昭和」「平成」「令和」と3つの時代を生きるという貴重な体験をしている。戦争を体験した「昭和」、異常気象で災害が続いた「平成」。果たして新しい時代「令和」はどんな時代になるのだろうか? 平和で穏やかな時代であってほしい。個人的には悔いのない時代を過ごしたい。
(よつば農産・笹川浩子)
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