今までになかったほどの患者が出たインフルエンザが峠を越して、少し春めいてきたと思ったら今度は花粉症が一気に広がりました。はたから見ていても気の毒でなりません。
花粉症は言わば免疫の暴走です。インフルエンザウイルスに対して十分に働いてくれないのも困りますが、逆に人間に対して有害でも何でもない花粉に対して過剰反応するのも困ったものです。去年まで何ともなかったのに今年になって急に出てきたなんてこともあります。花粉が増えたからとか、ついに許容範囲を超えたとか、いろんな説がありますが、それよりも去年までは免疫が正常に働いていたのに、今年は調子が悪くて暴走してしまったと考えた方がいいでしょう。やっかいなのは花粉に対していちど抗体ができてしまうと来年もまた反応してしまうことです。
免疫によくないのは「疲労」と「ストレス」と「栄養失調」と言われます。疲労に対しては何よりも寝ることです。かつて「ラジオ深夜便」で京都の有名なお医者さんが「眠れなくてもいいから横になっていてください。体が休まります。眠りは脳が求めているもので、脳が疲れていなければ眠る必要はありません。横になっているだけで体の疲れはとれます」と言っているのを聞いてから、気が楽になりました。とにかく寝るようにしています。
現代社会はストレス社会と言われるぐらいですから、現代人の免疫が全般的に調子悪いのは仕方ないかもしれません。
今の世の中に「栄養失調」なんてあるんですかと言われそうですが、「飽食」は今や「呆食」にまで達していてひどい状態です。免疫というのはタンパク質とタンパク質の戦いです。ウイルスや細菌が持っているタンパク質(抗原)に対して免疫細胞がそれを攻撃するタンパク質(抗体)を即座に作って撃退します。タンパク質は22種類のアミノ酸を100個以上つなぎ合わせて作りますから、まずは多様なアミノ酸がそろっていなければなりません。いろんな肉や魚を食べること。また、ビタミンやミネラルがなければ思うように抗体を作れません。いろんな野菜や果物を食べること。
膠原病(自己免疫疾患)を食事療法で治した人がいます。自己免疫疾患というのは免疫が暴走して自分の体(タンパク質)を攻撃するのですから花粉症よりやっかいです。やっぱり食事がいちばん大事です。いちどかかったら治りにくいのですが、治らないわけではありません。
うちの家では、ねこが居て一緒に暮らしています。お腹が空いた時にご飯を食べ、寝たい時に寝る。急に高い所に登ったり、好きなところで爪研ぎしたりと、まさに今を生きている。ねこをみていると、羨ましくもあり学ばされることがたくさんあります。
特に、常に鼻から吸って鼻から吐く「鼻呼吸」をしていることは見習わなければと思わされます。鼻は天然のマスクと言われるぐらいに、空気を温めながら加湿してホコリやウイルスなどが体内に入るのを防いでくれます。一方、口呼吸では乾いた冷たい空気、異物が体内に入っていきます。
そのために、アレルギー疾患や口腔疾患、腸疾患、風邪など多くの病気と関連しているという話を聞いたことがあります。
そういえば、私が習っているヨガでも鼻呼吸が基本です。病気になりにくい、睡眠の質が高まる、免疫力アップ、自律神経を整えるなどさまざまな効果があるようです。なるべく病気にならずに生き活きと健康で暮らしていきたい。うちのねこを見るたびに自分の呼吸を見つめ直しています。ねこ師匠、いつもありがとうございます。
(奈良産直 松本恭明)
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