近眼のため中学生の時にメガネをかけて以来ずっとお世話になってきたのですが、50歳過ぎた頃から老眼が出てきて、新聞や本を読むときはかけない方がよく見えるようになりました。新聞好き、本好きには大変ありがたいことで喜んでいました。ただ、今度はかけたりはずしたりという新たな苦労が生まれました。運転する時はかけて、会員さんのお宅に到着して伝票を見るときははずすの繰り返しで、置いたメガネが豆腐や玉子などを取るのにジャマになったり、そのうちどこへ置いたかわからなくなったりといろいろありました。そこで、ひもで首からつるすのもやってみましたが、かがんで作業するときにはやっぱりジャマになって、いつのまにかメガネは車のフロントガラスの所へ置きっ放しになって、メガネなしの時代が何年も続くことになりました。
一方、これも加齢のためだと思うのですが、だんだんと物忘れが出てくるようになりました。毎週土曜日に港区のカミさんの所に帰って、日曜日の夕方に小野市のふえろう村の宿舎に帰って来るのですが、その都度何かを忘れるようになって、ハンコを忘れて週日に取りに帰ったり、クスリを忘れて宅急便で送ってもらったりと大変でした。もっと大変だったのは、ある日、同じ港区に住んでいる娘と体育館のあたりでばったり会ったときに、向こうは親しげに声をかけてきて(当たり前ですが)、こちらもよく親しんだ人だとはわかったのに誰なのかわからなくて、ア然としました。娘の顔も忘れるなんて!
一昨年の12月、運転免許証の更新に行ったところ、メガネをかけても視力検査が全然ダメで、その日は出直して小野のビジョンメガネへ行ってメガネを作り直して、次の日に無事パスできました。
それからです。メガネをかけ直してみると世の中は明るくなるし、細かい所もよく見えるし、何よりも脳の働きが活発になってくるのがわかりました。世の中がボーとしか見えてないと頭の中もボーとしてくるんですよね。もちろん、物忘れがなくなったわけではないのですが、明らかに減っています。町で娘と会ってもすぐにわかります。
再び、はずしたりかけたりのわずらわしさにつきあわされていますが、今回はカミさんが腰にぶらさげるメガネ入れを見つけてきてくれて大変重宝しています。ただし「あれは私のために買ったのを横取りされた」と本人は言ってますが。
以前、宮崎日日新聞の外前田さんに高千穂の佐藤マリ子さんが新聞に「種子」に関する連載コラムを書いていたと教えてもらい、宮崎県のご自宅を訪ねた。
佐藤さんはバングラディッシュのUBINIC(女性の地位向上を目指して活動している団体)の集まりに参加。近代農業によって傷ついた農地の再生を目指して、化学農薬を使わない昔ながらの混作(多品種栽培)農業に取り組んでいるとか。もともと、現地の稲作はいろんな品種を作付けしていたが、政府の推進するハイブリッド米(雨季も乾季も米が作れる)を植えるようになると、乾季の水の確保のため灌漑設備が必要になり、地中の砒素が地表に出てきたそうだ。
昔から種を守るのは女の仕事だったそうで「災害のあとの支援は何がいいか?」と聞かれたとき、女たちは種子がほしいと言ったとか。この種子センターは、竹の家屋で、壷やビンに種子を保管、女たちによって運営されているとのこと。この佐藤マリ子さんが2月24日のよつ葉交流会の「種子の懇談会」に来てくれる。一度話を聞いてほしい。
(連絡会事務局・田中昭彦)
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