2018年も地震、相次ぐ台風などによる豪雨、そして全国的な酷暑と、自然の猛威にさらされました。毎年のようなこれらの災害は、確かに自然が引き起こすものではありますが、それだけでなく、戦争や原発、地球資源の消尽も含めた人間社会による自然破壊が、災害をより過酷なものにしているように感じられます。ところが日本の政治は、原発も含め自然破壊と巨大開発を止めようとしません。
これらの自然災害とTPPなどの経済効率優先の政策、さらに高齢化などにより農林漁業はこのままでは成り立ちゆかないような厳しい状況に直面しています。そして食べるというヒトという動物のもっとも根源的なことすらもますます工業化・産業化され、地元で採れる旬のものをいただく、というごく当たり前のことが困難になっています。
11月にはよつ葉のごま製品の生産者が、「国産」を謳いながら海外産のごまを混入させていたということが発覚しました。『よつばつうしん』にも国産ごまの厳しい栽培状況を書いてもらってもいただけに、力不足も含め、残念無念な気持ちでいっぱいです。会員の皆さまには改めてお詫びいたします。そして、生産者との関係において不十分なところはないか、見つめ直しを図っているところです。
しかしだからこそ、よつ葉としては消費者・生産者との直接的なおつきあい、本当に信頼しあえて何でも語り合える関係づくりが大切だと感じています。2月23日・24日の「2019春よつ葉交流会」は、全国の生産者と会員の皆さまが一堂に会する絶好の機会です。ぜひたくさんの皆さまのご参加をお願いします。
そして、毎週の『ライフ』をはじめカタログにおいても、生産者の様子や思いが伝わり、皆さまの暮らしの気づきやヒントになり、知りたいことが分かりやすい誌面づくりを進めます。どうぞ、率直なご意見、ご感想、ご要望をお寄せください。
(ひこばえ・福井 浩)
昨年は、ここ数年の災害状況がさらに全国的になり、被害の大きさが際立った一年となりました。生産現場では被災して収穫量が激減するところもあり、9月の台風21号の時には、よつば農産でも数日に及ぶ停電のため、会員さんのところへ出荷する作業にも大きな影響が出てしまいました。
世界的にも常態化してきている異常気象が、かつてないほどの猛威を振るうことに対して、私たちは真剣に考えなければならない時代に入っていると痛感しています。
国連では家族農や小農が見直され、国際的な取り組みとして「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言」を採択し、2019年から「家族農業の10年」を呼び掛けています。しかしながら日本では、世界の潮流に逆らうような政治体制から抜け出せていません。
国土の約7割が中山間地であり、その風土の中で農業が続いてきた小農中心の日本であるにもかかわらず、生産現場から乖離した新自由主義的な官邸主導の農政のもとで、種子法廃止などにみられるように国民の食糧主権をないがしろにする政治姿勢は、今回の国連採択を棄権するという対応にも如実に現れています。
行き過ぎたグローバル経済が世界的な環境破壊、資源や人権を収奪している事実に向き合い、常日頃から生活の中のさまざまな場面で、私たちは持続可能な社会に向けて、より良い選択をし続ける必要があります。常態化してしまった異常気象に立ち向かうことは困難を極めますが、それでも自然と多様な生きものとの調和が図れるような関係になれればと、年初の抱負として切に願います。
(よつば農産・森 敦志)
台風・豪雨・地震、昨年は天災の年でした。能勢農場では食堂の裏山が崩れ、倒木が何本も牛舎や倉庫に倒れ込みました。自然と向き合う業はなにも良いことばかりではありません。一方でこうしたリスクとも向き合っていかなくてはならないことを改めて考えさせられました。
今、能勢農場では昨年の豪雨で土砂にのみ込まれた食堂裏の通称「モンブラン広場」の改修工事に着手しています。株主総会や林間学校など、1年に何百という人たちが農場を訪れ、農場設立以来、それこそ数えきれないほどの人たちが交流してきた場です。
そんな農場にとってはひときわ思い入れのある場所なのに設立以来この佇まいを変えず、老朽化も目立つようになり、「そのうち、そのうち」と思っていた矢先の災害。最初は途方に暮れましたが、設立以来たくさんの人たちの交流の場としてきた大切な場所を、もう一度、復旧させるべく改修を進めています。
農場設立当初、農業や畜産の現場よりもまず最初に作られた場だと聞いています。そして、多くの人たちがこの場を訪れ、交流してきたように、これからもこういう場を大切にしていきたい。そして多くの人たちとの交流を通してつながりの輪を広げていけるよう、今年も頑張っていきたいと思います。
(能勢農場・寺本陽一郎)
旧年中は何かとご協力ありがとうございました。
2018年は地震、大雨、台風と自然の力の大きさを改めて思い知らされたと同時に日々の備えの大切さを教えられました。
そして迎えた2019年。
消費税の増税がいよいよ始まります。いくらプレミアム商品券、ポイント還元でごまかしても消費者にとっては増税の負担が重くのしかかるのは間違いなく、消費は冷え込み、私たちの事業にも大きな影響がでるのは火を見るよりも明らかで、今まで以上に売上が落ちることが予測されます。難しい舵取りを求められます。
また、今年は天皇の交代に関連した行事が多く予定されています。賛成・反対はともかく、これほど天皇を意識させられる一年はないと思います。私は天皇制に反対で、これら行事についても胸がむかむかしますが、せめて象徴天皇、政教分離など「天皇制」について考え議論できればと思います。
この他にも統一地方選挙、参議院選挙もあります。なんとか「憲法改悪反対」の勢力の議席を守らなければなりません。わずかな力ですが、そのために地域の中で声を上げていきたいと思います。そしてあらためて人と人とのつながりを大切にして事業運営、地域での活動に取り組む所存です。本年もご指導ご協力をよろしくお願い申し上げます。
(安全食品流通センター・松川泰樹)
豪雨で被害を受けた地場農家のトマトハウス解体を手伝うよつ葉職員(2018.10.13)
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