十割そば専用工場が竣工
山本食品 長野県長野市:十割そば
今から44年前、山本食品創業者である先々代の社長が、そば粉だけの十割そばの乾麺を造り上げたいという想いで、山本食品の前企業である山本機械工業が行っていた農業機械のメンテナンス、取り付け仕事のノウハウを活かし、そば粉自体に結着力を持たせることができる製粉機械を7年間の試行錯誤の末、開発しました。
十割そばは、手打ちそばでも難しいといわれ、機械製麺においても非常に難しい部分もありました。麺を圧延する途中で切れたり、乾燥させている間に麺が落ちてしまうことがありましたが、職人たちの試行錯誤や経験により、お客さまにおいしいと言っていただける十割そばがお届けできるようになりました。
今年の5月に、長野市から車で30分ほどの飯綱町に新しい工場を竣工いたしました。小麦粉などは一切使用せず、そば粉のみ使用する乾めん用の十割そば専用工場です。
小麦アレルギーの方やセリアック病の方々にも十割そばをお召し上がりいただけるように原料や製品の小麦アレルゲン検査を行っております。また、海外向けの輸出商品の一部では、グルテンフリー認証を取得しているのですが、国内商品の認証取得に向けても現在準備を行っております。
本社工場と飯綱町十割そば専用工場の従業員40名、心をひとつにして、旨いそばを皆さまにお届けできるよう鋭意努力してまいります。
(山本 修)
職人の技術が詰まった機械製麺
味付け加工小魚シェアトップ
オカベ 愛媛県伊予市:味付け加工小魚
株式会社オカベは、風光明媚で海の幸が豊富な瀬戸内海に面した愛媛県伊予市で、昭和49(1974)年に創業し、今年で44年目を迎えました。「素材を活かした味づくり」をモットーに、農水産物加工品の製造販売を手掛けております。
主力商品である「ごまいりこ」「サクサク丸ごといわし」などの味付け加工小魚は、国内シェア約38%と業界トップを誇っております。徹底した衛生管理、製造管理を行うため、業界でいち早く、HACCP・ISO9001を導入し、商品を提供させていただいております。
「無添加食品そのまんま」シリーズは、2004年に発売して以来、累計950万食(当社調べ)を超え、特に健康に気を使われる方々にご好評をいただいております。原料素材の味を活かし、調味料や食品添加物などを一切加えず、素材に合わせた温度と圧力のみで、職人がひとつひとつ丁寧に手作業で焼き上げております。
その風合いは、まるで花びらのように薄く、また食感は「サクッとしっとり」と仕上がっております。そのまま、おやつやおつまみとして、またご購入いただいた方からは、お子さまの離乳食や、サラダやお吸い物にトッピングしている、といった声もいただいております。
従業員一丸となって、皆さんに「健康・安全・安心・おいしい」商品をお届けできるよう、努めてまいりますので、今後ともご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
(八木建多朗)
素材の味を生かして焼き上げる
マグちゃんで洗う「優しいお洗濯」
宮本製作所 茨城県古河市:洗たくマグちゃん
マグネシウムの金属加工に注力してきた開発者・宮本隆が、ふと会社の食堂の隅に置いてあった金魚鉢にマグネシウムの粒を入れた時から「マグちゃん」の開発がスタートしました。
マグネシウムを入れた水槽は、緑色の藻があまり付かず、付いたとしても直ぐに落ちることに気が付いた開発者は、金属のイオン化傾向により水素を発生しながら生成された水が、アルカリに変化したのだと考えました。元来アルカリに洗浄力があることを知っていたので、洗濯に応用できないか考え、自宅の洗濯機で来る日も来る日もテストを行いました。そして「洗剤を使わないお洗濯〝洗たくマグちゃん〟」の市販品が完成。金属加工が専門の会社が、製造メーカーとして産声を上げた日でした。
販売スタート時は、小売店バイヤーから、「洗剤が売れなくなるからいらない」と門前払いの日が続きました。しかし使用者の目線から、「洗剤を減らすコスパ」を提案していくことで少しずつ認知されていき、翌年には「ベビーマグちゃん」を発売。ようやく〝洗剤を使わないお洗濯〟という当社のコンセプトを認知していただけるチャンスを得ました。
そして昨年9月に開発した新商品の、海外用の姉妹商品がフランス最大の世界的オーガニック展示会で晴れて金賞を受賞。一歩一歩ではありますが、当社の思いが少しずつ広まっていることに感謝しております。
当社は今後も「自然環境はもちろん、お肌に優しい洗剤を使わないお洗濯」を推奨してまいります。
(佐藤博士)
開発者の思いがつまった洗たくマグちゃん
無農薬にこだわって届け続ける
森野農園 徳島県:すだち・にんにく・甘夏
私の家は、徳島県阿南市深瀬町、美しい那賀川水系の下流地域で、平野から山間に入ってすぐの緑豊かな所です。平地の畑には、夏は水稲、冬はにんにくを栽培しており、山の畑では、徳島特産のすだちをはじめ、みかん、ゆこう(柚子の自然交雑種)、柚子、甘夏、八朔を栽培しています。平地も山も、私の畑にはすべてボカシ肥料と鶏糞堆肥を使用しています。
よつ葉の会員の皆さんには、18年ほど前に父の代からすだちを出荷し始め、今ではにんにく、にんにくの芽、甘夏もお届けするようになりました。出荷し始めた当時は、家族4人で農業を営んでいましたが、高齢化に伴い、今は主に夫婦2人で作業しています。作業の中でも剪定や草刈りは、冬にする剪定は昼間の暖かい時間帯に、夏の草刈りは朝夕の涼しい時間帯にするなど工夫して頑張っています。
我が家は専業農家なので、一年を通してさまざまな作物の準備と栽培、そして収穫を行います。まず4月に籾まきをして、田植えの準備を始めます。4月下旬からにんにくの芽を収穫しながら出荷作業。田植えとにんにくの収穫も行います。そして5月下旬頃にはよつ葉の皆さんへ甘夏とにんにくの出荷がスタートします。8月下旬より、すだちの収穫と出荷が始まり、それと同時に稲刈りを行います。10月中旬から、にんにくの種の植え付け。にんにくは翌年の収穫までに冬場3回ほどの除草作業をします。その後、ゆこうの収穫。11月になれば柚子を収穫して一段落ですが、それからまた次の春に向けてさまざまな準備が始まるのです。
近年、夏場の高温、大型台風、集中豪雨、冬場の寒波などの異常気象や、猪や鹿による農作物被害など、悩みの種は尽きませんが、夫婦2人力を合わせ、これからもよつ葉の会員の皆さんへ有機無農薬にこだわり、安心安全な農産物をお届けしていきます。毎回参加していますが、よつ葉の交流会で会員の皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
(森野竜市)
森野さん夫妻
「国際家族農業年」に想う
別院協同農場 京都府:摂丹百姓つなぎの会
「わしが動けんようになったら、家の農業は終わりや」こんな声が多く、小さい私の集落でも、あと何年したらあの家もこの家も農業を続けられなくなると心配する声が盛んです。
こうした中で17年前、身近に「よつば農産」が設立され、8年まえから私も別院協同農場の一員として野菜づくりに励んでいます。そしてその収入と年金で老後もなんとか生き甲斐を感じ過ごせていますが、これが持続可能な農業の実践ではないでしょうか。
政府はグローバル化とか大規模化とか改革を言いますが、2014年国際家族農業年が国連において設定され、さらにこれを10年間延長することになりました。FAO(国連食糧農業機関)によると比較可能な81カ国では73%が1ヘクタール未満で2ヘクタール未満は85%と小規模・家族農業が圧倒的多数です。
持続可能な食料を確保するには、この農家を支援することが必要で、一経営あたりの農業に占める補助金の割合はスイスやEUでは9割を超えているのに対して日本は3~4割程度で、これではまったく足りません。農業が衰退していくのは当然です。「企業が世界一活躍しやすい国にする」という現在の安倍政権は、岩盤に穴を開けるドリルになるといって、そのために農業を長年支えてきた農地法や農業委員会法の廃止や改悪、果ては農協まで解体を迫るありさまです。
私たちは産直活動を守るとともに、若い世代も喜んで農業ができる状態を作るため、安倍さんにはお引き取り願って、もっと農業に理解ある政権を求めていこうではありませんか。
(別院協同農場組合員佐々木幸夫(85歳)
高知の素材で無添加アイス
久保田食品 腰山 裕慈
いつも私共のアイスをご支持いただきまして誠にありがとうございます。
私たちのアイス造りは、家庭でのアイス造りの延長にあります。あんこや果汁、ピューレなどは加工品で代用することもできますが、できるだけ新鮮なものを、原材料の状態を見ながら自分たちで加工することがおいしさにつながると考えております。
例えばあんこ造りは鍋とヘラで、柚子の搾汁は半分にカットして手しぼりで、「苺とミルクのアイスキャンデー」の苺のスライスも手作業です。また、創業者の自分の食べる物に素材を邪魔する余分なものは入れたくない、添加物に頼らないというのも「ホームメイド」アイスならではの考え方ではないでしょうか。
大きすぎず、小さすぎない会社の規模もポイントです。大きいメーカーだと製造規模も大きくなるため、こだわりの素材が確保しにくく、小さいメーカーだとこだわりの素材が使えても、製造規模の小ささから価格が高額になりがちに……。結果、相対的にこだわり度を考慮すればご納得していただける価格になっているのではではないかと思います。
そして、こだわりの素材と言えば、私たちは地元・高知の素材を使った、特色あるアイスを数多く作っています。最近だと、当社の近所にある「南国にしがわ農園」産のグァバを使ったグァバアイスキャンデーを発売しました。南国にしがわ農園さんでは有機JAS認証を取得されていて、グァバ茶やグァバピューレの加工販売もされているところです。
高知県は四国山脈に囲まれた僻地ではありますが、自然が多く残っております。日照時間も長く、雨が多いなど(台風も!)南国ならではの気候の中で農産物を作っている農家の方々を間接的に応援できることは小さな自慢です。また、このような自慢ができるのも当社のアイスを購入していただいている皆さまがいらっしゃるからこそ。今後も地の利を生かした商品造りをしてまいりますので、ご支持いただけましたら幸いです。
柚子は手搾りで搾汁
Copyright © 関西よつ葉連絡会 2005 All Rights Reserved.