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4/15 大阪梅田 「よつばの学校」公開講座 講師・畠山重篤さん
森は海の恋人~カキ養殖から学んだこと
畠山さんはとても話が上手で、カキとカキが元気に育つ環境について篤く語ってくれました。
その内容はカキの生態から食物連鎖、森林学、地質学、分子学、海洋学、そして短歌、英語と多岐に亘りましたが、非常に分かり易かったです。
震災時の息子さんたちの貴重な体験談もありました。大変な経験でしたのに、畠山さんのユーモアある語りは少しも暗くありませんでした。
興味深い話の中で一番印象的だったのは「森は海の恋人」の英訳に苦慮し、皇后さまに相談したところ「long for」とアドバイスいただいた逸話です(The forest is longing for the sea.……)。「訳」はその国の文化、宗教を理解したうえでおこなうこと。まさに畠山さんの活動そのものだと思いました。海を豊かにするためには川も川の上流の森も豊かであること。学問の境界も世代の境界も超えて皆をまき込んで実に楽しそうでした。
畠山さんの活動は、小・中・高の教科書に載っていて、それがきっかけで研究の道に進んだ若者が幾人か居てるそうです。入試にも出るので著書を買って帰りました。目下勉強中です(受験の予定はありません)。
鉄とフルボ酸のことなど書ききれないほど面白い話をたくさんしていただきました。畠山さんとよつ葉の皆さんありがとうございました。
(淀川会員 久下美津子)
大阪ガス・ハグミュージアムにて
大人と子ども、おんなじごはん
以前より興味のあった重ね煮の基本の考え方や手順の詳しい説明が聞けたのと、離乳食は思春期までにわたる食育の始まりであるということ、食に関して子どもが自立できるように育てる基礎だということなどが聞けて良かったです。たくさん本も紹介してもらい参考になりました。
また、本には書いていない重ね煮の流派(梅﨑さんと船越さん)のちがいのお話が興味深かったです。ぜんたいに分かりやすく充実した内容でとても楽しませてもらいました。
(西京都会員 T・T)
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(淀川会員 J・I)
関連書籍の紹介も
『ドイツパン大全』
――100以上におよぶパンの紹介をはじめ、材料、作り方、歴史や文化背景、食べ方やトレンドまでを網羅―
森本智子【著】
2017年6月15日 誠文堂新光社 224ページ 3024円(税込)
評者:佐藤雄一(「能勢の里から」ハム工場)
そもそも食べ方が間違っています。
特にサワー種のドイツパンを、厚くスライスして焼いてはいけません。薄くスライスして焼かずに食べるのが正しい。確かに食べ方なんて好きにしていただいて結構なのですが、とりあえず次回からはそうしてください。そして必ずそのままでは食べないでください。バターを塗ってジャムもしくはチーズ、もしくはハムをのっけてよく噛んで食べてください。しかもバターは徹底的に厚く塗る。それを半年続ければドイツパンが大好きになるはずです。そんな一見とっつきにくいドイツパンを丁寧に説明している本書は、実用書の体裁をとりつつも読書に堪えうる中身になっています。
写真もパンの写真集の如くです。100以上ものパンの材料、作り方、名前の由来、特徴が紹介されコラムも充実していて「ドイツパン大全」とのタイトル通りその魅力が素直に伝わってきます。
あいにくぼくはパン屋ではありません。直接本書を手に取り、もの作りをすることはありません。
しかしながら自らの仕事を「大全」としてまとめ上げられるほどの知識と経験を、いまだ持ち合わせてはいません。そしてまとめ上げたとしても、きっとそれは到達点ではなくて新たな一冊を記す出発であることも本書は教えてくれています。底の見えないパンやハム作り。けれども答えは呆気ない。食べておいしいかまずいか。好きか嫌いか。身体や脳は喜んでいるか。
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