スパイスをより身近に
井上スパイス 埼玉県上尾市:奄美カレー、米粉カレーなど
奄美生うこんを使用したカレールー「奄美カレー」が当社のカレー作りのスタートです。化学調味料、合成着色料、保存料を使用しないカレー作りはスタート時より変わっておらず、もちろん新しいカレー作りも同様の考えのもと、新商品開発をしております。
スパイスの情報発信基地を目指し、2005年の新工場建設時には工場見学ができるようにと見学通路を設置し、小瓶詰めの充填ラインやカレールーの製造ラインが見学できます。見学時にはスパイスをより身近に感じてもらいたく、実際にスパイスを触ったり道具でつぶしたりして香りを体感し、楽しんでいただいております。
新工場稼働時より年1回、会社敷地内でカレー祭りを開催し、地元の方に当社のこと、スパイスのことをより知っていただく活動をしております。市の協力もあり今では約2000名のお各さまが来場していただけるほどになりました。2015年には工場直売所としてトレーラーハウス「SPICE TOWN」をオープン、当社商品の販売やランチでカレーを楽しむこともできます。
当社ではオーガニックやハラールの認証を取得し、幅広いお客さまへスパイス&カレーを楽しんでいただけるよう、これからも商品開発に取り組んでまいります。
(井上 剛)
井上スパイス本社とSPICE TOWN
「真っ当」続けてこそ老舗
中尾食品工業 大阪府堺市:こんにゃく、ところてんなど
「精根つきた」という言葉があります。精根つきた時には、こんにゃく、だいこん、れんこんなど「コン」の付く食べものを食べれば良い、とは江戸時代に実体験を素に書かれた養生訓の一節です。それほど昔から馴染みの深い「こんにゃく」は私たちの食生活において、切っても切れない存在かと思います。中尾食品工業もこんにゃくを作り続け、気がつけば大阪・堺の地で、4代目のバトンを受け継ぐ唯一の老舗こんにゃく屋になりました。
歴史あるこんにゃくですが、食のグローバル化、製造の効率化、価格競争の中でこんにゃく本来の姿も変わりつつあります。その中で老舗である私たちがどう在るべきかを考えた末に行き着いたのが、真っ当なこんにゃくを作り続けることでした。
例えば広島県で有機栽培された生こんにゃく芋を原料とする、人工的な凝固剤は使用しない、じっくり熟成させるための労力や時間を惜しまないなど、効率や安価を求めることとは正反対の事柄ですが、真っ当なこんにゃく、商品を作りあげていくには不可欠なことだと考え、日々商品づくりに励んでおります。
近年ではこんにゃくにも使われているこんにゃく芋の粉とさつまいも澱粉でできた、ぷるぷる食感の「蒟蒻わらび餅」が好評で、創業時から作り続けている和歌山県産の天草100%、つるつる「ところてん」とともに、これからの季節に体をひんやり癒してくれる涼菓もございますので、こんにゃくとともに楽しんでいただけたらと思います。
これからもこんにゃく本来の歯触り、食感、おいしさを基本に、皆さまに安心でおいしいこんにゃく料理を楽しんでいただけますよう、さらなるおいしさにチャレンジしていきます。
(中尾友彦)
ぷるぷる食感がたまらない蒟蒻わらび餅
韓国の食文化 料理教室でも紹介
みらい 愛知県一宮市:キムチ、韓国惣菜など
今年は設立15年の節目を迎えます。それも皆さんのお引き立ての賜物と心より感謝しております。
設立当初は、韓国直輸入キムチを主力とした輸入業に挑んだのですが、限られた賞味期限の中で、化学調味料不使用、低農薬白菜使用、韓国産唐辛子のみ使用のキムチを流通させ、価値を認めていただくことは至難の業でした。そこから中国産輸入キムチの異物混入事件の発生もあって、国内でのキムチ生産に転換。消費者の方との距離が近づいたことで追及すべき課題はまだまだあり、日々やりがいを感じております。
私どもは生産業の傍ら、数年前より韓国家庭料理教室を開催する機会が増えました。おかげさまで継続してくださる方が比較的多く、直接触れ合うことで韓国料理を通して「何か」を感じているからだということに気付きました。
日本料理は素材を活かすことが特徴ですが、韓国料理は素材を融合させ調理することでまた違う味を生み出すことが特徴といえます。しかも調理方法もシンプルです。つまり、あまり難しくなくラクで薬膳効果を得られることが支持される理由の一つと考えられるのでしょう。
また、現代のストレス社会の中で最も身近な療法的役割が家庭料理だと思いますので、料理教室を通して各ご家庭の幸せにつながっていればとてもうれしいことです。
私たちは、皆さんの食卓で「楽しいと発見」が少しでも感じられるような商品づくりを目指しております。そして韓国の食文化にも触れることができるようにご紹介もしていきたいと思っております。末永くご愛顧よろしくお願いいたします。
(金 龍根)
金さん
つながるくだもの
森谷果樹園 山形県:さくらんぼ
寒かった冬が過ぎて春の陽気に包まれ、裏の神社にある100年桜が4月24日に咲きました。そして山形盆地の色模様も雨と陽光を享けて開花、萌黄、展葉、新緑、春もみじが彩り良い季節になりました。
誰もいない早朝の果樹園は冷気が清々しく、深呼吸しながら今後の歩みを展望したり作業に勤しんだりする好きな時間です。休眠期を過ぎ、花々も「さくらんぼ、桃、李、ラフランス、りんご」が一斉に開花してきました。50日ほどもすると初夏の恋人、さくらんぼの収穫となります。
フルーツの森・森谷果樹園は山形県天童市川原子にあり、自然農法特別栽培でくだもの作りをしております。
自然の力を大切に太陽の光(光合成)と土壌(微生物)と (活性水)を活用して酸化しない果物作りを目指しております。旨く、安全、安心して食べられるものを召し上がっていただき笑顔を積み重ねていくことで同志、仲間が増えて地域を支える基盤となり、孫子らに事業活動はつながっていきます。
身体と心が喜び健康に寄与するうまい果物、生命力あふれる作物を作る。特に子どもさんや身体が弱っている人には生命力の高い産品ものが必要です。それらの産品をお届けすることは農業人としての喜びであり、生命を預かる者の使命と考えております。
(森谷光夫)
森谷果樹園の皆さん
安全・安心・新鮮でおいしい野菜づくり
高槻地場農産組合 大阪府高槻市:摂丹百姓つなぎの会の地場野菜
私は高槻市北部の標高210mの山村・萩谷地区に住んでいます。戸数は約50軒、JR高槻駅から市バスで約25分の所です。
私が農業を始めて22年になります。当初ハウス栽培トマトに関心があり挑戦しました。
早生トマトですので、毎年1月上旬に種をまき、2月上旬にポットに移し、3月上旬にハウスに定植します。
その間の温度管理が大変で、苗の時は伝熱ヒーターで温度管理、定植後は2重ハウスとトンネルを張り、石油ストーブを使用します。定植数は早生トマト500本、ミニトマト400本。5月の連休まではハウスの温度管理で留守ができません。
6月上旬に収穫が始まり、会員さんからトマトおいしかったと声を頂きますと、栽培苦労が報われます。
トマト以外もえんどう豆・きゅうり・なす・とうがらし・里芋など、約30種類の野菜を栽培しています。その他にも地場旬菜として、山うど・翡翠なす・ひょうたんカボチャを栽培しています。
会員さんからこれはうまいの声を多く頂けるよう、野作業を楽しんで励んでいます。(鈴木善大)
鈴木善大さん
日米間の歪み 沖縄に押し付けるこの国
沖縄物産企業連合 田場 典篤
先日、モズクを養殖する佐次田祟さんの所を訪れ、辺野古の新基地建設とモズク養殖について話を伺う機会がありました。沖縄からこの国の本質を良く捉えていると思ったので要約して紹介させていただきます。
「新基地建設の場所は、私がモズクの養殖をしている漁場の北東にあたり、ちょうどリーフの切れ目から入り込む潮の流れを遮断する位置にある。潮の流れが変わればモズクの生産に大きな影響がでるのは確実だ。大型トラック300台以上の砕石、資材が、キャンプシャワブに平日は毎日搬入され、護岸工事として砕石が辺野古の海に投入されている。今では相当な量が投入されたはずだ。県知事の最後の切り札と言われている『承認撤回』に踏みきってでも、早く止めなければ辺野古の海が変わってしまう。国には、陸上輸送だけでなく、海を護岸で囲ってしまえば抗議活動が難しくなる海上輸送でもって本土からも埋め立ての土砂を運んでくる計画があると聞く。負担し続ける米軍基地、オスプレイの配備、新基地建設、本土ではあり得ない政策をなりふり構わず押し付ける。沖縄の痛みに寄り添うことはなく、むしろ植民地の如く沖縄にだけに日米間の歪みを隔離し、閉じ込める。この国のやり方は卑劣だ。
最近は抗議のための出航にも嫌気がさしている。沖に出ると嫌でも仲間の船が目に入る。国から破格の賃金で雇われた海人の監視船。海人本来の生業で生きていくのは楽ではない。自然は厳しく、年によっては幾度となく襲ってくる台風に成長したモズクを切られ流される。台風だけではなく大雨でも流出した赤土がモズクを覆い売り物にならないこともある。まったく容赦がなく、収入は安定しない。故に金にものを言わせて海人を懐柔する」
埋め立てにあぶく銭。新基地の建設が人々の収入を握り、地域の暮らしの営みを、人のつながりを、豊かな自然を、すべてを操り、自分たちのより安心できる暮らしと引き換えに、より遠くの安全な場所から沖縄の地域を分断、破壊へと導いていく。国、メディア、ネットの情報も現実には程遠い。憲法改正も働き方改革も本質は危うい。このままだと大変な国になっていくという気がしてならない。
モズク生産者・佐次田さん
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