ともし続けよう大豆づくりの灯
大豆くらぶで『いただきます』
「大豆づくりが消える…」そんな危機感から、12年前(2006年)よつ葉は自分たちの身近なところで大豆づくりを再生しようと、地場の農家に働きかけ、できた大豆をよつ葉で加工して会員の皆さんに届け、大豆づくりが継続していける仕組み・大豆くらぶの取り組みを始めました。会員の皆さんにも大豆づくりに一粒からでもチャレンジしてもらおうと呼びかけています。今年は、大豆づくりを呼びかける集会としてドキュメンタリー映画『いただきます』の上映会を案内したところ、多くの会員の皆さんが参加されました。医食同源に基づいた、みそ汁、納豆、玄米、旬の野菜を中心にした和食の給食を続ける保育園の様子を記録した映画です。映画を見た会員さんと大豆くらぶの味噌加工を担うアグロス胡麻郷の橋本さんにお聞きしました。(よつば農産・深谷真己) ▼7面に関連記事
大豆加工を担う立場から
橋本 昭(アグロス胡麻郷)
十数年前、日本の食にとって最重要なものは米、ナンバー2は大豆、なのに自給率が極めて低い、ということに対して「大豆くらぶ」を興して、大豆の自給拡大の運動にちょっとでも寄与できたら!ということで始まりました。
とりわけ摂丹百姓つなぎの会のいわゆる地場野菜の産地に向けてのアピールだったと記憶します。爾来会員の皆さま、生産者、束ねるよつば農産の皆さまの支持で絶えることなく今回を迎えました。改めてその趣旨の正当性を表すものとして感じ受けました。
特に今回はドキュメンタリー映画上映とセットであった所為もあってか、たくさんの参加者で驚きました。「食育」という言葉が一般化し、子育て・教育の中で重要な事柄と定着していることも有り難く?(考えようによってはそう考えないといけないくらいヒドイと言うたほうがええのかも知れません…)。保育園での食育のドキュメントで味噌作りなどが取り上げられていましたが、「食」があらゆる角度から人が生きる上での最重要事で根本であると改めて知らされました。
一言私流を付け加えさせていただくと、食=農林水産の営みであると。一人ひとりの「食」はどんな農林水産に支えられているのか? そして如何様にかかわっているのか? それぞれ調べてみると結構なところまで来ていたり、歴史として大豆が、日本が占領していた満州と関わっていたり、アメリカとの関係につながっていたりする。木訥素朴な自給論などでは及びもつかない国際貿易や戦争の歴史の引き金になってきた。ウン、ならばこそ木訥素朴に自給を主張して反戦平和を訴えるべきだし、農業に勤しまねばと思う。もちろん、それに見合う所得が作り手に保障されるとしてではあるが。
農家も大豆の重要性を知らないはずはない。現代の作り手の経営経済もチャンと考えないと自給は向上しないと考えられる。ひとり消費者に負担をかけるのではなく、「食」についての国民的常識を練り直して日本の大豆作りを再生すべきである。その前に貿易に伴う利権の整理が必要かもしれませんが…。

大豆くらぶ集会で映画『いただきます』を上映
6月3日、茨木市福祉文化会館 右上・橋本昭さん
〝あたり前〟をとりもどせたら
坂本美也子(淀川産直会員)
手を合わせて〝ごはんをいただく〟あたり前の光景、ごはんをおいしそうに食べるあたり前の姿を見ているだけなのに、ほっこりと幸せな気持ちになれるのは、今、私たちに欠けているもの、忘れてしまってきたことがあるからなんだろうなぁ…。
近頃いろんな場面で感じていたこと…穏やかな日々を過ごすため、昔の人たちはあたり前のことだったのに現代では難しくなってきている〝おいしいごはんをみんなと楽しく食べる〟〝家族揃って食べる〟〝食卓を囲んで会話する〟そういった時間をとり戻すだけでも、なんだかいろんなことがうまくいくんじゃないのかな?と思うことがあり、この『いただきます』の子どもの笑顔を見て、やっぱりそうだよねっ!!と改めて感じました。今から母になる人たち、子育て真っ最中の人、そして子どもたちにも、もっともっと多くの人に見てほしいですね。
食べることが大切だということ、食べる時間を大切に幸せに感じる気持ちを特別なことではなく、自然なこととして、大人も子どもも身につけ、昔のごくあたり前であった生活の時間をとりもどせたらいいのになぁ。
自然な子どもたちの笑顔をたくさんありがとうございました。

大豆くらぶの味噌・醤油・豆腐を試食。
お味噌汁と別院食品のおぼろ豆腐が大好評。
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