山形村短角牛など地元の食材で加工品
総合農舎山形村 岩手県久慈市:お総菜、おせち
総合農舎山形村は、厳しい基準を設けた有機および減農薬栽培の農畜産物を使い、食品添加物・保存料を使用せず「身体にやさしく、しかもおいしい」をテーマに、消費者の皆さまに安心してお召し上がりいただける加工食品をご提供しております。
その中の食材のひとつ「山形村短角牛」は、「夏山冬里」方式で飼育され、春~秋は無農薬の牧草を食べ、冬は牛舎で自家製サイレージや国産100%の飼料のみで飼育しています。
肉質は、低脂肪で牛肉本来の旨味がたっぷりの赤身肉が特徴です。どの食材も地元の生産者との関係があることで、安全で質の高い加工品づくりに取り組めています。
今年の「洋風おせちセット」のラインナップは、山形村短角牛をふんだんに使用したキッシュ、牛・豚・鶏肉を使用したミートローフ、自社製手作りパイ生地の鶏モモ肉のパイ包み焼き、国産海産物と特製甘酢ドレッシングの海の幸のマリネ、歯触りの良い野菜を使用した野菜のピクルス、黒豚バラ肉を煮込んだ豚の角煮、豚・鶏肉を使用したボローニャ風ミートパイ…と地元の食材のおいしさが詰まった加工品ばかり。ぜひご賞味ください。
(笹原 洋)
総合農舎山形村スタッフのみなさん
今週配布のおせち予約チラシもご覧ください
乳酸発酵から生まれた風味とコクのある漬物
うまもん 山口県岩国市:漬物
うまもんは、名勝・錦帯橋から歩いて5分、作家宇野千代先生の小説「おはん」の舞台にもなった岩国城下町にあります。工場は「山口すまい百選」にも選ばれた築150年の木造3階建て、父である先代の中野安行が江戸時代から続く醤油醸造業を廃業後「日本の食文化に寄与する本物の漬物の味を追求する」との思いで漬物業を始めました。
原点は父の祖母が作っていた白菜漬です。その味は「三度漬白菜本造り」の商品に伝承されています。うまもんでは粗漬・中漬・本漬と原菜から三度漬け替えます。水分を75%以上抜いて乳酸菌や酵母の働きをよくし、漬物本来の風味とコクを造り出します。製造に使う水は錦川の伏流水のみです。敷地内の七つの井戸からこんこんと湧き出ており、この水で原菜を洗うから乳酸菌や酵母の力を弱めません。
今年の2月から毎月1回城下町うまもん寺子屋講座「岩国の食文化を学ぶ」を開催しております。郷土料理である岩国茶がゆや大平(おおひら)などと、うまもんの漬物を工場見学の最後に蔵の中で召し上がっていただきます。特に冬は温め、夏は冷やして楽しめる茶がゆは漬物によく合うので、地元の方にも好評です。発酵文化である漬物は、日本の食文化の原点ではないでしょうか。
もと醤油蔵の酵母を受け継ぎ、手間を惜しまず時間をかけた漬物をぜひたくさんの方に味わっていただきたいと思います。
(中野 敏)
うまもん本社
お母さん目線でたい焼きづくり
山﨑食品 熊本県八代市:たい焼き
私ども株式会社山﨑食品は熊本県八代市にあります冷凍食品メーカーです。主にたい焼きとアメリカンドッグを製造しています。お客さまのご要望に合わせてさまざまな種類の製品を作っています。
創業は、戦後間もないころ私の祖父が豆腐屋を始めたことがきっかけです。その後一旦は店を畳みますが、伯父が神奈川の地に冷凍食品メーカーを立ち上げました。その仕事を一緒にする中で現在の山﨑食品が設立されました。
当社の製品の特長は、必要最低限の原材料でシンプルに仕上げることです。スーパーに並べてあるたい焼きの原材料表示と見比べていただけると一目瞭然です。
家庭でお母さんが料理をつくるような目線で商品開発をし、そのまま工場のラインで商品に仕上げていきます。使っている添加物は重曹だけ。安定して製造するにはいろいろと手間がかかりますが、安心安全な商品を作るため細かい調整をしながら商品を作っていく日々です。
また、市販のたい焼きなどに使われる乳製品や卵は当社製品には使っておりません。それらのアレルギーがある方でもおいしく召し上がっていただけるような商品開発を心掛けています。新商品として登場しました「ミニたい焼き(ココア)」は、以前の商品をリニューアルして皮もココア味となり、より一層ココアの風味を楽しんでいただける商品となりました。ぜひとも一度ご賞味ください。
今後も皆さんに喜んでいただける商品を製造してまいります。よろしくお願いします。
(山﨑英和)
たい焼き製造風景
若手とおっちゃん それぞれのこだわり
出羽の里東風会 山形県:米
こんにちは、出羽の里東風会の庄司です。
この会は構成員が4名と小粒ですがそれぞれこだわりを持ってコメの生産を担っています。若手の二人は主に機械のオペレーターとして作業に従事しています。どちらも機械いじりが得意でメンテナンスなども自分たちでやっています。今年は1名が大型特殊機械の免許を取得し、公道上の草刈りもできる作業免許も取得の予定です。
そろそろベテランの部類に入ってきた二人のおっちゃんは、いまだ探求心が旺盛です。一人は平場から中山間地と多様な環境の圃場があるため、それぞれの田んぼに最適な品種を考えて植えています。今年は6品種くらい植えていますが、来年は何品種になるのでしょうか。6つの品種の中から「よつ葉」さんにはコシヒカリをお届けしています。
もう一人は「ひとめぼれ」に惚れ込んでこればっかり作っています。もちろん庄内平野が栽培適地なことに加えて、長年たい肥などの有機肥料を入れているので、多収穫は望めませんが品質の良い仕上がりになるのでお気に入りです。春先にスカスカに植えて、秋には粒張りの良い稲穂を付けるためには最適な組み合わせだと思っているところです。
春先の塩水選に始まり秋の収穫、秋うない、畦道の補修が終わるころにはそろそろ雪の便りが届きます。冬はまとまって休みが取れる時期なので若手は山へスキーに、時に除雪に。おっちゃんは溜まった書類に追われ慣れない机に、といった日々を過ごしております。
(庄司小右衛門)
左から、伊藤理樹さん、伊藤さん、庄司さん、庄司喜幸さん
先達の遺志 次世代へ
萩本農園 奈良県:柿・梅
私が農業を始め早や35年になりました。よつ葉さんとも25年ほどのお付き合いになります。私が農業を始めた頃は、JA出荷が主でしたが、ある人との出会いで自然食品関係とのお付き合いが始まりました。
それは30年ほど前の亀田嘉氏と出会いです。かなりアクの強い方で、米、野菜にとどまらず、果樹までも無農薬にこだわり続けた方でした。亀田氏がいたおかげで、今こうして、『よつばつうしん』に記事を書くことができています。その亀田氏も病気には勝てず、昨年他界されました。大変残念なことです。
さて、35年も農業をやっているといろんなことがありました。台風、晩霜、干ばつ、雹害などの自然災害、はたまた病気、害虫の大発生、数え上げるときりがありません。今年は順調に育ったと思える年は極まれで、何年やっても1年生です。
以前『よつばつうしん』に「農地は先祖から引き継ぎ、子孫に受け継いでもらうため、今農業をしています」と書かせていただいたことがあります。嬉しいことに、我が家では昨年から息子が一緒に農業をしています。そして今年、雑誌の取材の「農業を始めたきっかけは?」との質問に対し、息子は「他の農家同様JA出荷だったらやっていません。お客さまの声が聞こえる農業なので、やりがいがあるからです」と答えていました。大変うれしく感じました。自分のやってきたことが間違いではなかったと確信しました。
私のことばかりで申し訳ありませんでしたが、ますます農業に打ち込めるようになりました。
次回、『よつばつうしん』に記事を書かせていただくことがあれば、若きホープの声をお届けします。これからも萩本農園をよろしくお願いします。
(萩本了一)
萩本さんご夫妻
山の農業
熊野出会いの里 麻野吉男
大阪の河内平野で20年余り耕し、熊野に移住してこれまた20年になる。同じ農業といっても、河内の平野と熊野の産地じゃまったく様相を異にしている。
特に熊野は耕地が少なく、それこそネズミの頭のような棚田を耕すことが多い。しかしある程度まとまった耕地がないわけではない。川の本流と支流が合流するエリアにはもともと川の氾濫によってできたであろう平地がある。だがここを耕すことは、水害の危険といつも隣りあわせということである。
私が耕作している農地も、いわば河川敷の延長のような所で、もともとは川の領域、したがって大雨が降れば浸かることが度々。
河内と比べて不利なのは土地だけでない。熊野は雨が多く湿度が高いので、作物に病気が出易く虫も多い。雨の少ない河内で無農薬で簡単に作れた野菜でも、熊野ではそうスムーズには育ってくれない。
消費地が遠いので、手軽に新鮮な野菜を消費者に届けることができない。よつ葉への出荷も河内にいた頃はキャベツやレタス、ナス、キュウリといったものが多かったが、こちらに来てからは、サツマイモや里いもといった貯蔵性があるものに変わった。
山間地での農業は何かと手間のかかることが多いが、その中でも獣害対策は重要課題で、放っておくと全ての実りは動物の腹の中ということになりかねない。
鹿、猪、猿はもちろんのこと、穴グマ、タヌキ、ハクビシン、アライグマ、テン、イタチそれにカラスと役者は揃う。鹿にはサツマイモの葉を何度も食された。猪には1枚の圃場のサツマイモをすべて掘られた。収穫の2カ月ほど前で、まだヒゲのようなイモしか入っていない。それを次から次へと食し、とうとう1本残らず掘ってしまったという次第。猿は植えて間もないサツマイモの苗を面白がって引っこ抜く。
被害はサツマイモだけではない。カラスなどは、おいしいとなると手当たり次第に突っつく。スイカやメロン、トマトといった甘いものばかりでなく、キュウリやナスにも被害が及ぶ。
カラスと同様、旨いものなら何でもいただこうというのが穴グマで、秋の楽しみのイチジクもこやつが立ちはだかって、我等の口にはなかなか入らない。
そこで一首
天高く熟れよイチジクひそやかに鳥や獣のよそ見せし間に
Copyright © 関西よつ葉連絡会 2005 All Rights Reserved.