.
(よつば農産・横井隆之)
新米のお届けが始まっています
よつ葉が届けるお米の話
よつ葉では、能勢農場や大北食品など、直営の農場・工場をいくつもつくってきました。「自分たちでできることは何でもやろう!」ということを基本に、最初から人に任せるのではなく、可能な限り自分たちで取り組む姿勢は今も継続しています。よつ葉の精米所も、そんな想いから20年以上続けてきました。
一年を通して取り組む米づくりでは、台風による稲の倒伏や、長雨による日照不足、夏場の猛暑による高温障害など、ここ数年、その影響による稲の病気やお米にも被害粒が多くみられるようになりました。これらは、お米の品質と食味に少なからず影響を与えています。
このように、米づくりは自然相手ということもあり、天候によってお米の状態が毎年変化しますので、米の等級検査員でもある精米スタッフが、届けられた玄米の品質を目視で確認し、白米で実食をして食味を確認したうえで、精米方法やブレンド割合を決めて精米しています。
このため、多くの手間暇を必要としますが、農家が「家族の食べものをつくる心でつくったお米」を会員の皆さんへおいしく届けるには、これが最善の方法だと思っています。これからもよつ葉とお付き合いのある産地・農家と協力して、おいしいお米をお届けします。
精米の現場から―石井修二さんインタビュー
よつば農産精米所の石井です。今年4月に精米業務が「山豊」からよつば農産に引き継がれました。私はその「山豊」に入社してから17年になります。精米の現場に携わる者として、よつ葉のお米へのこだわりをもっと会員さんに伝えていきたいと思っています。
まずお伝えしたいのは、農家と直接のつながりがあるということです。文字通り「顔が見える」関係です。市場流通のお米では、卸業者や農協さんが間に入りますが、よつ葉では精米所から直接、生産者に発注し、送ってもらいます。届いたお米はここで精米し、できるだけ短い期間で会員さんに届けるようにしています。
一般的な精米方法では、ぬか層やデンプン質に熱が加わって、品質劣化につながりかねないので、精米時の圧力を下げて時間をかけてぬか層を削り落としています。大規模のところは効率があわないので、こういう精米の仕方はしません。
米検査(等級検査と食味検査)もよつ葉で行っています。直接検査するのは地場のお米だけですが、そこで培われた目で全国のお米の品質をチェックできます。検査結果は生産者に直接フィードバックできますし、会員さんのお問い合わせにも現場からお応えすることができます。よつば農産で精米所を持つ意味はこのあたりにもあると思います。
お米のブレンドは、価格を下げるために行われると思われがちですが、よつ葉のお米はそうではありません。ひとつは、各地の特色あるお米同士をブレンドすることによって食味を向上させるため。もうひとつは、年間をとおして食味を安定させるためです。
それぞれに特徴のあるお米から相性のいい組み合わせ、配合割合を見つけ出すことによってさらにおいしくブレンドします。また、単品だと年ごとの出来の差がそのまま出ますが、ブレンドによって食味を一定に保つようにしています。
高い評価をいただいている「凜耕(りんこう)」は、ブレンドでなければこの食味は出せないと自負しています。「豊穣(みのり)」は、ふっくら柔らかめが好きな人向き、「いただきます」はしっかりめの味になっています。無農薬米では、あきたこまちを使っている「穂(すい)」はしっかりめ、ひとめぼれを使っている「農」はふっくら柔らかめです。どちらもブレンドの相手にコシヒカリ系をもってきているのでねばりもあるし、甘みもあります。
ブレンドする品種や比率については長年の蓄積がありますが、最終的にはスタッフが実食して決めています。ですから職場でも自宅でもご飯ばかり食べていますね。これまで分づき米は7分米だけでしたが、カタログ『ライフ』450号から無農薬米2種類の5分米をスポットで企画します。玄米は栄養が豊富だと知っているけれど、食感や味が苦手で…という人に試していただけたらと思います。
いまはこのように多様で品質のよいお米を提供できていますが、農家の高齢化や自由貿易の進展、そして来年には減反政策の廃止という農政上の大きな変化もあり(本紙6月号参照〈HPで読めます〉)、米づくりの未来は楽観できません。厳しい状況のなかで、生産者とこれまで以上にしっかりした信頼関係でつながって、会員のみなさんに支持していただけるお米を届けていきたいと思っています。どうすればおいしいご飯を食べ続けられるか、いっしょに考えていきましょう。
おきたま興農舎の稲刈り
時間をかけてゆっくりていねいに精米
「交流・広報活動費カンパ」に
ご協力お願いします。
Copyright © 関西よつ葉連絡会 2005 All Rights Reserved.