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いややねん住基ネット(1) 能勢町議会議員 八木 修 |
■管理社会のために湯水のごとく血税が 8月5日から稼働した「住基ネット」のシステムで何か具体的に便利になっ たでしょうか。勝手に11桁の番号の通知が送られてきただけで、住民にとっ ては現在はなにも便利なことはないはずです。住民票がどこの市町村から でも発行できたり、住民票添付書類が簡略化されることが住民のメリットだ と国はいっています。本当にそうでしょうか。そのためには、今年8月に発行さ れる住基ネットカードを役所で購入しなければなりません。強制的に持たさ れるわけではなく本人の意思で購入します。この住基ネットカードを持てば、 住民票添付書類は簡略化されますが、強制ではないためすべての人が持 たない限り今まで通り住民票は発行されます。 そこでみなさんは1年にどのくらい住民票を役所に取りに行きますか。能勢 町では2001年度の発行件数は、8311件です。人口1万5千人弱(世 帯数4500戸)ですので、一人あたり約0.57件です。2年に1度しか請求 しない住民票の提出のために、「住基ネット」システムに多額の税金(血税) が費やされています。大阪府下の44市町村の03年度までの経費を含め約 780億円の試算がでています。全国3200あまりの市町村を合計すると数 兆円になるのではないでしょうか。「住基ネット」は住民にほとんどメリットがない のですが、湯水のごとく税金(血税)をつぎ込んでも国はメリットがあるのでしょ う。行く末はすべての個人情報を管理した住みづらい社会なのでしょうか。 ■みなさんの所でも調べてみては 住民票がどのような項目で請求されているのか内訳を下記にまとめてみました。 能勢町は自動交付機があるため交付機発行の内訳がわかりませんが、 窓口で申請した件数と郵便請求分の内訳を整理しました。交付機発行件数 は「その他」に加算しています。内訳項目の中で「住所確認」が1500件もあり ますが、本人が自分の住所を確認するために住民票など請求しません。「住所 確認」のほとんどは郵便請求で、サラ金や不動産屋と言われています。大きな 自治体では郵便請求の発送だけに職員を張り付けているところがあると聞きま す。おかしな事に、今の法律(住民基本台帳法)では他人が本人の承諾なし に住民票が請求できます。現行の法律の方が問題なのです。住所と名前がわ かれば誰でも請求できるわけです。 ※住民票請求内訳2001年度 人口15000人弱 世帯数4500戸 ○2001年度 住民票発行件数 8311件 <内訳> ○2001年度 印鑑証明発行件数
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いややねん住基ネット(2) 一村和幸(豊中市市議会議員) |
8月5日から、多くの人々の反対や疑問を無視して住基ネットワークが強行実施 されました。牛は10桁、人は11桁と反対運動の中でいわれているように一人一 人が名前や顔を持つ人間としてではなく、番号として扱われ、国に管理され、監 視される社会になろうとしています。来年の8月には住基カード(国民登録証)の 配布が始まります。将来は外国人登録証のように罰則でもって常時携帯が義務 付けられるかもしれません。現在、住基ネットは雇用保険の支給など93の行政事 務に使うとされています。しかし、政府はこの6月には自動車登録など264事務に 広げる法案をすでに提出しています。やがてもっと多くの事務に使われるようになり、 住基コードはマスターキーとなり、ありとあらゆる個人情報を取り寄せることができる ようになります。将来は病歴、離婚歴、収入、預金、借入金歴、犯罪歴、納税な どあらゆる情報が11桁の共通番号によって検索される恐れが出てきています。私た ちのプライバシーは丸裸にされ、国民総監視・管理社会の始まりです。 住基ネットは漏れるのは防げないし、他市から覗けます! どんなに厳重に対策をとっても情報は必ず漏れるといわれています。情報を漏れな いようにするには、蓄積しないこととネットでつながないことが一番良い方法とされて います。保険証なら保険証、運転免許証なら運転免許証と個別番号で分散し ておくのが一番いいのです。それを全て一つの共通番号にするから問題なのです。 ハッカーはアメリカの国防総省のコンピューターにまで入り込んでいます。また、自治 体の職員が全て信用できるとは思いません。三重県津市の選挙管理委員会が、 選挙人名簿を立候補予定者にコピーさせていた事が発覚し、さらに、毎日新聞が 調査したところ45%の市町村が同様の事を行っていたことがわかりました。他市町 村の個人情報管理のズサンさが次々と明らかになっていますが、そんな市町村(全 国で1300もの自治体は個人情報保護条例が無い)で豊中市民の情報が覗かれ る事を考えると恐ろしくなります。DVやストーカー、なりすましによる犯罪など漏洩に よる犯罪が頻発する恐れがあります。 豊中市では裁判を起こしました! 豊中市では、一村が「市は国に個人情報を提供するな」との裁判を起こし、11月 11日には、豊中では50人の人が第2次訴訟を行います。守口市、大阪市、東 大阪市、泉佐野市、八尾市などでも各市長を相手に訴訟が始まります。さらに、 第3次、4次と広げていく予定です。 豊中市がこんな内容のたくさんの個人情報を管理している?! 豊中市は、430項目もの市民の個人情報ファイルを作っています。行政サービスを 充実させる為に必要な個人情報ファイルを作っているのですが、ファイルのなかには 不要なファイルや問題のあるファイルもあります。 さらに、今回の調査で、市が集める個人情報のファイルの項目に下記のような情 報が項目としてあるのがわかりました。怖い情報収集です。もし、豊中市が保管し ている市民の個人情報が住基ネットにつながれたらどうなるのでしょうか。ネットにの せることで、市民の個人情報が漏れて悪用される恐れが考えられます。また、国に 提供することで、国が市民の個人情報を使って国民の監視・管理に利用する恐 れも充分考えられます。今は、4情報だけですが、国が法律を作って全ての情報を ネットにつなぐことを決めれば、あっという間に国による国民総監視・管理社会の到 来です。 ※市が保有している市民の個人情報ファイルの一例 ※個人情報収集の項目
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■参考図書
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