「よつ葉2010年春交流会」
島村菜津さん講演会(要旨) スローフードな生き方! 3月7日に「よつ葉2010年春交流会」を開きました。雨で野外の展示は中止になりましたが、多くの会員さんがご来場くださり、生産者やよつ葉職員との交流を楽しんでいただきました。当日はブース出展のほか、島村菜津さん講演会と4つのテーマ別交流会を開きました。今月号はその中から島村さんの講演会の要旨を紹介します。(文責=編集部・下村/「おたより掲示板」「春の交流会に参加して」に関連記事) |
まず、当時の『スローフード宣言』の一部を紹介します。「我々みんなが、スピードに束縛され、(中略)“ファストフード”を食することを強いる“ファストライフ”という共通のウイルスに感染しているのです。いまこそ、ホモ・サピエンスは、この滅亡の危機へ向けて突き進もうとするスピードから、自らを解放しなければなりません」。そして、「我々の反撃は、スローフードな食卓から始まるべきでしょう」と書かれています。私はこの宣言文に魅せられて、取材を始めました。 それから、イタリアと日本を行き来している何年かの間に、東京のどの駅前も、どんどん隣の駅と似通っていきました。個人商店が潰れ、チェーン店が広がりました。「これから均質化の大波が地球を包み込むだろう」という彼らの言葉を痛感しました。私たちが漫然と食べていれば、スーパーの棚だけではなく、町の景色さえ均質化する。だから、おいしいものを真ん中にして、人と人の関係、人と自然の関係、町のあり方まで問い直そうと言っていたんですね。 夢のある話をしよう 三重県多気町に「まごの店」という高校生のレストランがあります。県立相可高校の食物調理科の生徒が料理を作っています。高校生が、木曜と金曜の朝5時半くらいに起きて週末の開業のための仕込みをしているのです。だしも、昆布とかつお節で大鍋できちんととっています。化学調味料は一切使いません。丁寧な仕事ぶり、一生懸命な接待ぶりに感激しましたね。 |
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『スローな未来へ』 小学館、2009年12月刊 B6判、1,680円(税込) 島村さんの近著です。本文に登場する「まごの店」や「スローシティ」に興味を持たれた方はご一読を。 |