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2009年11月号(第280号)

今こそ脱原発への転換を
〜放射能を出さないエネルギーへ〜
エコナ問題から見えてきたもの
くらしからの政治
野良仕事のひとりごと
長野から 生産者自己紹介
会員レポート/お店巡り
会員のひとりごと/旬の食材 食べ方と保存方法
おたより掲示板
みなよれ農園産地交流会
うまい話まずい話
共済だより
わが家の朝ごはん/大北食品生産者交流会
めざせ!半歩先 〜命つむぐために〜
ちゃぶ台ラプソディー、編集後記




9月にご協力いただいた「上関原発建設計画中止を求める署名」が10月2日に経済産業省に提出されました。全国から届いた署名は61万筆(うち、よつ葉分は1万4千)に達しました。期間が延長され、来年3月31日までに100万をめざすことになりましたので、引き続きご協力をお願いします。用紙は祝島島民の会ホームページでダウンロードできます。(編集部・下村)

上関原発建設反対!原発も含む核廃絶を!

左上は集会で発言される
祝島島民の会・山戸貞夫代表。

他の2点は、全国から7000人が参加した
10.3 NO NUKES FESTA 2009にて。


予定地から望む夕暮れの祝島
(撮影:鎌仲ひとみ監督)。

上関原発建設予定地・田ノ浦

「原発で温暖化対策」のウソ

 よつ葉は、食べものを扱う団体として原発に反対してきました。「『食べ物』は『生き物』という考えに立ち…」(よつ葉生産者憲章)としてきた私たちは「生き物」と核は共存できないとも考えるからです。
 しかし残念ながら、各地で原発が推進されています。よつ葉でも署名に取り組んだ上関原発は、新規立地での建設計画です。また六ヶ所再処理工場と高速増殖炉もんじゅによる核燃料サイクル計画が進められています。そして、これらが技術的に頓挫していて使い道がないプルトニウムを利用するため、危険なプルサーマルに手を染め始めました。
 原発を推進するのは「発電時にCO2を排出しない」からだと言われます。これは、言葉の限りではウソではありませんが「不都合な真実」から目をそらす情報操作です。ウラン採掘・濃縮から施設建設、廃棄物処理にいたるまで、「発電時」以外に膨大な石油を使うことを隠すからです。新政権の環境省まで同じことを言っています。原発に抗する力は現地で反対する人たちと、自分の消費する電気が、何を犠牲にしているのかを自覚した都市住民のつながりの中にこそあるのだと思います。
 反対する気持ちはわかるけど、やはり原発は必要ではないか、と思われるでしょうか? 関西からは少し遠いのですが、上関現地を訪れてみてください。希少な生き物が棲んでいる美しい入り江に立つと、その海を守るべきことに議論の余地はないと思われてきます。そして、いままでそうしてきたように「海とともに生きていきたい」という漁民の思いを、金と力で潰す「国策」とは何なのか、考え直すきっかけになります。

子どもたちの未来のために

 現地では9月から、中国電力と、埋め立て工事阻止の着手を阻止しようとする祝島島民や支援の人たちとの攻防が続いています。そのさなか、中電がマイクを使って投げつけてきたさまざまな侮辱の言葉の中に、「一次産業では食えないではないか」というのがあったそうです。この中電マンはウラン鉱石でもかじっているのでしょうか? 一次産業しかない社会はありえますが、二・三次産業だけの社会はありえません。文字通り誰に食わせてもらっているのかわかっていないのです。このような思慮を欠いた言葉を口にさせる「国策」を見直すよう、要求していきましょう。原発推進は、事故の危険や核廃棄物の処理問題、農業・漁業の衰退など、次の世代に取り返しのつかない負債を背負わせてしまいます。
 一ヶ所集中型巨大システムそのものの見直しが問われているのです。徹底した管理が要請される専制的システムにおいては、人間性そのものが不信と監視の対象とされます。「非人間性、反自然といった現実を変えていこうとする」(同上)私たちは、信頼と協同に基づかないシステムに未来はないと考えます。
 なお『ライフ』490号で祝島のびわ茶を取り扱う予定です。支援の意味も込めて、ご注文よろしくお願いします。