ひこばえ通信 |
2007年5月号(第250号) |
グローバル化と日本の食卓 〜世界の農村と子どもたち〜 松平尚也(アジア農民交流センター(AFEC)・百姓) グローバリゼーションと呼ばれる時代。遥か彼方の、一生出会うことのない人が作った野菜が日本の食卓に並ぶようになりました。日本は中でも世界の食料輸入の一割を独占(人口は2%)的に輸入していて、貧乏でお金がないけれど食べものを買わなければ生きていけない人々にとっては大迷惑な国になっています。 世界中から集められる コストを徹底的に削減して作られるコンビニ弁当には世界中から集められた、食料加工品が使用されています。遠くから来る食べものにはさきほど触れたようにいろんな意味でストレスがかかっています。こうした食べものを日常的に摂取することは人類未曾有の経験と言えるのでは、と思うのです。それも子どもがそういう弁当を食べてしまっている。子どもたちの体に異変が起こっている方が自然と言えるのです。
輸入食品だけでなく加工品に使用されるうまみ調味料や砂糖など単一の糖分はある意味、中毒的な症状も起こりやすくて危険です。例えば袋菓子には、世界の一番安い塩と砂糖と油が使用されていると言えばわかりやすいでしょうか。砂糖の過剰摂取によって起こる低血糖症。都市部の環境や食品へのストレスが併さって起こるとも感じる様々なアレルギー。こうした新しい症状を病院で治療してもらうとなると多額の医療費を支払わなければいけないわけです。 農民作家の山下惣一さんの受け売りですが、高慢ちきな医者にお金を払うより、近くの農民や百姓にお金を払っていい食べものを食べる方が、今後健康保険もどこまで持つかわからない状況の中で、よっぽどいいのではと思うわけです。それもよつ葉のようにスーパーの味がない野菜よりずっといい物を扱っている流通業者さんがまだまだいる。食と農業とみんなの未来を考えるためにこうした議論が食卓や生活の視点からもっと行われていく必要が今後求められていくのでしょう。 |