ひこばえ通信
2007年1月号(第246号)

熊本から 九州の有機の基地をめざす
(有)くまもと有機の会・田中 誠

農村医学研究会から有機農業運動へ

 62年、熊本大学医学部研究者を中心に幅広い職層の方々により、農村の生活実態と農薬被害調査に取り組む農村医学研究会が発足しました(当時は、農家の農薬での健康被害が多かったそうです)。それをきっかけに有機農業運動が始まり、有機農業生産者と消費者を結ぶ専門機関の必要性から、76年に「(株)熊本有機農産流通センター」を設立。その後、有機農業を広く伝えるために、消費者との提携部門の他、店舗、卸部門を展開する組織として、85年4月に(有)くまもと有機の会が発足し現在に至っております。
 また、今年の4月より物流の拠点を30年間親しんだ熊本市湖東町より九州自動車道御船インターそば、3000uの敷地に移転しました。広い敷地を最大限に利用し、我々だけではなく、同じ志をもつ人たちと連携をし、これから九州の、衣・食・住を含めた有機の基地として活動していきたいと考えております。いろんなものを使ってしまうのではなく、次の世代に大事なものをいかに残すかを常に考え、有機農産物の生産、流通活動を通してそれを実践していきます。
 後継者・新規就農者問題もここ数年の大きな問題であり、どうにかしなければ安全なものが欲しくても手に入らなくなります。日本で入らなければ外国でという問題では済まされない深刻な事態だと思います。
 問題は山積みですが、よつ葉の皆さんのご理解とご協力があれば、今まで通り安全安心な農産物の生産もできますし、作ったものをバランスよくたくさん食べていただき、この輪が広がって行けば、後継者問題や、その他のいろんな問題を解決することに繋がっていくのだと思います。
 今後ともよろしくお願い申し上げます。